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[MOM793]國學院久我山FW富樫佑太(3年)_技ありループも「1点じゃ足りない」

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.16 全国高校総体東京都予選準々決勝 駒澤大高0-1國學院久我山 駒沢補助]

「何もやっていないという感じです。1点入っちゃっただけでほかは何もやっていないと思っています」。前半39分、MF渡辺夏彦のスルーパスで抜けだしたFW富樫佑太は、飛び出してきたGKの頭上を射抜く鮮やかなループシュートで國學院久我山に決勝点をもたらした。富樫はゴールについて「練習中にも何度かああいう局面があって。GKが飛び込んで来たら上を越していこうと。あそこは練習中に見つけたという部分です」。ただ本人は他にも何度かあったチャンスを活かせなかったことに不満顔。また「きょうで言うと、ボールも収まっていないし、スピード上がらないで横にしかつけられないし、前向いた時にゴールに行けるような怖い選手にならないといけない」と反省の弁を連発していた。
 
 試合終了直前に右サイドからのラストパスで決定機を迎えたように、攻撃力の高いチームにお膳立てしてもらっていた場面があった。また、DFにしっかりマークをされている中でも、フェイントや絶妙な持ち出しなど個で穴を開けて決定的なシュートへ持ち込んでいた。ただ、2点目を奪えなかった。「試合前に必ず、チームが辛い時に自分のゴールで勝たせようと思っている。けど、これだけ外しちゃうとPKで1点取られる可能性もある。もっと自分で2、3点確実に取れるようにしていかないと、勝っていくのは厳しいかなと思います。FWなんで1点じゃ足りないです」と首を振る。「1試合1点」という目標を掲げる選手が多い中で富樫の目標は1試合2、3点。「久我山のサッカーで言えば、チャンスが(他校の選手に比べて)もっとあるので、そこをもっと自分のものにしていかないと、全国へ出たり、将来強い相手と戦った時に厳しいかなと思います」と意識の高さを口にしていた。

 間違いなく今年の東京を代表するストライカー。上のステージで戦うために結果へのこだわりは強い。その富樫に対して李済華監督も「キープでは魅せたけれど。これからアイツがどこで活躍できるか。幅の広さもテクニックもある。あと2つくらいシュートをバコーンと決めてくれていれば、きょう彼はパーフェクト。前の子はそういう評価を求められるんだと。仮に上に行った場合にマスコミも含めてその評価との戦いなんだと。それをストレスとして感じるのか、それともエネルギーとして感じるのか。彼がどういう方向に立ち向かって行くのかというところがあります」と指摘。「1点じゃ足りない」というFWは期待通りにプレッシャーを力に変えて毎試合2点、3点を奪う存在となってチームを勝利へ導き、自身の未来も切り拓く。

(取材・文 吉田太郎)
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