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日本vsメキシコ 試合後の選手コメント

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[6.22 コンフェデレーションズ杯A組 日本1-2メキシコ ベロオリゾンテ]

 コンフェデレーションズ杯は22日、グループリーグA組の最終戦を行い、日本代表はベロオリゾンテのミネイロンスタジアムでメキシコ代表と対戦し、1-2で敗れた。日本は3戦全敗で終戦。3試合で4得点9失点という数字を残し、大会を去った。

以下、試合後の選手コメント

●FW岡崎慎司(シュツットガルト)
―得点シーンは?
「ヤットさん(遠藤)が走っているのが見えたので中に入った。半分以上がヤットさんのゴール」
―前半、オフサイドになったゴールは?
「際どかったですね。副審もたぶん迷っていたと思う。上げるのが遅かったので」
―大会全体を振り返って。
「自分たちの時間帯もメキシコの時間帯もある中で、勝つための集中力に欠けている。僕らの攻撃がふがいないのもあったけど、簡単に失点してはいけない。サッカー的にはやれることが分かったが、日本は勝つための集中力に欠けていた。勝負を分けるポイントを自分たちは分かっていなかった。90分間で隙を見せたときにやられる。チームを勝たせられるように、みんなが考えていかないといけない。うまくいかないところで我慢することが必要。何が大事かがまとまっていない。結果を出すところを見せていかないと。何でもないクロスを上げられたり、CKも先に触られたり。ピルロの素早いCKは、これが勝負師たるものと感じた。自分たちももっと意外性を持っていければいい」
―セットプレーでの工夫は?
「ショートコーナーは日本の良さ。今までCKは簡単にやっていたけど、ショートコーナーは度胸がいる。そういうチャレンジを一人ひとりがやっていくこと」
―2試合連続ゴールで自信もついたのでは?
「今までアジアでの得点が多いと言われていたけど、ここでひと皮むけたのではないかと思う。もうひと皮むけるためには、チームを勝たせるゴールを決められるようになること。世界の公式大会で先発で出たのは今大会が初めてだった。いろいろと感じることがあった。クラブで試合に出続けて、結果を出し続けていくこと。プレーの幅も必要だけど、ゴールへの動き出しや、この形なら点を取るというものを身につけていきたい。FWという認識を強く持っていきたい。今は中盤というイメージだと思うけど、それを払拭していきたい。前のところで身体を張ること。人が密集しているところでもやれるようにならないと。守備でも前にいることが大事。後ろでも追わないといけないけど、いつも戻っていたらこいつは戻ると思われる」

●MF本田圭佑(CSKAモスクワ)
「チームとしては、ブラジル戦と違ういろいろな挑戦をして、前半に惜しいシーンもあった。どこで差が出るかというと、間延びして、スペースができたとき。コンパクトにできているときは日本の良さを出せるけど、間延びしたときに、どうしても個の差が出る。サイドでタメをつくられて、1点目もそういう失点。そこで流れが変わる。組織で戦えることは証明できたけど、個で試合を決定づけるプレーが少なかった。こっちが元気で、コンパクトに戦っているときはいいけど、間延びしたときに、こっちは3人、4人で(攻撃に)行けないのが現状」
―間延びするのは最終ラインが下がるから?
「ディフェンスのことで言えば、そういうこ俺はDFの個もクローズアップするべきだと思っている。(最終ラインが)どうしても下がるし、向こうは蹴ったボールが(前線で)おさまる。(高い位置からのプレッシャーで)ハメて、(ロングボールを)蹴らせているつもりでも、そこをつぶせない。苦し紛れのボールなのにそうなる」
―DFの個というのは、体格差もあって攻撃陣の個よりも難しいのでは?
「そういう面で見れば難しいけど、小さい体でいい守備をしている国もある。そういう事例もある。そういう能力を練習で身に付ければ補えるということ。クラブの立場、代表の立場があって、みんな同じ方向を向いてやっているけど、それぞれ課題は違うし、取り組むべき練習も違う。個人練習が許されないチームもある。そういうジレンマを抱えている選手もいる。
 個人的にはシンプルで、どういうチームに行こうが、(CSKAモスクワに)半年、残留しようが、やることは分かっている。相手も必ず間延びする時間はある。そうなったときに役割を果たせなかった。でも、果たせている時間もあった。もっと死ぬ気で、覚悟を持って取り組む必要がある。それは僕だけでなく、トレーナーだったり、“チーム本田”での総力戦」
―3戦全敗だが、直前にW杯予選もあり、コンディション面で不利な面もあったが?
「勝ち負けは力のなさ。すべてをひっくるめて実力。イタリアは中2日で僕らに勝った。どういう状況でも勝つメンタルが必要。所属チームのレベルもある。もっと高いレベルのチーム、高いレベルのリーグでプレーするべきだと思う。結果は不本意。でも現実。人のせいではなく、自分に降りかかるもの。ただ、ネガティブなことばかりを言っていてもしょうがない。ブラジル、イタリア、メキシコに勝てるクオリティー。その上にスペインもいるかもしれない。もっと高められるけど、向こうも高めてくる。その競争に勝たないといけない。日本は必ず成長しているけど、勝てないのは向こうも成長しているから。どれだけ覚悟を持ってやるか。そこが足りない」
―組織も高める必要があるのでは?
「そこは俺が言える問題じゃない。監督の指示の下、チームは組織をつくっている。監督の約束事の中で動いている。そこは監督に任せている。僕らは個人戦術のところ。でも、個人戦術は同じところでやっていても身に付かない。このレベルで、この緊張感の中でやってこそ、自然と『格』が上がっていく。個人練習では上がらない」
―「格」というのは?
「自信の差が『格』になる。百戦錬磨というか、イタリアはあんなにバテていても勝つ。負けられないプライドがある。僕らは練習でやったことを100%出そうとしている。でも、勝ち方が分からない。あれだけ圧倒しても、向こうが勝つ。点が取れない。そこが『格』。向こうには何回もスクデットを取ったり、CLで優勝している選手がいる。その差は現状としてある。逆に俺らがアジアでやるときは、そのアドバンテージがある。誇りを持って挑む。その逆パターンでやられている」
―「惜敗」と言っているようでは格が上がらない?
「格は人が判断するもの。自分では分からない。自分は負けたくないという気持ちでやっている」
―ブラジル戦でドリブルでかわしてシュートを打ったシーンなどは手応えをつかんだのでは?
「いい体勢で、いい条件下でボールを持てば、やれるシチュエーションもあった。それを90分やるのが超一流。そこは僕の課題」
―現状は8割、9割?
「もっと低い。8割、9割できれば、合格点だと思う」
―ベストオブベストのときなら?
「ベストオブベストのキャパシティーが低い。そのキャパシティーを見直さないといけない」
―ビッグクラブに行けば、自分も少し変わる?
「少しじゃない。計り知れない成長が待っている。僕は環境先行型。今までもそうだった。そのステップに行けるかどうかは分からないけど、チャンスがあると思って8月まで待ちます。W杯まで1年しかないと見てもしょうがない。1年あると思って取り組んでいかないと」
―ブラジルの観衆は日本に声援を送っていたが、来年のW杯でも同じことが予想されるが?
「それはアドバンテージですね。W杯で僕らを後押しする可能性がある。親日だなというのは感じている」
―ボール支配率はあまり変わらなかったが、シュート数は大きく下回った。
「さまざまな要素があるけど、一言で言うと、個。ゴールに持っていく力という意味で、日本は横につなぐ力はあるけど、前に持っていく力はメキシコより劣っていた」

●MF香川真司(マンチェスター・U)
「何も残らなかった試合。日本らしくしっかり負けた。勝ち切れなかった。トライしたけど、負けた。今までと何も変わらない。立ち上がりはチャンスがあった。フワッという雰囲気はお互いに感じた。その中で先に取れたらよかったけど……。3試合ともそこで取れなかった。世界で課題を残した」
―ハビエル・エルナンデスに2点取られたが?
「彼らしいゴールだと思う。ゴール前に常に入ってくる」
―1年後のW杯に向けて課題は?
「ブラジルとかに勝つために、最低限、個人とチームのレベルアップが必要。チームとして戦わないといけない。勝ちたい気持ちがメキシコの方が強かった。僕らは曖昧だった」
―イタリア戦でできたことがなぜ今日はできなかったのか?
「メンタル的なものが一番大きい。それで片づけるのもあれだけど……。イタリア戦はチームとしてチャレンジできたけど、今日はできなかった」
―後半、バラバラになったのはシステム変更の影響もあった?
「分からないですね」
―これでシーズン終了だが?
「しっかり休みます」
―来シーズンは最後にW杯がある。
「W杯のために来シーズンやるわけではない。まずプレミアで結果を残して、日本代表として出るときにはもっともっと強力な選手にならないといけない。プレミアで個を磨いて、ゴールや仕掛けるところを増やさないと。意識を高めて、あと1年やらないといけない」

●MF細貝萌(レバークーゼン→ヘルタ)
「良い結果が出なかった。残念だった。試合の入り方はチーム全体で良かったけど、失点の形が悪かったし、いいリズムを継続できなかったのも、個人的にはそこが課題だと思う。チームの中心にいるのでそこが課題だし、残念だった」
―前半途中から日本の足が止まっていたが?
「最初は日本がボールを保持する時間が長かったけど、前半途中から少しずつ相手が保持する時間が増えていった。苦しい流れだった。しんどい中でプレーしていた時間が長かった」
―打開策をどう考えていた?
「後半の立ち上がりをうまく入ろうと話していたが、その中で、9分に失点してしまった。個人的にもチーム的にも厳しく、良い流れではなかった」
―前半40分、18番(グアルダード)にフリーでシュートを打たれた場面もマークがズレていた?
「ポストに当たったシュートですよね。レベルが高くなってくると、ああいうところを見逃さない。どんどん中盤の選手が飛び出したり、FWの選手が入ってくる。悪い流れはああいうところから始まっていたのかなと思う」
―アジア舞台から世界に出て、どういうことを現実として感じた?

「アジアのチームと世界のレベルの差はもちろんある。個人に関しては、いつもスタメンで出ている選手を自分の能力で(上回って)ポジションをつかみ取っていない。アジアと対戦する機会も少ない中で今回の大会に来ていたし、もっと試合に出ないといけない」
―この先の1年、何が必要?
「今回の大会を終えてみて、今までボランチでやっていなかったことがすごく厳しいというのを感じた。レバークーゼンでボランチでなかなか試合に出られなかったことは、今思えば厳しかった。来季はヘルタに移籍することが決まっているので、ヘルタではより中盤で使ってもらえるように、そして数多くの試合に出続けることで、レベルの高い国とW杯のときに対戦していけるようにしていきたいと思った」
―遠藤が前に出る場面が多かったが?
「アンカーということではないが、自分がダブルボランチに入ることによって、ヤットさん(遠藤)がいつもより高い位置に出られるようにした。そこは良かったかなと思う。でもやっぱり、今まで長谷部さんとヤットさんが長い時間、ボランチを組んでいる中で、そこに割って入っていけなかった。能力が足りなかったから今までずっと出られなかったのだと思う。出られなかったときもイメージはしていたけど、いざ出たとき、自分がヤットさんと組むということが今までほとんどなかった。イラク戦と今回ちょこっと。それをつかみ取ることができていない。個人のレベルをアップしないといけないと感じた」

●DF今野泰幸(G大阪)
―後半途中で3バックになったが?
「今日は難しかった。相手の右サイドのドス・サントスがすごいサイドに張っていて、本来はSBの俺が行くべきだけど、(長友)佑都も下がってきて、俺が何の意味もないところにいる感じだった。機能するのは難しかった。相手を混乱させるという意味では、ボールを持てれば機能する。マイボールのときに3-4-3は機能すると思う。今大会は主導権を取られたときに我慢できずに失点している」
―3試合で9失点。守備の課題は?
「個人能力もあるし、組織もまだまだ成り立っていない。一つ2つポジショニングのミスがあっても、アジアならカバーしたり何とかなっていた。でも、このレベルになると、一つ2つポジショニングミスがあったらやられる」
―1失点目はサイドチェンジから中でフリーで合わせられたが、そこもポジショニングのミス?
「ボランチが見るのか、(栗原)勇蔵が見るのか曖昧になっていた」
―前半にも同じようにサイドからポスト直撃のシュートを打たれた。
「あの場面は俺が(サイドに)つり出されて、中がフリーになった。俺がつり出されなければよかったのか、だれかがカバーできればよかったのか。そういうポジショニングミスでやられる」
―終盤は1点を返して反撃を見せた。
「0-2で終わるのと1点返して終わるのとでは違う。1点返したのが救い。0-2ならどん底に落ちていた」
―連戦だったが、同じ戦いを継続してできないのが課題?
「疲れとか関係なく、日本は個で守るのではなく、11人で守るチームだし、11人で攻めるチーム。一つのポジショニングミスもあったらいけない。ボールのある位置に応じて11人が動いて、穴を開けないことが大事になる」
―ブラジルの観衆は日本のサッカーを楽しんでいたようだが?
「でも勝ちたいですよ。勝つためにやっているから」
―本田は「DFの個も重要」と言っていたが?
「それはDF陣みんなが感じていること。1対1もそうだし、危機管理能力もそう。大丈夫だろうと思わずにしっかりポジショニングを取る。細かいところにこだわらないといけない」

●DF栗原勇蔵(横浜FM)
―1失点目の場面は後ろからエルナンデスが来たのが分からなかった?
「後ろから来たというより、(酒井)宏樹のサイドの方に出されたとき、一回もらいに行く感じになったから、俺が(細貝)萌からマークを受けた。俺がそこまで行ったら、早い段階でクロスを上げられて、うまく裏を取る動きをされて。俺は体の向きでは付いていけないからニアだけ切ろうと思った。結局、映像を見たら中も(長友)佑都と今ちゃん(今野)くらいしかいなかった。俺がもっと中で守ればよかったし、サイドにつり出されるのが一番嫌だったから、萌に付いてきてほしかったけど、一瞬の受け渡しで俺に声がかかって、ちょっとだけ前のポジションを取ったらやられてしまった。それが宏樹の足にも当たって、またいいボールになったというのもあるけど、ああいうところの嗅覚というか、見逃さないし、CKの得点も一人だけ反応が早かった。やっぱりあのサイズで世界で戦っている選手というのはそういうところがレベルが高いなと思った」
―国際舞台を経験できたことは?
「余力を残してるから、ここぞというところで力を使えるというか、仕留め方というのを知っている。日本はいっぱいいっぱいというか、みんな全力でプレーするから、相手のミスとかが起きても、ここぞというときにパワーを発揮しづらいのかもしれない。それを外国人は普段、サボったりもしてるし、そういうときに力を発揮できるのかなと。それが全部ではないと思うけど」
―この大会が終わったら新しい勝負と監督も言っているが、今、スタメンで出ている選手に危機感を与えられているか?
「分からないけど、そうしないとダメだと思うし、一回リセットというなら、それをきっかけにして、どんどんチャンスをつかんでいかないとダメだと思う」
―そういう意味で90分出られたのはよかった?
「今日は90分出れたけど、負けたし、失点もした。勝てば予選突破という試合だったら、全然違うと思うし、そういう試合で出られなかったのはまだまだ全然ダメだと思う」
―1点目の形は読みづらかった?
「自分として後悔したのは、サイドに一回つり出されて萌と声をかけ合ったとき、俺は外に釣り出されたくなかったから、萌に行ってほしかった。でも、もう間に合わないということで、俺が一歩外につり出されたからああなったわけで、もちろんエルナンデスがうまい動きをしたかもしれないけど、俺はまずそこを反省しなくちゃいけない。その躊躇というか、一瞬のミスでやられてしまうわけだから」
―90分、こういう相手とやれたのは大きなステップ?
「強い相手とやったことがないわけじゃないけど、こういう大会はなかなかないし、今日やって感じたのはまったくできないわけじゃないということ。ブラジルとかと比べれば全然だし、そういうチームからまず勝っていかなきゃいけないと思う」

●DF吉田麻也(サウサンプトン)
―途中出場だったが?
「自分が入って3-4-3にしようということで、3-4-3の特長を生かせるようなプレーをしたかったけど、(長友)佑都クンのケガもあって4-3-3に戻す形になった。2点目はオリンピックとまったく同じ形でやられている」
―交代直後でマークのズレは?
「僕が入ったことで(前田)遼一さんとハジさん(細貝)のマークをズラして、そこは付けていた。メキシコはずっとあれを狙っていた。試合前に(チームメイトに)伝えられたはずだし、キックの直前にも気づいた。そこで伝えられなかったのは自分自身、詰めが甘かった」
―1年後のW杯に向けて課題は?
「強い相手と戦わないといけない。高いレベルで高いパフォーマンスを発揮する地力を付けないと。1年でそこを埋めて、来年は形で示さないといけない」
―3試合で9失点したが?
「局面局面でやられているけど、組織は大きく崩されていない。個の部分を詰められるようになれば組織は十分に通用する。ずっと言っているけど、個のレベルアップが必須」
―個のレベルが上がれば9失点のうち何失点は防げた?
「ブラジル戦の2失点目、3失点目。イタリア戦の2失点目、4失点目。今日のセットプレーも防げた。防ぎようはあった。1歩2歩を寄せれるかどうか、集中力、イージーなミスは僕の課題。失点を減らさない限り、勝つことは不可能。ふがいない。何もできずに終わった。僕はこの大会に経験を積みに来たのではなく、結果を出しに来た。だけど何も残せなかった。腸わたが煮えくり返る気持ちで帰らないといけないのは悔しい」
―結果を出せなかったのは世界が想像以上に強かったからか、それとも自分たちの力を出し切れなかったからか?
「出し切れなかったほうが強い。ブラジルは強かったけど、イタリア、メキシコにこの先、10年勝てないとは思わない」
―来年のW杯本大会でもう一度対戦することになったら?
「同じ相手に何回も負けるわけにはいかない」

●DF長友佑都(インテル)
―ケガの状況は?
「左ふくらはぎの付け根。ずっとケアをしていたところで、後半の頭から張りがあって、動きづらかった。すごく悔しいし、自分もやりたかったけど、足の状態。チームに迷惑をかけられない。動けなかったから」
―立ち上がりはよかった。
「入り方としては、イタリア戦のときのように入ろうと話していた。うまく入れたけど、相手も少しずつ上げてきて、うちの足が止まったときにチャンスをつくられた」
―消耗があった?
「向こうも同じ日程だし、言い訳にできない。日本は走力で上回らないといけない」
―今大会で得たものは?
「3連敗しているので、結局……」
―イタリア戦はよかったが?
「見えた部分はあるけど、4失点しているし、DFとしてやってはいけないこと。個人としてチームのためになれなかった。そこは自分の中で悔しいし、何も違いを生み出せなかった。アシストもしていないし、まずは自分自身が反省しないといけない」
―反省点は?
「ブラジル戦はチャレンジできなかった。引いて守っていたら日本のサッカーはできない。高い位置で取って攻めることが大事になる」
―岡田ジャパンのときのように今後、守備的になる可能性はあるのか?
「僕らはそういうサッカーで勝てるメンバーじゃない。監督が選んでいメンバーを見ても、守って勝つというメンバーじゃない。それはやっぱり自分らの特徴である、皆で走って前の選手達の技術、香川真司や(本田)圭佑もいますから、そういう選手を生かしながら攻撃していくしかない。それを磨いていくしかないと思います」

●DF酒井宏樹(ハノーファー)
―18番(グアルダード)が攻撃のときに中に入ってSBが押し上げていたのでマークの受け渡しが難しかったのでは?
「相手はいやらしい位置取りをしてきたので、そこに対して対応が遅れるのは当たり前のこと。でも、そこでうまく対応できるように試合中に変えていかないといけなかった。なかなかきれいにハマることがなくて、その場その場で対応するしかなかった」
―失点の場面は、クロスを簡単に上げさせてしまったように見えたが?
「中に絞っていると、逆サイドからのロングボールへの対応が遅れるのはしょうがないので、そこからどれだけアプローチできるか。自分としては最短の距離まで詰めていたし、あのボールも僕が触ってしまったことでコースが変わって反応されてしまった。普通のボールなら中で準備できたと思う。触ってしまったのが……。普段なら触ってしまうことはDFとしていいことだけど、今日に関しては相当悪いことになった。1対1の場面で遅れてはいなかったけど、相手の早い動きに一瞬遅くなって触ってしまった」
―自分としては今日の動きは良かったという判断?
「いや、もちろんチームは負けているし、途中交代させられている選手なので……。見ている人はいいとは思わなかったと思います」
―立ち上がりから試合になかなか入り切れなかったのでは?
「そうですね」
―今日のような大きな試合に先発起用されたことについては?
「イタリア戦みたいにうまく試合に入れれば良かったけど、入れなかったので評価も何も……。見ている人が一番よく分かると思う。攻撃的な部分も前半、2、3本しか行けてなかった。そういうところを期待されて使ってくれたと思うので、出したかったけど」
―監督は酒井を入れたのは空中戦に強いからと会見で言っていたが?
「あまりヘディングの場面がなかったので……。それに関しては分からないです」
―足元でボールをもらうことが多く、難しかったのでは?
「そうですね。リズムをなかなかつかめなかった。うまく回らなかった。もっとスペースでもらえればよかったけど」
―来年の本大会も欧州組はシーズンが終わった直後る。今大会、欧州組がなかなかうまくいかなかったが?
「代表に呼ばれて、欧州でやっていたら休みがないのは当たり前。僕も実際、2年間くらい休みがない。その中で歴代の代表選手はやってきたので、そこは言い訳にできない。フルで1年間動かないといけないし、頭も使わないといけない。自分自身、まだまだ未熟なところがあるというのがこの大会で分かった。質のいい練習をして世界に追いついていかないといけない」

●DF内田篤人(シャルケ)
―アップ時間の短いまま途中出場したが?
「負けている状況でDFラインの選手が残り20分で試合に出るのは難しかったけど、DFが2人も交代で入ったのだからもう少し安定感を見せないといけなかった。CKも含めて自分のところでやられたので、失点したのは良くない」
―外から見ていて良くないなという感じだった?
「いや、1、2本チャンスがあったので、そこで点が取れていればまたポンポンていくんですけど、向こうは耐えながら、巻き込んでいった。ポストにシュートが当たったりしながら徐々に向こうの時間帯に引き込んでいったのは力がある。そういうのは向こうがうまい。耐えて耐えてなんだかんだ勝つ、という」
―今日は結果が大事な試合だった?
「いつも結果は大事。結局、勝ち点0なので」
―3試合を終えて。
「自分たちがしっかり準備をして、ある程度自分たちがやれる時間帯というのはあるんですけど、それよりも勝ち負けというか。そういうのを感じるかな。負けないよね。そこらへんは何なんですかね。俺も小学校のころからずっとサッカーをして、いっぱい勝っていっぱい負けてきたけど、何なのか…。何なんですかね。もちろん、いいサッカーをしている方が勝ちには近づくんですけど。うまく勝ちを取り込むというのは、ちょっと、向こうがすごいかなと」
―流れを取り込むところに差が出た?
「強いチームには点を取る選手がいますからね。ネイマール、バロテッリ、今日取ったヤツも。やられる選手にやられているのは…」

―今日はシステムがめまぐるしく変わったが?
「最初は“宏樹のところ”と言われたので4-4-2。その後は3-4-3にしたんだと思う。マヤにそう言われた。途中でマヤに4-4-2と言われた。憲剛さんが入ったとき、多分。うーん、俺が入って4-4-2、マヤが入って3-4-3、憲剛さんが入って4-4-2。そういう、いろんなフォーメーションができるということはいいことなんだけれどね」
―1ヶ月間の合宿中、チーム内のコミュニケーションは?
「代表はどうしても寄せ集めになる。シーズンでこれだけ一緒にいて一つの大会をやれているのはいいこと。大会を終えると、チームとして一つ、まとまる」
―イタリア戦で手応えはつかめた。
「でも負けているからね」
―そして今日の試合、こういう形。
「これが現実というか、実力。その通りだと思う」
―欧州組が多く、経験豊富と言われているが、アウェイには弱い。
「日本では最近、欧州に出る選手が多くて、“オッ”という感じだと思うけど、欧州にいると欧州の国はなんなんだと。その中でも追いつけ追い越せだけど」
―宏樹を使うということで監督から何か言われた?
「いや、特にはない。誰にもチャンスはあるし、使うだろうと。イタリア戦がおわってから、次はどうかなと思っていた。次は向こうにもチャンスがあるだろうなと」
―ベンチスタートで燃えた?
「いや、僕は燃えませんし、準備をしているつもりでした。セットプレーでやられて、自分の中で行こうか行くまいか考えたところもあるし、PKを与えたところも、あの場面ではもう少し後ろでカバーに入らないといけなかった。セットプレーのところは逆の体じゃないといけなかった。今日(のパフォーマンス)は良くなかった。CKを含めて自分のところでやられてしまった」
―今、率直にあと1年後にこうしていかなければいけないと思うことは?
「なんすかね。勝てばいいし…」
―10年も世界最速でW杯を決めているが、残り1年の流れから、本大会での戦い方を変えなければいけなくなった。
「それは監督が決めること。10年も直前で変えましたが、それは悪いことではない。別に勝てればいい。それは監督が考えることだと思います」
―イラク戦には勝ったけど、代表としてはスッキリしない期間が続いている。
「やっぱり、レベルが上がると勝てない。そこは現実だと思う。アジアレベルなら勝てるけど、欧州でもまあまあいいチームとやれば結果は違ってくる」
―個のレベルを上げることが必要?
「それは常に前から言っていることだから。でも今更とは思わないし、再確認は必要」
―シャルケで経験を積んできたが、代表は?
「(シャルケでは)モチベーションがありますから。自分の中で上がりますし。ところでブラジルは今日、勝ったの?」
―日本の試合中にスタジアムが沸いたときは、ブラジルが点を入れたときだった。
「おー、なるほど。誰が取ったの?」
―ダンテが先制、その後ネイマール、フレッジ。
「ダンテ!ダンテが出られないんだからね。凄いチームだよ」
―3年前に鹿島にいたときと比べて進化しているのは?
「俺、思うんだけどさ、何年か前のコメントと今のコメント、変わっていないと思うんだよね。だから、同じ事を繰り返してやっていくしかないんだよね。ここ(ミックスゾーン)にもいつも最初に出てきてるし」
―結構コメントは変わってきていますよ。
「変わっている?大丈夫?」
―以前は“中澤佑二さんに助けられた”とか言っていたが、今は引っ張る立場?
「確かに。やっぱり、18歳から代表に入っていますけど、無駄に過ごしているわけではないというか、50何試合かやって、変わってなかったらあれですし」
―今度は自身がW杯のピッチに立てるように。前回は直前で外れている。
「俺、多分ワールドカップに縁ないから」
―縁?
「いやいや、そういうのはあるんだよ。縁というか巡り合わせ。俺の中では覆せない流れ。ああいうふうに(と言って長友を見ながら)体幹と気持ちが強ければいいけどね。俺の場合はもう、ふわふわしているから」
―今や代表で最も精神面が強いと感じるが?
「俺?そうなの?ぶれない?そうか…。決して強くないとおもうけどね。じゃ、これで」

●GK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)
「3試合を通して1勝もできなかったのは残念だし、失点も多かった。ただ、結果だけを見るのではなく、しっかりと次に向けて内容を見るという意味ではポジティブな部分もあった。ネガティブな部分だけではなく、ポジティブな部分も見直す必要があると思う」
―ポジティブな部分とは?
「自分たちが今、積み上げてきているサッカーを自信を持ってやれているときというのは、確実に、相手がどこであれ、対等にやれると思う。そこを結果につなげられなかったことはまだまだ詰めていかないといけないところだけど、数字や結果とは裏腹に見えている部分もあるのではないかと思っている」
―GKからフィールド選手の疲れは見えた?
「疲れがあるのは当たり前だし、コンフェデだけではなく移動もあるので、疲れはあったと思うけど……」
―1失点目の場面は、ずっと攻撃を受けていた時間帯。どのように考えていた?
「自分たちはゾーンで整っていたけど、プレッシャーをかけなければ意味がないし、本当にそのボールに寄せることが必要。ただ前から行くだけが自分たちの狙いではない。ゾーンに入ってきたところを自分たちから仕掛けて取るというのも心がけていきたい」
―前から行く守備ではある程度の力を示せるようになった。次の課題はゾーンに入ったときの守備ということ?
「本当にちょっとのところだと思う。アジア相手には寄せることができていても、世界相手にどれだけボールにプレッシャーに行けるか。もう少し行かないといけない。ギリギリのところでどれだけ行けるか。小さい寄せや詰めのところが、こういうレベルでは変わってくると思う。チームとしても個人としてもやっていかないといけない」
―自分たちの流れじゃないときの守備にも課題が残る?
「一概には言えないけれど、若いチームでスタートして、いい形でここまで成長してきていると思っているし、結果もある程度出てきている。ただ、アウェーの試合や相手が本気の中でどれだけできるかという視点で見れば、まだまだ経験は足りないと思う。そういう試合運びが必要。相手にやらせないことや、試合巧者になるという部分は学んでいかないといけない」
―PKを止めた場面は?
「自分としては、正直言うと、後ろから見ていて、後ろが何点取られても1点取ってくれと思っていた。こっちが1点取ったあとも、あれを決められていたら自分たちも完全に追いつけないという気持ちになったと思うので、そういう意味では止められて良かった。あのあとに同点ゴールが入っていれば完璧だったけど」
―コースは読んでいた?
「この前の試合(イタリア戦)で相手(バロテッリ)に見られていて、自分でも早く動きすぎてしまったので、最後のところまで我慢していようと思った」
―大会を通じて空中戦からの失点が多かったのも寄せのところに問題があった?
「寄せというより、誰が行って誰がカバーするのかというところ。相手が枚数を掛けてきてこぼれ球を狙ってくるなら、自分たちはそのカバーをしっかりしないといけない。それは個人というより、チームとしてやれるところなので、より徹底してやれるようにならなければと思う」
―具体的に感じた差の部分で、1年後に解決できているための具体的な修正策は見えている?
「ある意味、日本人が謙虚なところはすごく良いところだと思うし、僕らが成長できているのは学ぶという姿勢があるからだと思う。ただ、本当に世界の中で自分たちが勝っていくというメンタリティーを考えたら、例えばブラジルにはブラジルのメンタリティーがあったし、イタリアにはイタリアの良さがある。日本人も日本人の良さがあることを自覚して、そのアイデンティティーを自分たち自身がより強く持つこと。それが非常に大事になってくると思う。いつまでたっても、世界との差ということを話すのではなく、自分たち自身がそういうものを持って行くということも、この1年で大切になってくると思う」
―アイデンティティーというのはプレーもそうだけど、気持ちの部分?
「気持ちというか、自分たちがもっとやれると思うこと。監督がこのまえ、僕らに対して期待しているから失望したと言っていたが、周りから見ればそういう部分があると思うし、欧州でやっていて感じるのは、日本人の質、そういう部分を認めてくれる人が多いということ。ただそれを自分たちがより自信を持ってぶつけていかなければ、イタリア戦みたいにぶつけていかなければ、何も得られない。どんどんぶつけて、外に出す。内に秘めているだけでなく、外に出していかないともったいないと思う」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子)

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