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ブラジル戦一夜明け…練習後の選手コメント

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 0-3の完敗を喫したブラジル戦から一夜明けた16日、日本代表はブラジリア郊外で練習を行った。MF本田圭佑は腰の打撲、MF長谷部誠は右足首打撲、DF吉田麻也は疲労のため宿舎で別調整となり、計20人で調整した。

以下、練習後の選手コメント

●FW岡崎慎司(シュツットガルト)
「得失点差を考えたら、残り2連勝するしかない。自分たちのサッカーをやらせてもらえなかったのは、それを含めて自分たちの実力。それを踏まえて、次どう自分たちのサッカーをするか。今までどおりではダメ。みんなが少しでも今の自分を超えないといけない。成長しながらコンフェデを勝ち上がるのが理想。次はチャレンジのパスやドリブルを増やしたい。ブラジル戦も守備では守れていたところもある。課題は攻撃だとみんなでも話していた。自分たちにとって一つの分岐点になるんじゃないかと思う」
―1トップでのプレーについては?
「自分でもファウルを取りに行っていたというのもある。あそこでファウルを取りに行くのではなく、耐えることをもっと意識しないといけない。プレッシャーがハマれば、ブラジルもロングボールを蹴っていた。向こうはそういうところでハッキリしている印象があった。自分たちは探り探りのサッカーをしてしまった。もっとハッキリさせることが大事だと思う」

●MF香川真司(マンチェスター・U)
「切り替えるしかないので。次の試合に向けて準備したい。初戦に負けているので。次は勝ち点3が絶対に必要になる。その前に自分たちのやりたいことをやらないといけない」
―ブラジル戦ではチャレンジできなかったと言っていたが?
「昨日は90分間、試合をして、何もできないのではなく、しようとせずに終わった。それではいけないし、初戦が終わって気づくようでは遅いかもしれないけど、戦ううえで何が必要か確認して、次に向けて切り替えたい。精神的に後手に回ってバラバラになった。2失点目を避けたいというのが強くて、個人的にもチームとしても、前に出る回数が少なかった。ブラジルが強かったのもあるけど、自分たちがやれる形も絶対にあると思う」
―練習後にザッケローニ監督と話していたが?
「内緒です。昨日の試合のことです」
―切り替えることが大事?
「昨日の試合は忘れて、振り返るだけでマイナスというか、プラスの要素がなかった。何をしに来たんだろうなという試合だった」

●MF遠藤保仁(G大阪)
―監督と25分間ぐらい話していたが?
「そんなに? 普通に戦術的なこと。特に真新しいことはないです。選手同士の距離感とか、自分たちの戦い方。監督が思ったことと、中でやっている僕らが思ったことを話した。外から見るのと、中でやるのとでは違うし、中でやっていて感じたことを伝えた。今までやってきたことが何もできなかったので、監督と意見を合わせてやっていければ」
―昨年10月に対戦したときのほうがやりづらかったと話していたが?
「前回は前から(プレスに)行って、後ろのスペースを空けてしまった。今回はそこまで嫌なボール回しはされなかったし、中からは崩されていない。前回は前から行って、スペースを突かれてやられたけど、昨日は向こうのCBには自由にやらせてもいいという気持ちで入った」
―世界と戦ううえではどちらのやり方がいい?
「1試合2試合で判断するのは早い。イタリア、メキシコとしっかり結果を出して成長していければ。昨日は自分たちのサッカーができなかった。それを受け止めて、改善していきたい」

●DF内田篤人(シャルケ)
「今日は少し疲れもあってか、リカバーの練習だった。でもミーティングが一つ入れば変わるんじゃないですか」
―ネイマールとの対峙について。
「ドイツでやっているのが生きていると思う。シャルケだったら紅白戦でユリアン・ドラクスラーとか、いい選手とやれるので、その積み重ねだと思う」
―日本より1対1の比重が高い?
「自分の中でやっぱり相手がネイマールということでモチベーションもある。一番は自分のモチベーション。気持ちの問題だと思います」
―それが確実に変わった?
「いや、例えばリベリ。相手のエースというか、そういう選手とやるときはモチベーションが高くなる」
―1対1でやれて自信になった?
「ネイマール? どうですかね。やっている最中は注意して見ていたので、そんなに感じなかったけど。ずっと点を取っていないというプレッシャーもあっただろうし。俺は点を取っていないのは知らなかったけどね」
―10月の対戦時と比べて。
「前回は攻撃に出ようという意識が自分の中で強かった。普通にやろうと思ってやったら、裏に抜けられたら追いつけないし、フリーにさせたらやっぱりダメだなと思った。今回はいつもより彼を見ていた。ボールよりも彼を見ていたくらい。それほどの価値のある選手なので。監督の指示としても、右サイドはバランスを見て、左サイドにボールが偏ってもいいということだった。行くところは行ってもいいということだったけど、僕個人としては後ろに残っているネイマールが一番怖かった。サイドで(吉田)麻也が対応するのと俺が対応するのとでは違うので。麻也は中で仕事をしないといけない選手。僕自身のプレーはあまりできないかもしれないけど、向こうにもプレーさせなければいい」
―ボールよりも見るべき選手はそんなにはいない?
「今までやってきた中ではリベリと……。ただ、チームでの比重によってだと思う」
―W杯になると、そういう選手がいる?
「一発勝負なんでね。自分が行きたいからといって前へ行って相手のリズムになるくらいなら、勝ち点を確実に拾えるようにやるのが賢明だと思う」
―試合前に清武と話した?
「俺はネイマールに行くから、極力、マルセロが上がったのは見てほしいけど、あまりにも上がってきたら捨てろと言いました。そしたら俺が付くからと」
―清武は守備に相当留意していたようだが。
「マルセロにドリブルで来られたのが嫌でしたね。パスを出して上がってくる分にはいいけど、ドリブルで上がってくると俺もそっちに対応しないといけない」
―試合前に先発が決まって、いつ清武と話をした?
「ロッカールームかな。でもそんなに多くはしゃべってない。一言二言。あんまり言うと、あいつはまじめだから守備に回るかなと。自由にやってほしいので。マルセロが上がってきたときだけですね、俺が言ったのは」
―ネイマールとのマッチアップは試合前から周りと話して準備していた?
「ネイマールに関しては2日前から頭の中でイメージしていた。イメージとしては、ボールが回ってくる前の守備と、ボールが入ってからの守備。それを頭でイメージしていた。あとはスカウトのビデオ。あのレベルになってくるとイメージできる。フェイントとか、どういうスタイルとか。10月にもやっているから。自分たちのサッカーをして、終わったあとにつまらない試合をしても、それが0-0なら、無失点ならいいですけどね」
―今回、アジアの戦いから世界に切り替わった実感がある?
「口で言うのは簡単。相手が強くなれば僕たちのボール保持が難しくなるというのがあるけど、その中でももう少しやれれば良かったかな。終わってみればね」
―昨日はチーム全体が疲れていた?
「どうですかね。俺は(イラク戦を)休ませてもらったので。個人としては開始3分で1点取られても残り87分あるから、前半は最悪、0-1でもいいと思っていた。たくさん負けてきましたからね」
―今日、麻也が休んでいるが?
「いやー、あれはサボりでしょ。プレミアに行ったらこれですよ」
―疲労していた?
「いや、もともとカタールでもそうだったし、シーズン中から痛めていたから。今日はコンディション(調整の練習)だったからいいんじゃない?」
―監督はいつも『勇気とバランス』と言う。
「選手全員の意識がハッキリしていないと難しいと思う。ミーティングで一つになるのか、今日みたいに各個人がちょっとずつ集まって話をして、ここは行くとか、バランスを取ろうよとか。でも、チームのことはチームが決めないとね。『勇気を持っていこうよ』と言うやつがいても『バランス取ろうよ』と言うやつもいる。そこはチームみんなで話し合いじゃないですか。細かくないですよ。大事な根本のところ。まあ、負けることもありますよ」
―ブラジルは思ったより強かった?
「予想どおり強かった。でも、強いのと勝ち負けは別だから。負けたときにへこみすぎるのはよくない」

●DF長友佑都(インテル)
―選手同士でブラジル戦のことは話した?
「何人かで話をしました。昨日は早い時間帯に点を決められた。あの時間帯に点を決められると厳しくなる。次の失点を許してはいけないという気持ちが強すぎて前へ行けなかった」
―昨日は縦に行く場面が少なかったが?
「(本田)圭佑や(香川)真司と話をして、ボールを持ったときに縦に行くとクロスの選択しかない。そうするとダビド・ルイスとか相手のCBは空中戦が強いし、クロスだけでは僕らには身長の高い選手がいないので厳しい。中へ入ることでクロスもある、シュートもある、あとはバイタルで真司や圭佑へのパスもある。選択肢を増やすためにも中に入ったほうがいいのではないかというのは圭佑や真司からの要求でもあった」
―香川が孤立していた。
「真司とも話したけど、真司が結構中に入っていて、もう少し距離感を短くしても良かった」
―イタリア戦に向けては?
「僕らはもう負けは許されないので、たとえ早い時間帯に失点しても切り替えて、前から行くしかない。それはみんな気持ちは一緒だと思う」
―ブラジル戦から生かせることは?
「ブラジル戦の反省点は、失点をすべて消極的に受け止める必要はないということ。チャレンジしていくしかない。チャレンジしての3失点なら全然違う。昨日はチャレンジができなかった。それが情けなかった。何をやっていたんだと。でも、この情けなさはプラスに変わると思うし、変えないといけない。そうしないと『お前ら何しにきたんだ』ということになる」

●DF今野泰幸(G大阪)
―監督から話はあった?
「監督の話は特にないが、選手同士で話をした。内容? いろんな話をしすぎて……。食事会場や、今日もクールダウンのメニューだったので、練習中に話したり」
―どんな話が出た?
「一番は、チャレンジしなかったということ。悔いが残っている。やるからには全力を出そうと話した」
―なぜチャレンジできなかったのか?
「立ち上がりに失点して、そこでガックリきたのもあるし、ブラジルのプレッシャーが予想以上に速くて、落ち着いてボール回しをできなかったというのもある。1個抜けたと思っても、ブラジルは戻りが速いし、隙があっても、その隙をかいくぐることが日本にはまだできなかった」
―芝の状態が悪かったが?
「それはそうだけど、同じピッチなのに日本とブラジルではミスの数にも差があった」
―攻撃したくてもできなかった?
「常に90分間、前に行きたい気持ちはあったけど、いい形でボールを前線に供給することができなかった。相手の寄せや当たりが強かった。昨年10月からの上乗せはできていなかった」
―相手は変わらなかったのに?
「いや、向こうは前回より強烈だった。SBが前回と違っていて、自分でも取れるし展開力も持っている。2対2でも平気で仕掛けてくる。あれは前回にはなかったこと」
―先制点の場面で、マルセロがあの位置からFWに当ててきたのは意外? あれが普通なら世界とは距離がある?
「マルセロがあれを(フレッジの)胸にピンポイントで狙って、(フレッジが)ネイマールを狙って落としたのが普通なら世界は遠い」
―ネイマールはあれくらいのシュートなら調子が良ければ10本中7本は決める。
「あれを10本中7本決められると世界は遠い。Jにはいない」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子)

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