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初スタメンの富山FW三根「楽しかった。やっぱり途中出場とは違う」

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[6.22 J2第20節 横浜FC 2-1 富山 ニッパ球]

 指揮官も期待以上の働きだったと振り返る。FWにケガ人が続出しているカターレ富山は、最前線の1トップにFW三根和起をスタメンで起用した。試合には1-2で敗れたが、190センチの長身を生かし、体を張ったポストプレーを見せた。20歳のFWについて、安間貴義監督は「もっと走れないと思っていました。練習試合でも20分、30分くらいで足が止まるけど、初スタメンということで高ぶって、あそこ(後半22分)までやってくれたんじゃないかと思います。高さのあるセットプレーの守備でもケアしてくれましたし、前線の潰れ役でも良くやってくれました」と、評価した。

 三根自身、「自分のやることはハッキリしていたので、落ち着いて試合に入れました」と振り返るが、シュートゼロに抑えられた内容については「点を取りたかったし、勝ちたかったです」と悔しがった。落ち着いて試合に入れていたが、前節終了直後から前線でボールを収めることを意識していたという。

「前節の札幌戦では、前でボールが収まっていなかったので、チャンスかなと思っていました。練習から前線で起点になるプレーをしっかり見せようと意識していました。まずは起点になり、時間をつくってあげることが今、チームに必要かなと思っていました」

 その言葉通り、横浜FCのDFペ・スンジンと競り合いながらもボールをキープし、2列目の攻撃参加を促すなど、初スタメンとは思えない堂々としたプレーを見せた。しかし、本人は「収めるところは収められたんですが、ヘディングは半々くらいだったので、もう少し前に落とせたら良かったと思います」と、満足した様子は見せない。さらに「今はケガ人が多くて、自然とチャンスが来ている形ですが、苔口さんとか、(西川)優大くんとかが戻ってきても、メンバーに入り続けられるように練習からしっかりアピールしていきたいです」と、ポジション争いへの意気込みを口にした。

 安間監督の期待も大きい。冒頭の言葉の後に「レギュラー争いをしていくうえで他の選手たちと競っていく上で、(今日の)ゲームに出て思うところもあると思う。さらに上の質を目指してくれたら、チーム力が上がっていくんじゃないかと思います」と、言葉を続けている。今季10敗目を喫した富山だが、三根の初スタメン、FW黒部光昭の復帰というのは、前向きに捉えられる要素だ。「楽しかった。やっぱり途中出場とは違う。楽しかった」と、目を輝かせて繰り返す三根は、明日の練習から再びアピールして先発出場、そして初ゴールを目指す。

(取材・文 河合拓)

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