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実力、組織力、そして人間性でも東京ナンバー1へ!4年ぶり全国狙う東海大高輪台が8強進出!:東京

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[6.8 全国高校総体東京都予選決勝T1回戦 東京実0-1東海大高輪台 駒沢補助]

 平成25年度全国高校総体「2013 未来をつなぐ 北部九州総体」サッカー競技東京都予選2次(決勝)トーナメント1回戦、東京実と東海大高輪台との一戦は東海大高輪台がMF阿部駿佑(3年)の決勝ゴールによって1-0で勝った。東海大高輪台は15日の準々決勝で帝京と対戦する。

 今年東海大高輪台が掲げている目標は「東京ナンバー1」。サッカーでの実力と成績、組織力、そして人間性でも東京で一番になることを目指してこの世代はスタートした。主将のMF吉野崚平(3年)は「まだまだ先は遠いですけど、選手権へ向けて一歩一歩近づいていきたい」と力を込める。選手たちはまだ実力で一番にいるとは思っていない。この日の内容についても川島純一監督が「もっとボールを動かして、関わって、いい持ち出し方ができるけれど、きょうはやりたいことがほとんどできませんでした」と首を振ったが、それでも「東京ナンバー1」を目指す東海大高輪台はポテンシャルの高さを随所に発揮。高校選手権へ出場した実践学園を下すなど、今大会のダークホースとなっている東京実を振り切った。

 同じ地区の東京実とは手の内を知り尽くしている同士。この日は互いに相手を警戒して持ち味を存分に発揮するまでには至らなかったが、指揮官は今年のチームが全国高校総体へ出場した09年のチーム以上とも言える実力、可能性を備えていると感じている。「あの代は飛び道具があったり、武器がありましたけれど、今年のチームのサッカーはあの代よりも格段にいい」と言い切る。その言葉どおり、アイディアあるドリブルで局面を制した左MF伊藤竜之介(3年)や高い機動力を備えた右のMF荒川真作(3年)ら、昨年からのメンバーが残った攻撃陣は個、連係でも崩しきる力があった。

 前半15分には左サイドから持ち出した左SB後藤優一(2年)が背後へ出したパスを阿部が左足でねじ込んで先制。その後も小柄だが非常にキープ力のある吉野や、負傷明けのFW金子真彦(3年)も決定機に絡んでくる。30分過ぎに荒川が負傷交代するアクシデントがあったが、伊藤をボランチへ下げて攻守を安定させると、交代出場のFW三ヶ尻京平(3年)が前線で献身的な動き。また最終ラインではCB広瀬滉大(3年)が空中戦で相手を大きく上回るなど決定機を作らせなかった。

 ただ、東京実も選手交代を繰り返しながら徐々にテンポアップ。後半13分には左サイドでキープしたFW佐藤太造(3年)を起点にボールを動かし、FW荻原脩作(3年)が右足シュート。相手の運動量が落ちた終盤には荻原やMF堀江啓汰(3年)が空いた中盤のスペースを突いていく。そして33分には右サイドからFW佐藤宙生(3年)の放った右足シュートがゴールを捉え、36分にはビッグチャンスが生まれる。相手GKのミスキックをインターセプトした堀江がDFの前に潜り込んでそのまま独走。そしてPAでGKもかわしたが、右足シュートはカバーに入ったDFのスーパークリアで得点にはならなかった。

 東海大高輪台も伊藤、三ヶ尻のシュートがゴールマウスに嫌われて追加点を奪うことができなかった。それでもCB高橋竜功(3年)を前線に上げてパワープレーを仕掛けてきた東京実の反撃を封じきって1-0で試合終了。無失点勝利で8強へ駒を進めた。

 サイドでのパス交換からフリーの選手をつくり出し、右SBの小山拡志や交代出場のFW渡邊夢大(ともに3年)も局面を個で打開するなど、東海大高輪台にはどこからでもゴールヘ迫る力がある。公式戦で必ず得点を奪ってきた攻撃型チームの準々決勝の対戦相手は帝京。吉野は「自分たちよりも上の相手。でも自分たちのやるべきことを変えず、自分たちのサッカーをやれば、勝てない相手ではない」。昨年から入れ替わった守備陣などまだ不安もあるが、目標の「東京ナンバー1」へ名門を突破する。

(取材・文 吉田太郎)

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