beacon

ザックが“歩み寄り” 選手と異例の「ディスカッション」

このエントリーをはてなブックマークに追加

 日本代表は1日、埼玉県内で練習を行った。5月30日のブルガリア戦(豊田ス)に0-2で敗れ、前日31日に埼玉へ移動。4日のW杯アジア最終予選・オーストラリア戦(埼玉)に向け、再始動した。

 監督、選手間の異例の「ディスカッション」だった。この日の練習は午後4時開始の予定だったが、チームバスが練習場に到着したのは午後5時前。約1時間遅れで練習がスタートした。到着が遅れた理由についてMF長谷部誠が明かす。

「ブルガリア戦の映像を見ながら1時間弱ぐらいのミーティングがあった。監督からの話だけじゃなくて、選手からも『こういうときはこうした方がいいんじゃないか』と意見を出した。ちょっとしたディスカッションが入って、いつもより多少長くなった」

 ブルガリア戦で採用した3-4-3、4-2-3-1の両システムで攻守両面におけるポジショニングが主な議題。アルベルト・ザッケローニ監督が一方的に話すのではなく、選手からも意見を述べるのは「今まではあまりなかった」(長谷部)ことだった。

「僕らも意見を言って、お互いに話をしていかないと埋まらない。監督も『自分の戦術はあるけど、ピッチでやるのはキミたちだから、キミたちが一番いいと思うところでやってくれればいい』と言っていた。そういう柔軟なところを持っている監督だから」

 指揮官からの“歩み寄り”を歓迎する長谷部は「ディスカッションをしたのはめずらしい。個人で監督と話をすることは今までもあったけど、ミーティングで話した方が他のポジションのことも分かる。ミーティングの時間は長くなるけど、すごく意味のあることだと思う」と、有意義な時間になったと強調した。

 DF吉田麻也も「監督の理想はあるけど、ピッチでやるのは僕らだから、状況に応じてプレーしようという話があった」と語る。攻守にチグハグさを残した前哨戦。ザッケローニ監督就任後初の連敗を喫し、沈滞ムードの漂っていたチームが、ここでもう一回まとまることができるか。オーストラリア戦は3日後に迫っている。

(取材・文 西山紘平)

▼関連リンク
ブラジルW杯アジア最終予選特集

TOP