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日本vsメキシコ 試合後のザッケローニ監督会見要旨

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[6.22 コンフェデレーションズ杯A組 日本1-2メキシコ ベロオリゾンテ]

 コンフェデレーションズ杯は22日、グループリーグA組の最終戦を行い、日本代表はベロオリゾンテのミネイロンスタジアムでメキシコ代表と対戦し、1-2で敗れた。日本は3戦全敗で終戦。3試合で4得点9失点という数字を残し、大会を去った。

アルベルト・ザッケローニ監督
「メキシコは我々よりも良いプレーをしたと思う。体調も日本より良かったし、我々より素早く動けていた。1対1の場面で特にそうだった。イタリア戦で力を出し尽くしたこともあり、疲れが回復していなかった。前半はポジティブな内容だった。メキシコにプレッシャーをかけ、ゴールを入れるチャンスもあった。(岡崎が)ゴールを決めたと思ったが、(オフサイドの判定で)無効だった。まだビデオは見ていないが、分析しないといけない。メキシコも後半になって良くなったと思う。日本はDFが前に出て、攻撃陣をサポートするアプローチを取ったが、完全には実行できなかった。後半はスペースをつくりたかったが、中盤がかなり詰まっていて、うまくできなかった。長友が負傷し、交代が必要だったため、フォーメーションを(3-4-3から4-2-3-1に)戻した。失点に関しては、メキシコの方が空中戦に強かったと思う」

―酒井宏樹や栗原を先発起用し、途中からレギュラーの内田、吉田を投入した意図は? 3-4-3にシステムを変更した理由は?
「最初の質問については、あと数cmの高さが欲しかったからだ。つまり空中戦で強さを見せたかった。酒井宏樹はそれを保証できると思った。メキシコには3人の190cm台の選手がいて、エルナンデスもそれほど身長は高くないが、ヘディングがうまい。だから吉田を投入した。栗原を先発させたのは、吉田のコンディションが良くなかったから。吉田はイタリア戦からコンディションを回復させることができなかった。

 後半、3-4-3にしたのは、ウイングがスペースを確保する唯一の手段だったからだ。もう一人がサイドに張りつくことで、よりスペースが使えると思った。本田と香川にスペースが与えられた。純粋な3-4-3というより3-4-2-1だった」

―グループリーグ敗退が決まったチーム同士の対戦でもスタジアムは満員だったが?
「インフラは素晴らしいし、W杯開催の準備ができていると思う。組織も最適だ。5万2000という観衆は驚くべきことではない。ブラジル人がいかにサッカーに熱を持っているかは分かっている。ブラジルの人はサッカーが大好きで、情熱を持っている」

―3試合で感じた手応え、逆にこの1年でやらなければいけないことは?
「ブラジル戦はアプローチを誤った。試合が始まって、個性が控えめになってしまった。アウェーで、しかも素晴らしいチームのホームでプレーするとき、我々はそうなることがある。立ち上がりに失点して、あまりいいゲームができなかった。イタリア戦はハイレベルな試合だった。コンディションが整っているときには、こうしたプレーができるということを見せることができた。対戦相手も重要だが、コンディションが最高のときには、我々はこういうプレーができる。国際試合の経験不足もあらわになった。70分までは我々が試合を支配していただけに、我々はさらに向上しないといけない。イタリア戦はアプローチが良かった。メキシコ戦もアプローチは良かったし、集中していた。しかし選手たちはイタリア戦の疲れから十分に回復できていなかった。

 コンフェデレーションズ杯でこうした経験を得ることで、改善点を確認したかった。来年のW杯に向け、世界の強豪とのギャップを埋めていくことはできると思う。まだ1年あるので、その点をしっかりやっていきたい。いくつかの親善試合があり、日本協会にはいくつかのアウェーゲームを要請している。アウェーで試合をすることで国際的な経験を積むことが目的だ。

 私自身も最適な選手を選ばないといけない。今大会、選手の何人かはあまり休養できていなかった。シーズン中、クラブであまりプレーできていなかった選手もいた。コンディションがは必ずしも良くなかった選手もいた。長友はここ3か月で数試合しかしていないし、本田もこの7か月で数試合しかしていない。理想的なコンディションではなかった。W杯予選のことも考えなければならず、コンフェデの準備ができなかった。勝ち点ゼロで終わったことは残念だが、最大の目標は個性を確認することだった。試合の流れは残念で悔しいし、イタリア戦をモノにできなかったことは悔しい。ただ、第2戦、第3戦は満足できる内容だったのではないかと思う」

―本田は後半、足が止まっていたが?
「本田は今大会に向けて十分な準備ができなかった。プレーすることでコンディションを整えるしかなかった。だから出場させた。しかし、イタリア戦からコンディションを回復できなかった」

―勝ち点ゼロで終わったこと、また、セットプレーや立ち上がりと終盤の時間帯に失点が続いたことについては?
「日本は勝ち点を取れなかった。取りたかったが、実現しなかった。その理由は、先ほども言ったが、大会のために十分な準備ができなかったからだ。前半開始数分で、後半開始数分で失点しているのも、やはりコンディションが十分でなかったためだ。選手はすでに疲れていた。以前のコンディションではなかった。オーストラリア戦の前日に合流した選手もいる。いくつかの試合が続き、コンディションを回復する余裕がなかった。そこは考慮しなければいけない。イタリア戦から2日後にこの試合があった。イタリア戦の翌日は体調回復に努め、昨日はもう最終練習だった。燃料タンクに燃料はそれほど入っていなかったと思う」

―コンディションの良い控え組をもっと起用する考えはなかったのか?
「選手交代は何人かした。先発はイタリア戦から3人代わった。チーム全体を変えるとアイデンティティーを変えてしまうことになる。日本はイタリア戦ではよくやったと思う。だからチームの性格を変える気はなかった。今日はスタメンを3人変更し、試合中はどこで交代できるかを見極めた。戦術的にサイドで高い位置を取る必要があった。失点はDFラインの人数はそろっていたが、空中戦で入れられた。非常に良いヘディングシュートだったと思う」


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