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本田が変えたザックジャパン

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[6.4 W杯アジア最終予選 日本1-1オーストラリア 埼玉]

 どれほど大きな期待を受けても、どれほど重いプレッシャーを受けても、背番号4にはそれをプラスの力にする技術とフィジカルとメンタルがあった。

 MF本田圭佑(CSKAモスクワ)は帰国翌日、しかもロシア杯決勝から中2日という強行スケジュールもなんの、90分を通じて100%の力を発揮したどころか、チーム全体をガラリと変える存在感を見せつけた。

 4-2-3-1のトップ下で先発すると、強靱な体を生かして ボールをキープし、FW香川真司(マンチェスター・U)とのコンビネーションでシュートチャンスを創り出していく。3度あった直接FKは“不発”に終わったが、決して簡単にボールを失わない無類のキープ力と展開力でチームを引っ張った。

 自らゴールを狙う場面も多かった。シュート数7本は両チームを通じてダントツ。前半は落ち着いてボールを回す流れだったが、勝負に出た後半に7本中6本を集中させてゴールを奪いに行った。

 引き分けも見えかけた後半36分に先制点を奪われるという大ピンチでも、チーム全体が最後まで得点できると信じてファイトし続けられたのは、本田がピッチにいたからという面が大きかった。

 そして迎えた後半44分。本田のクロスを跳ね返そうとしたDFマッケイがハンドの反則を取られ、日本にPKが与えられた。この日7本目のシュート。本田は冷静に左足を振り抜き、大胆にもど真ん中にボールを蹴り込んだ。

 DF長友佑都(インテル)は「圭佑なら(PKを)決めると思っていた。何の心配もなかった。蹴ったのは真ん中。それがメンタルを物語っている」と絶賛。DF今野泰幸(G大阪)は「(本田が入ると)デカい。落ち着くし、相手も取りにいきたくてもいけないみたいな感じだった」と言う。

 香川でさえ「圭佑くんはこういうところで違いを生み出す。予選を通じて存在が大きかった」と脱帽したが、奇遇なことにオーストラリアのオジェック監督も香川と同じ言葉を口にした。「ホンダはピッチにいるとき、常に違いを生む。そういう質の選手だから、彼はいるだけでチームに違いをつくる」

 圧倒的存在感を放つ男が、埼玉スタジアムで生ける伝説の域に入る大仕事をやってのけ、ザックジャパンに世界の頂点へ挑戦するための息を吹き込んだ。

(取材・文 矢内由美子)

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