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イラクvs日本 試合後の選手コメント

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 日本代表は11日、W杯アジア最終予選のイラク戦に1-0で勝利した。予選最終戦を白星で飾り、15日に開幕するコンフェデレーションズ杯に弾みをつけた。

 以下、試合後の選手コメント

●FW岡崎慎司(シュツットガルト)
「今日は幅を広くということを意識していたので。サイドで受けて、どうするかとか。それでなおかつゴール前に入っていくっていう。まだまだ、ボールを持ったときにどう仕掛けるっていうところがあるんですが、チャレンジはできたかなと思います。(香川)真司も良い形でボールをもらっていたので。そこからみんながどう動くかっていうところだったと思うし。その辺はやっていけば、まだまだ可能性はあるのかなと思います」
―幅を意識したのは、チームとして監督からの指示、それとも個人的に?
「チームとしての指示もそうですし、個人的にも真司やキヨ(清武弘嗣)は、中に入ってやりたいと思うので。どっちかというと自分は中に入らずに、最初は外にいて外から中とか、中から外とか、外を意識してのプレーは心がけました」
―試合前には、いかにボールを呼び込むかと話していたが?
「まだまだな部分がありましたが、サイドで受けて、(酒井)宏樹とのコンビからっていうのも何回かあったので、そういうのをやり続けて増やしていきたいです。個人的にも、チーム的にも、まだまだだと思います。でも、アウェーで、このカタールで厳しい戦いで勝てたのは、コンフェデに向けても良かったです」
―この暑さはきつかった?
「やっぱり、スプリントを1回しただけで厳しいと感じたので。そういうのは、多少なりともありました」
―そんな中でゴールの場面、最後まで走れたのは?
「ヤット(遠藤保仁)さんなら来そうだなと思っていたので…はい」
―信じて?
「誰でもあそこはワンツーというか、出したらもう一回入っていくと思うし。ああいう形でゴールを決めることができて良かったです」
―いつも厳しい終盤にゴールを決められるのは?
「最後まで走るっていうところの意識だと思うし、走ったからこそパスが来る。あきらめないとか気持ち的な部分だと思います」
―ということは、オーストラリア戦の終盤の交代は、悔しかったのでは?
「(悔しさも)ありましたけど、そういうときもあるし。クラブでは、よくそういうことを体験しているし、そういうことで一喜一憂しないけど、あの時間帯までピッチに残れたら、期待されているから期待に応えたいと思います。それに、これだけ多くのサポーターが来てくれていたので、決められて良かったです」
―その直前に守備で戻らず、ザッケローニ監督に怒られていた?
「いや、戻らなかったのではなくて、飛んじゃったんで。あれは絶対にやってはいけないとずっと言われていたので、ダメでしたね、あれは。抜かれてフリーで簡単に運ばれるのがダメなので」

●MF清武弘嗣(ニュルンベルク)
「前半は風が逆で、すごくやりにくかったのですが、毎回言っていることですが、チャンスはたくさんあったし、その中で前半決められなかったので。今日は何もしていないっていう感じですね」
―前半はどういう狙いだった?
「相手が来ることは分かっていましたし、そういうのはみんなで話していました。来るからといって、引いていたらダメです。スペースはたくさんあったと思うし、 (香川)真司くんのスペースがたくさん空いていたので、そこはもっとつないでやれれば良かったと思います。なかなかみんながボールを持てなくて、難しい試合になったと思います」
―結構、左サイドから7と23のコンビが来ていたが?
「来ていたんですけど、それは後半、(長友)佑都くんと話しをして、修正はできたと思います。でも、そこじゃないと思うんで」
―そこじゃないとは?
「相手が上がってくるということは、自分たちが引き過ぎているということですし。なるべく自分たちが前でポジションを取ってプレーできなかったということが、相手がガンガン来る理由だったと思うので。そこはもっと自分が半分以上、攻撃に専念できるようにやれれば良かったと思います」
―香川選手との連係は良かったが?
「常に真司くんを見ていますし。真司くんを使って、自分も使われてっていうのは、常に考えているので。でも、最後に岡さん(岡崎慎司)みたいに、仕留めないといけないっていうのがあるので。まぁ、悔しいですね、今日は。でも、代表が勝って良かったなと思います」
―今日の2人の距離感は?
「まぁ、距離感は良かったと思います。もっと真司君にボールを入れられたら良かったんじゃないかなと思います」
―入れられなかったのは押し込まれたから? 香川選手にも21番が付いていたが?
「結構、相手が絞ってきていたので、難しいのもありましたが、うまく散らして散らしてできれば、おのずとスペースも空いてきたと思うので、そこはもう少し自分がゲームをつくっても良かったと思いますし、なるべく真司君にボールを入れてあげられれば良かったなと思います」
―左では攻撃の起点になることが求められている感じがするが?
「全然、違和感はないですし。右にしても、左にしても、違和感はないので。別にいつもできることをやるだけだなって思いますけど」
―レギュラーに近づいている感じはするが?
「そんなこと、オレは思っていないし。今日のプレーでもまだまだ全然ダメだったと思うので…。今日はしっかり反省して、またすぐコンフェデもありますし、いつチャンスが来るかわからないですから、しっかり準備してやりたいなと思います」

●FW香川真司(マンチェスター・U)
―前半はトップ下に入ったが?
「前半は風下になって、相手のロングボールだったりはイヤでしたが、危ない場面をつくられてもDFもうまく対応してくれました。その中で中盤あたりから、ボールをコントロールして、空いているスペースにボールを運べてチャンスをつくれていたし、良い形をつくれていたので。ただ、前半は0-0でOKという考えがチームとしてもあったし、後半は風上に立って、もう一個上げて行けるんじゃないかなという手応えがあったから。ただ、後半を迎えたときに想像以上に相手も前に来ていたし、前線にうまく起点をつくって2児攻撃、3次攻撃を仕掛けているなかで、僕たちも跳ね返せなかった。前線でもボールを収められなかったから。後半は厳しい戦いが続いたし、そこもうまくしのいで、最後しっかりチャンスをモノにしたというのは、チームとして最低限の結果かなと思います」
―前半途中から清武とのコンビが出せたが?
「そうですね。あそこに入れば良い形がつくれていたし。ただ、結果として得点が生まれなかったのは課題ですし、後半にギアが上がらなかったのは僕の中では、心残り。こういう試合は後半が大事になってくると思うし、お互いに間延びした状況でいかにチャンスを埋めだせるかって言う試合になると予想していたので、物足りなかったかなと思います」
―後半うまく収められなかったのは?
「ちょっとボールをもらったときのミスであったり、狭い方、狭い方に、後半は左でやるようになってからは特に右サイドに偏った攻撃が多かったから、なるべく左を見てくれという話はしたけど、守備でみんないっぱいいっぱいになっている部分があったし、まだ取られ方が非常に前線の選手も後ろの選手も含めて、イヤなとられ方をしていたから、それによる疲労はすごかった。そこでなかなかリズムをつくれなかったというのは現状なので。もうちょっとうまく左右を使いながら、サイドに起点をつくりながらっていう修正をチームとしてしなければいけなかったと思います」
―我慢して左で待っていた?
「そうですね。(中村)憲剛さんが入ったので、中盤はうまく数的優位をつくって、左にっていうのはお互いに喋っていたので、待っていたんですが、なかなかうまくいかなかったです」
―HTには後半勝負っていう話?
「そうですね。みんながそう思っていたし、ゼロで抑えられたことが何よりも良かったことだったから、後半のできはちょっと悔しかったです」
―90分出たが、今後への手応えは?
「今日のような環境って、なかなかできないですし、試合前いつも想像以上の中で試合後はいつも感じるので。こういう試合は中東ならではだと思うので、チームとして勝ち切れたことは良かったと思いますし、次はまったく別ですから。すごく楽しみ。それに尽きます」

●DF今野泰幸(G大阪)
―かなり環境は厳しかったのでは?
「始まってすぐ、めっちゃノドが渇いて…。結構、チームもミスが多くて、相手も結構、迫力あるプレスだったり、結構来ていたので、苦しかったですね。厳しい試合になりました」
―かなり体を張っていたが?
「本来なら、こういう展開にしたくなかったのですけど、自分たちで(自分たちを)苦しめてしまった。それでも永嗣くんを中心に失点をしないで免れたので、そこは評価できると思います」
―急造最終ラインになったが?
「あんまりやったことがないメンバーですけど。チームとしてのやり方がはっきりしているから、やりやすさは感じましたし、お互いに試合中に声を掛け合いながら、チャレンジ&カバーを徹底しながら、そこは意識してやりました」
―高さにはやられていなかったが?
「SHだったり、SBが良いクロスを上げさせないようなプレスを掛けてくれたから。良いクロスがそんなに上がってこなかったことが一番大きかった。中盤での競り合いで負けることはあったけど、なんとかコンパクトにしながら、ボランチも下がって来てくれて、挟み込めたのが、失点ゼロにつながったのかなと思います」
―慣れていない選手で無失点は今後につながる?
「本当にチームとしてのやり方がはっきりしているから、誰が入っても同じサッカーができるようになってきている。信念があるから、今日もなんとか苦しい中でも勝ち切れたと思います」
―練習からも伊野波選手と組む回数は少なかったが?
「うーん。でも、DFは高さだけじゃないですからね。チャレンジ&カバーをしながら、しつこく、しつこく、我慢強くやればいいという、オレの考えがあるから。だから、別にオレと伊野波が組んでも、今後もやっていけるとは思っています」
―相手に速さが特徴であれば、2人の良さはさらに生きる?
「でも、高さがある人でも、粘り強く体にぶつかりながら、相手に自由にさせないことを考えずにやっていければ、オレと伊野波でもやっていけると思います」
―相手に応じてコンビを組めれば、チームに幅もできる?
「うーん。まぁ、そうですが、今日の試合で監督がどう評価してくれるのか。反省点の方が多いと思うし、まだまだミスも多かった。守備では体を張って、最後は良かったかもしれないけど、ビルドアップは良くなかったので、課題の方が多かったと思います」
―こっちに来てからSBの絞りを練習していたが、うまくいった?
「いや。意識はしていたけど、セットプレー崩れのときとかの、守備がはっきりしないときのカウンターで、危ない1対1をつくられたりした。ちょっと気を抜いたとき、スローインのときとか、相手FKで早くやられたときとか、そういうときにパッと気が抜けて、カウンターの対処が甘くなっているから、今後も気を付けないといけないと思う」
―すぐにコンフェデレーションズ杯が始まるが?
「相手はものすごく、この試合よりレベルが高いと思うので、粘り強く守備をしなければいけない時間帯も多くなってくると思う。コンフェデでも粘り強く、体を張って、何とか最後のところをやらせないっていう時間帯はあると思うので、続けていきたいです」

●MF{{+中村憲剛}(川崎F)
「こういう気候もありますし、グラウンドの状態もありますし。イラクも崖っぷちという状況で、積極的に向こうが前から来て、なりふり構わず来ていた。結構、受けにまわっちゃう回数が多くて、結構PA内まで入られて、そのクリアーを拾われて、また2次攻撃を受けて、それを凌ぐ時間が一試合を通じて長かったと思います。あそこでつなげるといいんですが、風も強かったし、前半は特に風下だったので、難しかったのかなと見ていて思いました」

●MF細貝萌(レバークーゼン→ヘルタ)
「(イラクの)攻撃が左寄りということは、ミーティングでも話があったので、相手が攻めてくるサイドに自分はいようと思っていました。そこで、もう少し自分たちから相手を押し込むことは必要だったかなと思います」
―前半は風下で、中盤でもボールを奪えずにPA内で跳ね返すことが多かったが?
「風もすごく強かったので。ヤットさん(遠藤)も、前半の最初、少し始まってから『プレッシャーかかっていて、あまりボールをもらえないから、(ボランチは)飛ばしてもらおう』という話をヤットさんがしていましたし、DFラインに吸収されずに、もっと前で受けながら簡単にはたければ良かったのですが、ポゼッションしているときのミスも多かったですし、ああいうミスが続くとチームとしては厳しくなるのかなと思います」
―普段、日本にないロングカウンターが見られたが?
「気温が気温でしたから、しっかりとブロックをつくりながら、前に速くいけるときは裏を狙っていこうという話はしていました。そういうシーンが増えたと思いますし、出て良かったシーンもありましたが、逆に少しやり過ぎて急いでしまって奪われてしまうこともあったかなと思いました」
―今後に向けて、前進した部分は?
「試合に出る、出ないっていうのは、コンディションを含めて、自分にとっては選手としては良いことですから、今日の試合に出られたことはポジティブだと思います。ただ、今日の試合でできなかったことも多い。またコンフェデがあって、その先にまだまだありますけど、まずは自分がサッカー選手として、良い選手になるために、全力を尽くしていきたいと思います」
―相手が強くなり、圧力がかかると特徴が生きるのでは?
「守備のところで生きたとしても、今日も多かったですが、奪ってから味方につなぐところでミスをしてしまったりすると、結局、意味がないので。守備をしっかりしてから、味方につなぐことだったり、ボールポゼッションのときに、もっともっと正確に味方につなげていく。今日は気温もあったり、間延びしていることもあって、なかなか攻撃に参加することはできませんでしたが、そういうのを消しながら、スペースを消すことを意識したので、課題は多いかなと思います」
―ブラジル戦に向けて切り替えることと、今回を持ち込む部分は?
「世界の強豪国と試合をするわけですから、自分らも挑戦しないといけないことは多いですし、チャンスがあればベストを尽くしたいと思います」

●FWハーフナー・マイク(フィテッセ)
―環境は難しかった?
「水をかなり飲みたくなりましたし、すぐに疲れましたし、難しかったです。ここでの試合は初めてでしたが、試合に勝てて良かったです」
―惜しい場面もあったが?
「そうですね。でも、ゴールに入らなければ意味がないので。残念です」
―前半はポストプレーに相手も厳しく来ていた?
「あとは、ちょっと風でボールが戻されて。なるべくボールをよく見て、上手く対処はできたとは思います。後半に関しては、良い感じで体を持っていけたかなと思います」
―少し交代が早かった?
「そうですね。もう少しやりたかったです」
―時間がないと、周囲との連係も高められない?
「でも、70分あったので。その中で結果が生まれなかったのは、個人的には悔しいです」
―香川選手との距離は?
「もっと近づいても良かったかなと思いますが、うまくできた部分もあったと思います」
―もう少し引き付けて、香川選手の追い越す動きを使えたらいい?
「そうですね。なるべく近くで(香川)真司がプレーできれば良かったのかなと思います」
―今後の課題は?
「個人で成長して、もっとチームに貢献できれば、チームにプラスになると思うので、どんどんレベルアップできていければいいなと思います」
―コンフェデに向けては?
「試合でチャンスをもらったら、結果を求めて。しっかり体を持って行ければいいなと思います」

●GK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)
「グラウンドを含めて、近年、ドーハでやるときはスタジアムもピッチも、かなり良い状況でやることが多かったと思うんで。そういう意味ではドーハでやる中でも、難しい中での試合だったのかなと思います」
―前半は苦しかったが?
「ボールもなかなか前に運べなかったですし、もう少し落ち着いてやれれば良かったのですが、そういう中でも自分たちとして割り切って、耐えるときはしっかり耐えることができたと思います。あとは、自分たちの中でも意識としてリスク管理を含めて、次の試合にまた意識しないといけない部分かなと思います」
―相手もかなり前掛かりに来ていたが、うまくさばけた?
「前半は特に相手がどこまで前掛かりにくるか、っていうのはありました。向こうは、結果がかかっている試合でしたが、自分たちとしても突破は決まっていたとしても、この試合に対する気持ちは大きなものがあった。コンフェデに向けてもそうですし、メンバーが変わった中でも、自分たちがどういう結果を残せるかということもあったと思うので。まぁ、良い結果で終えることができたと思うし、こういう難しいゲームをモノにできたというのは、すべての選手に大きなことだなと思います」
―PA内にDFも戻ってのクリアーが多かったが?
「最後の最後のところで、守備陣がかなり体を張ってくれて守ってくれたのもあったし、チームとしても90分、集中を切らさないで、細かいところをそれぞれがしっかり気にしながらやれたゲームだったとは思います。コンフェデに向かっては、ちょっと違うタイプのゲームだったと思いますが、今の日本のチームにとって、こういう形で難しいアウェーの中で、しっかりとこういう意識を持ってしっかり勝ちにつなげられたのは大きかったと思います」
―ゲームプランとしては、耐えて最後に勝負という感じだった?
「自分たちとしては、もちろん、自分たちのレベルアップっていう意図もあったし、より自分たちのサッカーができればいいという感覚がありました。でも、それが難しい時間帯もありましたし。そういう中で、割り切るところはしっかり割り切れたし、最後、ああいう形で結果にこだわるっていうことも大事だったと思います。まだまだやらないといけないことはあると思いますけど」
―コンフェデに向けて?
「また、全然別の戦いになると思うし、(W杯の)予選突破が決まっている中で、自分たちがどれだけ上を目指してやれるかという部分だと思う。思い切ってぶつからないと、自分たちの限界もわからないし、自分たちの限界を知って、どれだけその限界を自分たちが伸ばして行けるか、深くしていけるかだと思います」
―普段、出ていない選手たちとの連係は?
「話もしていましたし、本人たち自身の意識も強かったですし。こうやってなかなかチャンスがない、難しい試合の中で出るっていうことは、普段チャンスがない選手にとっても、より難しい環境でやらないといけない試合だったと思います。その中でも一人ひとりの意識はすごく強かったと思うし、チームとして自分たちがどういうことをやらないといけないかという方向性は、みんなが持ってやれたと思います」
―3試合勝てていない中で、勝てたことの意味は?
「監督も言っていましたが、自分たちは勝ち癖を付けるというかね。勝つメンタリティを持つことが大事だと思うし、不安定に良い試合が出来たり、良い試合が出来なかったりではなくて、こういう勝たなければいけない試合を、こうやって常にモノにしていくこと。それが今のチームにとって、今後の大事な試合の中で必要になると思うので、そういう意味では良い結果が出て良かったと思います」

(取材・文 河合拓)

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