beacon

清武出場の後半は香川、乾と元C大阪トリオでチャンス量産

このエントリーをはてなブックマークに追加

[5.30 キリンチャレンジ杯 日本0-2ブルガリア 豊田ス]

 4-2-3-1でならこの程度の機能性はもはや当たり前だ。

 ベンチスタートのFW清武弘嗣(ニュルンベルク)が後半開始からピッチに立つと、日本は3-4-3から4-2-3-1へとシステムを変更。FW香川真司(マンチェスターU)がトップ下に入り、右サイドに清武、左サイドにFW乾貴士(フランクフルト)と、元C大阪トリオが2列目に並び、チャンスを量産した。

「入るときに特別な指示はなく、4-2-3-1でという指示だけだったが、ずっとやっているシステムなので、戸惑いなくやった」(清武)

 その言葉どおり、後半10分には清武が香川とのワンツーからシュート。同12分にはセットプレー崩れから清武、香川、乾とつなぎ、最後は清武がシュートを打った。ここで決めていれば、と悔やまれる連続攻撃の場面だったが、C大阪時代にそれぞれが仕込まれた絶妙な距離感とアイデアの共有、そして、微に入る相互理解から生み出される攻撃は、やはり光っていた。

 トリオが代表戦で同時出場したのは、後半途中で実現した昨年10月12日のフランス戦が初。清武は「フランス戦のときはすごくうれしかったし、興奮した。そういう時間を自分たちで増やしていきたいと思う」と話していた。

 後半24分に乾が退いたため、トリオでのプレータイムはそこまでとなったが、24分間でのシュート数は7本。全体(15本)の約半数がこの時間帯に集中していたことになる。

 ただ、点が取れなかったのは当然ながら反省材料だ。

「あの20分間のいい時間帯に点を取れたらまた違った結果になったと思う。いい攻撃ができていたと思うけど、点を取れなかったので、そういう話を(香川)真司くんともした」(清武)

 ベンチの指示でセットプレーのキッカーも任され、後半23分には清武の右CKからDF栗原勇蔵がヘディングシュートを放つ場面もあった。惜しくも決まらなかったが、「セットプレーから点を取れるようなキックになるように、もっと精度を上げたい」と、この先を見据える。先発でも途中出場でも攻撃のアクセントになる背番号8は、試合を重ねるごとに存在感を高めている。

(取材・文 矢内由美子)

▼関連リンク
ブラジルW杯アジア最終予選特集

TOP