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[総体]エース石田脅威の4発!市立船橋が八千代に豪快リベンジで全国復帰!

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[6.22 全国高校総体千葉県予選準決勝 八千代0-4市立船橋 東総]

 平成25年度全国高校総体「2013 未来をつなぐ 北部九州総体」サッカー競技千葉県予選は22日、準決勝を行い、市立船橋がエースFW石田雅俊(3年)の4ゴールによって八千代に4-0で快勝。2年ぶり21回目の全国総体出場を決めた。

 豪快なリベンジ劇だった。市立船橋は高校選手権全国王者として迎えた昨年の同予選準決勝で、八千代にPK戦の末に惜敗。全国進出を目の前にして悔し涙を流していた。あれから1年。同じ会場で同じ相手と戦った準決勝で、全国への強い意気込みを見せる市立船橋が快勝した。

 今年の市立船橋は最終ラインからポゼッションをしつつ、局面ではダイレクトパスでスピードアップして打開する攻撃が特長。だが、この日は立ち上がりから相手の背後を狙うロングボールが目立った。主将の日本高校選抜CB磐瀬剛(3年)が「ここ最近、(朝岡)監督に言われていた。CBが相手のプレッシャーを感じて、ポゼッションした方がいいのか、飛ばした方がいいのか判断すること。相手に合わせないといけない。きょうは何回か蹴って相手の対応が悪かった」と説明したように、磐瀬とCB柴戸海(3年)の両CBや左SB山之内裕太(3年)が放り込む背後へのボールが、八千代守備陣を押し下げていく。そしてプレッシャーが緩くなった中盤ではエース石田がワンツーから強烈な右足シュートへ持ち込むなど、主導権を握って攻めていった。

 前半19分にスコアが動く。相手の背後を狙ったボールに対して、八千代のGKとSBが処理を誤ると、猛然と突っ込んできた右SB篠原良介(3年)がインターセプト。これを八千代守備陣がファウルで止めて、市立船橋にPKが与えられた。キッカーを務めた石田が冷静にゴールヘ決めて市立船橋が先制。朝岡隆蔵監督が「ウチは両方持っている。ダイレクトプレーを意識した中でつないでいきたいと思ったし、ギリギリの判断で相手の網を掻い潜って一気に場面を変えたいとも思っていた。それがてきたかなと思います」という“ふたつの顔”の攻撃がリードをもたらした。

 先制された八千代だが、連係のいいパスワークでサイドの高い位置までボールを運んでいく。特に右SB武藤友樹(3年)の突破力と左SB金子理史(3年)の左足キック、そしてMF山本裕貴(3年)のスピードが効果を発揮する。前半35分にはMF朝倉啓太(3年)の左CKのこぼれ球をCB渡辺真也(3年)が決定的な左足シュート。U-18日本代表候補GK志村滉(2年)の好守に阻まれたものの、決定機もつくり出した。

 ただ、石田が「みんな気合入っていました。アップの時から、宿舎でもそうですけど『行こうぜ』と声を出し合っていた」と雪辱に燃える市立船橋は後半、難敵を突き放す。まずは7分、MF打越大樹(2年)がDFの背後へボールを落とすと、交代出場のFW横前裕大(3年)が右サイドから中央へ折り返し。これをニアサイドへ飛び込んだ石田が右足ダイレクトでゴールヘ沈めて2-0とした。

 切り札、横前のアシストから2点目を奪った市立船橋はさらに14分、MF室伏航(3年)が右オープンスペースへボールを送ると、切れ込んだ篠原のラストパスを石田が三度右足でゴールを破って3点差。八千代は朝倉の直接FKや金子のラストパスにFW浅川隼人(3年)が飛び込むなどで反撃したが、磐瀬と柴戸の強力CBコンビを中心とした市立船橋はゴールを許さず。逆に試合終了間際の38分、右中間でMF藤井拓(2年)からのパスを受けた石田がDFを鮮やかに抜き去り右足シュート。これがゴールを破って雪辱勝利を完結した。

 昨年はPK戦で準決勝敗退。選手権予選でも準決勝で流通経済大柏にPK戦で敗れ、名門は一度も全国舞台を踏むことができなかった。無念の日々を過ごして迎えたこの日の大一番。1年時に高校選手権優勝を経験している磐瀬は「個人的には(準決勝が)ちょっと嫌でしたけれど、周りのみんなは『絶対に勝つ』と言っていた。強気でいっていました。去年情けない試合をして負けちゃったので、きょうしっかり勝ってリベンジしたいと思っていた」という。また昨年から主力を担ってきた柴戸も「本当にやっとという感じです。全国が目標にあるので、そこに行けないのは本当に悔しかったです。(全国大会では)ゴール前の迫力とか崩しの部分のクオリティを上げていって、後ろはしっかりゼロで抑えるということをやっていけばいいと思います。(全国制覇)狙っています」と宣言した。もちろん、最終目標は選手権での日本一。ただ指揮官も「今年は勝負をしにいこうと思っています。勝負できるチームだなと思っているので、そこでチャレンジした中で課題を見つけてきたい」と語る名門は、過去7度全国優勝と“得意の夏”もライバルたちのマークを打ち破って頂点へ突き進んでいく。

(取材・文 吉田太郎)
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