beacon

日本vsオーストラリア 試合前日の選手コメント

このエントリーをはてなブックマークに追加

 日本代表は3日、試合会場の埼玉スタジアムで公式練習を行い、4日のW杯アジア最終予選・オーストラリア戦に向けて最終調整した。同日午前に帰国したMF本田圭佑(CSKAモスクワ)、FW岡崎慎司、DF酒井高徳(ともにシュツットガルト)も合流。初めて26選手がそろって練習を行った。

以下、練習後の選手コメント

●FW香川真司(マンチェスター・U)
「明日はチーム一丸となって頑張るだけです。いい雰囲気です」
―ヨルダン戦前と比べてどう?
「引き締まった感じで、ホームだし、相手は素晴らしいチーム。本当に素晴らしい環境でできるので、それを楽しんで頑張りたい」
―本田が合流したが?
「体調的にはタフですし、それはオカちゃん(岡崎)とかもそう。僕たちは試合やっていてコンディションはいい。試合になったら、お互いが意識してやれれば必ず結果が出ると思う。明日の試合のために全力を尽くして、みんなでやれたらいいと思う」
―本田とやってみてどうだった?
「今日は特にそんなに練習をしていないので。明日の試合に向けてという内容だった。明日の試合に全員が集中している」
―流れの中で得点することが大事?
「そうですね。縛られずにやることが一番大事だし、どうしてもチームとしての決まり事はあるけど、状況に応じて判断していきたい。明日の試合も、状況に応じたプレーを意識してやっていきたい」
―メンタル的には?
「チームと代表は、メンタル的な状況が違って難しい。そういう意味で精神状態というのはなかなか難しいし、自分の力を出せるメンタル状況をつくるべきだし、もっとそれを確立する必要があると思う。コンフェデ杯でも初日が大一番ですし、明日の試合も大一番になるので」

●FW岡崎慎司(シュツットガルト)
―ブルガリア戦は見た?
「自分はいなかったので、ハイライトぐらいしか見ていない。結果、0-2で負けたのは、自分を含めてFWとしてダメなこと。(自分がフル出場した)ヨルダン戦でも1点しか取れていない。ただ、チームとして切り替えて次に向かっていると思う」
―DFBポカールの決勝ではポスト直撃のシュートが得点につながったが?
「でも決め切れないのは自分の実力。今季はそういうことが多かった。ハッキリとした課題はずっと出ているし、上を目指してやっていくうえで次に切り替えられる。自分が試合を動かせたとは思っているけど、点を取ればもしかしたら優勝に導けたかもしれない。責任も感じているし、悔しさもある。点を取らないと、欧州ではFWとして認められない。代表でもチームでも結果を求めていきたいし、オーストラリア戦でも貪欲に狙っていければ」
―代表ではいい感触でやれるのでは?
「ただ、ヨルダン戦も、もっと自分のいいところを出して、貪欲にゴールに向かっていければよかった。そういう気持ちで次は臨みたい」
―4年前のようにW杯出場を決めるゴールを狙う?
「点を取れればFWとしてはうれしいし、チームのためになるなら貪欲にゴールを狙っていきたい」
―岡崎選手が点を取れば負けないが?
「そうなるように責任を持って試合に臨みたい。それが自分のいる意味だし、FWとして貪欲にゴールに迫ることが自分の価値でもある。FWとしてのメンタリティーから逃げずに戦いたい」
―連敗で臨む試合だが、プレッシャーは?
「負ければ次は勝たないといけないとなるけど、自分たちが見ているのは世界でどれだけやれるかということ。負けようが勝とうが、目指すところは変わらない」

●FW清武弘嗣(ニュルンベルク)
「今までやってきたとおりにやれればと思うし、やっと真司くん(香川)とオカさん(岡崎)と(本田)圭佑くんがそろったので、自分もその中に入って一緒にプレーしたいなと思うし、明日はすごく楽しみだと思う」
―その中に入って、出したい自分らしさとは?
「みんな個人的にタイプは違うので、いろんな動きはあると思うけど、自分もゴールに絡むプレーができればと思うし、試合を決定づける仕事ができればと思う」
―今日合流した3人と話をした?
「特にサッカーの話はしていませんね」
―パパトーク?
「まぁ、そうですね。(本田がパパになっていたことは)知らなかったです」
―パパになってどこか変わっていた?
「圭佑くんは、圭佑くんだったなと思います」
―先輩としてアドバイスは?
「いや、そういう感じじゃないし、もう明日の試合が一番大事なことは分かっているので、ミーティングから、練習もすごくピリピリしていたし、やっぱり(本田が入って)チームが引き締まった感じはした。昨日もみんな『入ってきたら、すごい力が加わる』と話していたし、今日はそういうところから雰囲気がすごく引き締まって良かったと思う。入れるところは入れて、抜くところは抜くというメリハリもしっかりできたと思う」
―何か言って引き締めた?
「言うというよりも、存在感ですね。明日、みんな一丸になってやれればと思う」
―世界大会をつかむ試合という点で同じだが、五輪と雰囲気は違う?
「W杯というのはすごい大会ですし、しかもA代表という一番上のカテゴリー。その分、絶対に決めないといけないというプレッシャーはあるけど、良い緊張感で、それを楽しめるような感じでいけたらいいし、そんなに違いはないかなと思う」
―リーグ戦が終わってから3週間だが?
「コンディションはいいし、2週間休んでよかったというか。すごく疲れていたので。そこから徐々に上がってきて、明日、ピークに持っていけるので、明日は出たらしっかり頑張れたらいいなと思います」

●FW乾貴士(フランクフルト)
「試合に出るかどうかは分からない。準備は常にしている」
―W杯が決まる試合に出られる可能性があるということについては?
「こういう試合に関わっていることは大きいし、まずはチームが勝てるように、チーム全体で、スタメンの選手だけでなくサブの選手も全員が準備して、みんなでしっかり勝って、W杯を決めたい」
―本田、岡崎とは話をした?
「話しました。戦術の確認とかではなく、普通の会話です」
―ヨルダン戦の前と比べて緊張感は?
「リラックスできているし、いい緊張感がある。まずは勝つことだけを考えてやることが大事だと思う」

●MF長谷部誠(ボルフスブルク)
「明日の試合は初めてホームでW杯出場を決められるということで、素晴らしいサポーターを背に自分たち自身を信じて、強い気持ちを持って、闘争心を持って戦いたい」
―今日合流した3人と話はした?
「合宿の中で彼らはいなかったし、分からないところもあると思うので個人的には少し話をした。タイトなスケジュールだけど、日本に来て、おいしい日本食を食べてうれしそうなので、明日は問題ないと思う」
―本田が入ることでチームにもたらす変化は?
「(本田)圭佑は日本代表にとって重要な選手の一人だし、彼の強みはゴールを取れることでもある。自分たちの強みにもなるけど、圭佑だけでなく、ゴールはチームとして取らなければいけないものだと思うので、すべての選手がゴールに対する強い気持ちを持たないといけない。ヨルダン戦、ブルガリア戦ではそこが足りていなかったのかなと思うので、そこはチーム全員が強い気持ちを持って臨みたい」

●MF遠藤保仁(G大阪)
―引き分けは考えずに試合に入る?
「そうですね。やっぱり先に点を取れば、相手も相当、苦しくなると思うので、常に先手を取りたいし、アグレッシブにやりたい」
―ホームでW杯出場を決めるのは初ですが?
「早く決められるのが一番だと思うけど、こういう状況になったので、初めてホームで決められたら自分たちにとってもうれしいこと。決めなきゃいけないし、決めたいなと。みんなで良かったと喜べるような試合にしたい」

●DF長友佑都(インテル)
「メンバーがそろったので、また一つ引き締まったかなと思う」
―前日の時点で、チームは万全になっている?
「万全かどうかというのではなく、万全にしないといけない。言い訳は許されない。試合は明日というのが決まっているので、言い訳はないし、僕らはいい準備をしてきたので、問題ない」
―本田が合流したら話したいと言っていたが?
「(本田)圭佑とは食事しながら話したけど、今日着いたばかりなので、またしっかり話をしようということは言いましたけど」
―一番伝えたかったことは?
「伝えたいことというよりも、僕らが目指すべき方向性、僕らの心の部分でどこを目指すのか、どうしたいのかというのをハッキリと話し合わないと。お互い、もしかしたら目標が変わっているかもしれない。それは分からないので」
―長友選手と本田選手がチームを引っ張ってきたのでは?
「僕らが引っ張らないとだれが引っ張るんだというくらいの気持ちでやらないといけないと思っているし、前のW杯でそれだけ経験させてもらって、世界のレベルも知っている。そういった意味で、僕らは引っ張る使命があるんじゃないかと思っている。その気持ちでやっています」
―本田選手とその共通意識はある?
「圭佑とは目指すべき方向性や夢、目標の部分で重なるものがたくさんあるので、そういった意味で話がすごく合う。もともとそうです。他の人が聞けばちょっと熱すぎるんじゃないかと。『お前ら何を話しているんだ』と笑われるかもしれない。でも笑われても関係なくて、僕らが目指すべき方向性はまったくぶれないので」
―3月は2人がいなくて、その部分が足りなかったように感じた。ブルガリア戦もその延長だった。
「日本代表全体にW杯がほぼ決まっているというちょっとぬるい空気というのは流れていたと思う。それをミーティングで意見をぶつけ合って、目指す方向性や自分たちの持つメンタリティーを話し合えたので、そこで引き締まったと思う」
―ここで決めることで、イラク戦を挟んでコンフェデ杯に行けるメリットがある?
「明日決めないとダメでしょう」
―それが世界で戦うための条件?
「もちろんもちろん。世界で勝つためには試合に勝たないとダメだし、(勝つには)内容も伴ってくるから。とにかく明日ですね」
―この1週間、長友選手があえて引き締め役になっていたように見えたが?
「あえてというより、僕は自分の気持ちに正直に動いていただけ。自分自身、情けない気持ちが大きかった。でも僕自身切り替えたし、いろいろな部分が見えた。明日にぶつけます」

●DF酒井高徳(シュツットガルト)
「チーム一丸となってやることが大事だし、自分がここに何をもたらすかということより、自分が何をしなければいけないかを、その場の状況に応じて把握することが一番大事。相手がいてのサッカー。いろいろな状況があるので、そのときにいい判断ができるようにコンディションを整えるのが一番大事なこと。それに向けてしっかり準備していくことです」
―ブルガリア戦で負けたことで、ドイツでもいろいろ情報を得ていたのでは?
「もちろん、どの試合にもメンタルを持っていかないといけないし、どの試合もみんなが持っていないわけじゃないと思う。各試合にそういう気持ちがなかったということは絶対にないと思う。ただ、その持ち方や、90分通してそれを持ち続けることが難しいというわけで、それを高く持ち続けられる選手がすごくいい選手だと思う。自分も見習っていきたいし、話を聞いて納得もしている。気持ちが左右するというのは、こういう国際試合ではすごく(結果に)関わってくると思う。気持ちの部分は自分もすごい大切だと思いますね」
―若い選手の意識は?
「僕ら若い選手がその意識を持っていなければダメだと思う。チームに入って、どうしよう、何しようと思っているようじゃダメ。自分たちから気持ちを前面に押し出してやらないといけないというのは若い選手に必要。もちろんそれは自分にも必要だと思っています。そういう気持ちで挑みたい」
―南アフリカW杯ではサポートメンバーだった。
「メンバーには入っていなかったけど、その場にはいたので、しっかり選手たちの背中を見てきた。こうあるべきというのは分かっている。若い選手がしっかりした気持ちで戦うことでより戦力にもなれると思うし、なりたいと思っている。そういう気持ちを出したい」
―ヨルダン戦を振り返ると?
「あのときも結局、その気持ちを持っていなかったわけではないし、自分も交代するまではずっとその気持ちを持っていた。ミスが付き物なのがサッカー。それを課題にするかというところ。気持ちはプレーに関わってくると思うけど、そのときは別だったと思います」
―オーストラリアに対しては?
「高さやフィジカル面での強さは向こうの武器だと思うので、セットプレーも含めて気をつけてやらないと失点してしまう。集中力が必要になると思う」

●DF吉田麻也(サウサンプトン)
―今日、3人が合流しての雰囲気は?
「引き締まって、すごく良い感じだと思う。自然と引き締まったし、監督も『就任してから一番大事な試合になる』と話していた。僕もそう思うし、チーム全体としてもそういう雰囲気が出ている。一人ひとりが自覚していると思うので、勝ってW杯に決めたい」
―無失点で終わればW杯だが?
「無失点は意識してやるが、その先に僕らが点を取ることがあれば。まずは失点を抑えることが一番大事だと思うので、そこは意識するけど、最初から引き分け狙いでいくわけにはいかないので、勝つつもりでやる」
―オーストラリアとは2度対戦しているが?
「引き分けを狙って、引き分けられるほど力の差があるわけではないし、過去の対戦も非常に激しい戦いになっている。相手のストロングポイントは明確なので、どれだけそこをしっかり抑えられるかだと思う」
―過去の失点から気を付けたいことは?
「ロングボール、セットプレー。その2つです」
―ブルガリア戦はセットプレーで失点しているが?
「セットプレーから続けて失点しているし、カウンターへの対応は課題の一つなので、この試合から改善できていることを示していきたい」
―ブルガリア戦はどう消化した?
「終わったことは仕方がないので、リスクマネジメントを含めて、プレーの判断、質を上げないといけない」
―90分間を通して、動じないことがカギになりそうだが?
「勝っているとき、負けているとき、監督から指示があると思うので。状況に応じて、パフォーマンス、プレーの質は変えなければいけないと思うけど、基本的にやることは変わらないので。自分たちのやるサッカーをやる。うちのストロングポイントが相手のウイークポイントだし、逆に言うとうちのウイークポイントが相手のストロングポイントなので。お互いの良いところをどれだけ消し合い、自分たちの良さを出せるかがカギになると思う」
―ここ2試合勝てていないが、そこは平常心を貫いてやる?
「もちろん」
―アップ後に別メニューになっていたが、状態は?
「状態は良くはなっています。ただ、完全ではないので、ターンとかステップの激しいものは、なるべく控えて、直線的なものにした」
―練習前にザッケローニ監督と話していたのも状態について?
「いえ。守備のことです」

●DF内田篤人(シャルケ)
―3人が合流しての最終調整だったが?
「決まり事はチーム全体に浸透させないといけないし、俺らというよりあの3人にとっては大事なことだと思う。しっかり準備してきたし、立ち上がりからうまく入れればいいと思う。向こうも必死だからしっかりやらないといけない」

●GK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)
「大事な一戦だというのは分かっているし、認識している。準備してきたことを出すだけ。もう一回強い気持ちで臨みたい」

(取材・文 西山紘平、河合拓、矢内由美子)

▼関連リンク
ブラジルW杯アジア最終予選特集

TOP