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遠藤「僕は心配していない」

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 ザックジャパン初の連敗から一夜明け、チーム内にさまざまな感情が渦巻く中、MF遠藤保仁(G大阪)はいつも通りの飄々とした雰囲気を漂わせながら、6月4日のW杯アジア最終予選・オーストラリア戦に向けて気持ちを切り替えた。

 今合宿ではまだオーストラリアのビデオは見ていないというが、3月26日のヨルダン戦前に宿舎のテレビで「オマーン対オーストラリア戦」の生中継を観戦。

「ちょっとだけ見ました。今まで何回もやっていますけど、いつも同じような感じだし、(オジェック)監督も代わっていない。実際にやってみないと分からないけど、戦い方を大きく変えてくることはないのではと思います」

 遠藤が強気の姿勢を見せるのには理由がある。06年ドイツW杯ではグループリーグ初戦で対戦し、日本が惨敗を喫したが、そのときは試合に出ていなかった。そして、レギュラーをつかむようになった07年以降の対戦成績は2勝(うちPK勝ち1)2分1敗だ。

「相手には経験のある選手も多いですし、日本が勝った試合にしても、ほとんど僅差。自分たちがいいコンディションで臨まないと難しい試合になると思いますが、個人的には特別な苦手意識はない。どの試合も主導権を握れているので、次の試合も極力相手を押し込めるような形にできれば、相手の脅威になると思う」と話す。

 チーム内での意思統一についても「僕は心配していない」と言い切った。11年1月のアジア杯では初戦のヨルダン戦に1-1と引き分けた翌日、選手だけのミーティングを開いたが、今回はそのときとは違うという。

「あの大会にはふわっと入ってしまった。気持ち的にどこか緩みがあるように見えた。でも、今回に関してはみんなが高い意識でトレーニングに励んでいますし、そこまでする必要はないと思う」

 ロングボールを蹴り込み、フィジカル勝負に持ち込もうと必死に来ることが予想されるオーストラリアと戦うとき、冷静に相手をいなせる遠藤は欠かせない。

(取材・文 矢内由美子)
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