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松井、闘莉王が魅せた! 復興支援マッチはTEAM AS ONEが勝利!!

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[6.16東日本大震災復興支援スペシャルマッチ JリーグTEAM AS ONE2-1Jリーグ選抜 国立]

 午前中の雨がウソのように上がり、晴れ間すら覗いた国立競技場で、東日本大震災復興支援2013Jリーグスペシャルマッチが行なわれた。ベガルタ仙台鹿島アントラーズ、東北出身選手、そして海外クラブで活躍する選手たちで構成されるJリーグTEAM AS ONEとJ1全クラブからファン投票によって選出されたJリーグ選抜による一戦だ。

 試合は前半10分にFW佐藤寿人(広島)が先制点を挙げて、Jリーグ選抜が先制する。対するTEAM AS ONEもMF松井大輔(スラヴィア・ソフィア)を中心に反撃を見せ、前半41分には、その松井がゴールネットを揺らして試合を振り出しに戻す。後半25分にはMF金崎夢生(ニュルンベルク)がゴールを決めて、逆転に成功。終盤にはFWに闘莉王(名古屋)を投入して反撃を目指したが、同点ゴールは挙げられず。TEAM AS ONEが2-1で勝利している。

 両チームとも、4-4-2の布陣で試合に臨んだ。TEAM AS ONEのGKは曽ヶ端準。最終ラインは右から菅井直樹、岩政大樹、加賀健一、山本脩斗。中盤の底には小笠原満男と柴崎岳の鹿島コンビが入り、中盤の右に高萩洋次郎、左に松井大輔。2トップは指宿洋史と大迫勇也が配置された。一方のJリーグ選抜は、GKが楢崎正剛、最終ラインは右から徳永悠平、中澤佑二、闘莉王、槙野智章。中盤の底に青木拓矢と中村俊輔。2列目の右に柿谷曜一朗、左に原口元気。2トップは豊田陽平と佐藤寿人が務めている。
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 試合に先立ち、最多得票でJリーグ選抜に選出されたMF中村俊輔(横浜FM)が挨拶し、「一日も早い復興に向けて、これからも共に活動していきましょう」と、41,246人を集めた国立競技場に復興支援活動を続けていくことを呼びかけた。

 押し気味に試合を進めたJリーグ選抜が、前半10分に先制点を挙げる。決めたのは昨シーズンのJ1得点王の佐藤。左サイドでMF柿谷曜一朗(C大阪)とパス交換したMF原口元気(浦和)が中央にグラウンダーのパスを通す。これを佐藤がスルーして、前方へ飛び出す。ボールを受けたFW豊田陽平(鳥栖)がダイレクトでボールを叩くと、これを受けた佐藤が、左足でシュートを決めてJリーグ選抜が先制した。

 TEAM AS ONEも、松井、MF小笠原満男(鹿島)からのパスを受けたFW指宿洋史(KASオイペン)が立て続けにゴールを狙うが、枠を捉えることはできなかった。同21分にも松井のヒールパスを受けた小笠原がミドルシュートでゴールを狙ったが、ボールは左へ逸れて行った。同22分にも松井は左サイドでDF中澤佑二(横浜FM)をかわし、クロスを入れる。これをFW大迫勇也がヘッドで合わせたが、ボールはDFにブロックされた。

 前半27分にはJリーグ選抜がパスを回しながら、ゴールに迫る。最後は佐藤の落としを闘莉王がシュートしたが、これも枠を捉えられない。直後にはTEAM AS ONEも反撃に出る。左サイドからドリブルで仕掛けた松井が、最終ラインの裏にアウトサイドでパスを通す。これを大迫が狙ったが、ボールにミートできず。カバーに入った中澤にクリアーされる。

 前半39分にはTEAM AS ONEが最初の選手交代を行う。指宿、高萩に代わりMF角田誠(仙台)とFW柳沢敦(仙台)の2人がピッチに送り出される。迎えた41分、松井が魅せた。PA内でボールをキープし、ルーレットからヒールパスを大迫に送る。大迫はDFに体を寄せられてシュートを打てなかったが、こぼれ球を拾った松井がダイレクトでゴールに突き刺し、TEAM AS ONEが試合を振り出しに戻した。

 後半に入り、両チームともにガラリとメンバーを変更した。TEAM AS ONEはGKが林卓人になり、最終ラインは右から西大伍、鎌田次郎、中田浩二、山本脩斗。中盤の底に角田誠と梁勇基。中盤の右に金崎夢生、左に大津祐樹。FWは柳沢敦と赤嶺真吾の仙台2トップになった。対するJリーグ選抜は、GKが川口能活。最終ラインに右から山口螢、土屋征夫、稲本潤一、扇原貴宏。中盤の底に山田大記、柏木陽介。右に田中達也、左にジョルジ・ワグネル。2トップはキリノと森島康仁のコンビになっている。

 後半8分、左サイドのFW森島康仁(大分)が右サイドのDF山口螢(C大阪)にサイドチェンジのボールを入れる。山口は前方のMF田中達也へパス。田中が縦に仕掛けて折り返したボールを森島がヘッドで合わせたが、このシュートはGK林卓人(仙台)に防がれた。

 なかなかリズムのつかめないTEAM AS ONEは、後半11分に柳沢を下げて、FW鄭大世(水原)をピッチに送り出した。その直後の12分、TEAM AS ONEは左サイドでボールを回すと、MF大津祐樹(VVV)がPA内にドリブルで侵入する。DF3人を抜き去り、左足でシュートを放ったが、ボールは惜しくも右に逸れて行った。

 TEAM AS ONEは後半18分に山本と大津を下げて、FWカレン・ロバート(VVV)とDF安田理大(フィテッセ)を起用する。同22分には、その安田が左サイドでボールを持ち、中に切り込んでシュートを放ったが、ボールはGK川口の正面に飛びキャッチされた。

 Jリーグ選抜も後半24分にMF柏木陽介(浦和)のスルーパスを受けた田中が、右サイドからゴール前にクロスを入れる。そこから波状攻撃を見せ、最後は左からのクロスに森島が合わせたが、ミートしきれずに右へと外れて行った。同25分には、TEAM AS ONEが追加点を挙げる。右サイドから梁勇基が折り返したボールをPA内中央、フリーで受けた金崎が左足でゴールネットを揺らして、逆転に成功する。

 ここでJリーグは、前半でベンチに下がっていた闘莉王がキリノと交代。FWとしてピッチに立ち、観衆を沸かせた。闘莉王は、いきなりGK川口能活(磐田)からのロングボールをフリックし、森島に流す。そのまま闘莉王はゴール前に走り込んだが、森島は自らシュートを打ち、大きく枠を外してしまう。Jリーグ選抜のベンチでは選手たちが『なぜ、闘莉王にパスを出さないんだ!』と怒り、それに気づいた森島は、両手を合わせてベンチに向かって謝罪していた。

 闘莉王がJリーグ選抜を盛り上げる一方で、TEAM AS ONEを盛り上げたのは鄭大世だった。強烈なミドルシュートを放ち、サイドからのクロスにも積極的に飛び込み、シュートを決められないと悔しさを前面に押し出した。試合の流れを闘莉王に持って行かれたTEAM AS ONEは、トニーニョ・セレーゾ監督が動く。後半40分に赤嶺を下げて松井を再びピッチに送り出す。その直後には大津の折り返しを、鄭大世がヘッドで合わせたが、シュートはGK川口にキャッチされている。

 後半44分には闘莉王がGKに猛烈なプレスを掛けて、ロングキックを誘う。このこぼれ球を中盤で受けたDF稲本潤一(川崎F)が一気にドリブルで前線にボールを運び、闘莉王にスルーパスを送ったが、これはわずかに合わず、闘莉王は悔しさを露わにした。Jリーグ選抜は最後まで闘莉王にボールを集めて、同点ゴールを目指したが、試合はこのまま終了。昨年に続きTEAM AS ONEが勝利した。

(取材・文 河合拓)

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