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[Fリーグ]湘南戦での得点を誓う府中FP三井「絶対に点を取ると約束します」

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 今シーズンの開幕を前に府中アスレティックFCのFP三井健は、二つの『復帰』を果たした。一つは、Fリーグという舞台への復帰。そして、もう一つは16歳の頃、初めてフットサルを始めた府中というクラブへの復帰だ。

 2010年、浦安のトップチームでプレーしていたとき以来となるFリーグでプレーすることについて、三井は「新鮮ですし、一番は嬉しいですね」と、目を細める。日本最高峰の舞台でプレーできることは、やはり喜びのようだ。開幕戦の古巣・浦安戦では後半11分に復帰後の初ゴールも決めた。第2節の浜松戦(4-1)ではノーゴールに終わったが、前線で体を生かしたキープ力を見せるなど、チームにとって重要な存在であることを示した。

 だが、まだまだ自分に定位置が与えられたとは思っていない。「2つの椅子を(小山)剛史くん、自分、上福元(俊哉)の3人で争っているような感じですからね。3人ともベンチには入っていますが、一番信頼されているのは剛史くんですし、2つのセットに入れるピヴォは、2人だけなので。ポジションを確保するためにも、得点が必要ですし、そういった意味でも開幕戦のゴールは嬉しかったです。何よりも、誰よりも得点が欲しいし、そのために毎日、毎日、毎日、毎日、積み重ねてきているので、今はゴールを求めて貪欲にやっています」と、得点という結果を出し続けることで、谷本俊介監督からの信頼を厚くしていくという決意を口にした。

 2011シーズン、浦安ではセグンドに落とされるなど不遇を味わった。その後、2012シーズンは、関東1部リーグのファイルフォックスに移籍。Fリーグ準会員のフウガすみだのFP太見寿人らを抑えて、13得点を挙げてリーグ得点王に輝き、ベスト5にも選出された。「個人タイトルは初めてだったので、嬉しかった」と自信を深めた三井は、ファイルフォックスでともにプレーした元日本代表の2人に感謝した。

「ファイルフォックスがなかったら、今の自分はありません。特に(難波田)治くんと稲田(祐介)くんには、本当にイチから教わって、感謝してもしきれないくらいです」と、言う。難波田は04年に日本代表としてフットサルW杯に出場した名フィクソであり、稲田は08年のW杯に出場した国内有数のピヴォだ。意外にも、ピヴォの役割を叩き込んでくれたのは、フィクソの難波田だったという。

「稲くんにはピヴォの動きを教わったと思うじゃないですか? でも、稲くんには、普段の練習の取り組み方、(仕事との掛け持ちで)時間がないときに、どれだけ練習をやっていたかを教わりました。ピヴォのことは、すべて治くんに教わりました。フィクソとして、いろんなピヴォと対峙してきた経験があるから、『なんで、おまえ、今シュート打たないんだ!』『どうして今、行かないんだ!』『なんでここトラップで中に行かないんだ!』とか。全部言われて、稲くんには『そういう動きが出来ないのは練習が足らないからだよ』と言われて、もっとお尻に力を入れなきゃいけないとか、トレーニングをしないといけないとか。それをチーム練習以外でも取り組めたことで、本当に成長できたと思いますし、初めてタイトルを獲って自信もつきましたね」

 3年ぶりのFリーグでは、自身が成長した姿を見せつけると決めている。そのためにも、高い目標を設定した。「個人的な目標はリーグ得点王です。まだレギュラー争いをしている状況ですが、コンスタントに結果を出して、得点王になったり、チームを勝利に導くゴールを決めれば、チーム内の序列も変わってくるはず。一番のピヴォになるためには、一番点を取れる選手にならないといけない。だから、次節の湘南戦も見ていてください。絶対に点を取ることを約束しますから」。

 あえて言葉にすることで、自分にプレッシャーを与え、日々の練習をよりストイックなものにしていく。三井は、有言実行の男となれるか。府中にとって今季初のホームゲームとなる湘南戦は、本日21日の19時から府中市総合体育館で行われる。

(取材・文 河合拓)

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