beacon

敗戦一夜明け…危機感強める長友「このままだと手遅れになる」

このエントリーをはてなブックマークに追加

 0-2で敗れたブルガリア戦から一夜明けた31日午前、日本代表は愛知県内で練習を行った。ブルガリア戦に45分以上出場した選手はクールダウン中心の軽めのメニュー。後半開始から出場したDF長友佑都(インテル)は練習後に報道陣の取材に応じ、厳しい口調で語った。

「昨日の試合で僕もチームもすべてのパフォーマンスに対して失望した。今の状況で世界と戦うのは難しいと感じた。厳しさも、ハングリーさも、勝利への貪欲さもなかった。どれだけの選手が世界のトップになりたいと真剣に考えているか。考え直さないと本当の成長はない」

 ブルガリア戦後のミックスゾーンでは報道陣の呼びかけにも無言で通り抜けた長友。「悔しさから昨日は話したくなかった」と、その理由を語り、「昨日はいろいろ考えて、ほとんど寝れなかった」と、一夜明けて胸の内のモヤモヤをぶつけた。

「内容も大事だけど、勝たないといけない。日の丸を付けて、代表の看板を背負っているし、子供たちも見ている。申し訳ないし、恥ずかしいし、情けない。W杯まで1年しかない。どれだけの選手が本気になっているか。僕も含めて、このままだと手遅れになるかもしれない」

 これまで「W杯で優勝を目指す」と公言してきた長友。昨年10月の欧州遠征でフランス、ブラジルと対戦したときには「これが世界のトップなんだなと感じた」と生き生きと語り、世界との差を計ることができたと充実した表情も見せていた。「あのときは世界へのモチベーションが高かった。あのときの気持ちを僕も含めて忘れかけている」。そう自戒も込めて言った。

 6月4日のW杯アジア最終予選・オーストラリア戦(埼玉)、同11日の同イラク戦(ドーハ)が終われば、コンフェデレーションズ杯が待っている。「今、コンフェデに出ても、このチームなら全敗する。日本はまだ世界の仲間入りを果たしていない」。試合直後は怒りがまさった長友。一夜明けて冷静になった今、募るのは危機感ばかりだ。

(取材・文 西山紘平)
▼関連リンク
ブラジルW杯アジア最終予選特集

TOP