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川崎Fが先勝も、10人の仙台もロスタイム弾で第2戦に望みをつなぐ

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[6.23 ナビスコ杯準々決勝第1戦 川崎F2-1仙台 等々力]

 ナビスコ杯は23日に準々決勝の第1戦を迎え、等々力陸上競技場では川崎フロンターレベガルタ仙台と対戦した。前半36分にFW小林悠のゴールで先制した川崎Fは、後半22分、交代出場したばかりのFWパトリックがPA内で仙台GK林卓人に倒されて、PKを獲得する。これで林が一発退場となり、数的優位も得た川崎Fは、このPKをMFレナトが決めて点差を広げた。このまま試合終了かと思われた後半ロスタイム、10人の仙台もMF松下年宏が1点を返す。第1戦は2-1で川崎Fが勝利したが、仙台もロスタイムのアウェーゴールで、第2戦に希望を残している。

 日本代表に招集されているMF中村憲剛を欠く川崎Fは、MF登里亨平が5月11日のC大阪戦(2-2)以来のスタメン入り。DF中澤聡太、MF稲本潤一も先発に名を連ねた。対する仙台は中断前、5月29日の浦和戦(1-1)と同じスタメンで試合に臨んだ。
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 最初にチャンスをつくったのは仙台だった。中盤の底に入ったMF松下年宏が右サイド敵陣深くに蹴ったロングボールを、MF太田吉彰が折り返す。ボールを受けたFWウィルソンがシュートを放ったが、得点につながらなかった。5月の公式戦を5勝2分と無敗で終えた川崎Fは、仙台の堅固な守備に苦しんでいた。それでも前半16分にはPA外から小林がミドルシュートでゴールを狙うなど、GK林の守るゴールを脅かした。

 前半20分には仙台も、右サイドのDF菅井直樹からの折り返しをMF梁勇基がボレーで合わせたが、ミートしきれずにGK杉山力裕の正面を突いた。パスの受け手への守備がルーズな川崎Fに対し、仙台は縦パスを入れて攻撃の形をつくっていく。同28分にはPA外からウィルソンがシュートを放つが、これはDFにブロックされた。これで得たCKから、川崎Fは一気にカウンターに出る。左サイドをレナトが抜け出しかけたが、DFにユニフォームを引っ張られて足を止める。しかし、松尾一主審はファウルを認めずにゴールキックからの試合再開を命じた。

 先手を取ったのは川崎Fだった。前半36分、ロングボールを受けた大久保が、小林にパスを流す。ルーレットでDFを外した小林は、右足でシュートを決めて見せた。同40分には仙台も長短のパスを織り交ぜ、川崎Fの守備を揺さぶる。最後は左サイドからのクロスの跳ね返りを松下がミドルシュートで狙ったが、枠を捉えられなかった。このまま前半は川崎Fが1点をリードして折り返す。

 後半の立ち上がり、仙台がボールを回して押し込む。後半5分には左サイドのDF蜂須賀孝治が折り返したボールを、フリーでゴール前に走り込んだFW赤嶺真吾がヘッドで合わせたが、シュートは枠を上に越えて行った。川崎Fも前線の大久保、レナト、小林の3人による鋭い速攻から追加点を狙う。同9分にはレナトのヒールキックを受けた山本が、小林に横パスを付ける。小林が左から来たボールを上手く右足に持ち替えて強烈なシュートを放ったが、ボールはGK林の正面を突いた。

 少しずつ試合の流れは川崎Fに傾くが、なかなか良い形でフィニッシュまで持ち込めない。一方の仙台も右サイドから太田、菅井、ウィルソンらがゴール前にクロスを供給するが、精度が低くシュートに持ち込むことはできなかった。

 後半24分に仙台は赤嶺を下げて、FW中原貴之を起用する。同27分には川崎Fも森谷を下げて、FWパトリックを送り出す。仙台のCKを凌いだ川崎Fは、ロングボールを前線に送る。これをPA内で受けたパトリックが、GK林をかわそうとしたがPA内で倒される。これで川崎FはPKを獲得。さらに仙台のGK林は一発退場となった。仙台はウィルソンと足をつっていた蜂須賀を下げて、GK桜井繁とMF田村直也をピッチに送り出す。このPKのキッカーを任されたレナトが、左足で確実にゴールネットを揺らして、川崎Fが点差を広げた。

 10人となった仙台も、前線からボールを奪いに行き、最後まで諦めない姿勢を見せる。後半45分には左サイドからのクロスに、菅井、中原が飛び込むが、わずかに合わず。これで得たCKからDF鎌田次郎が強烈なヘディングシュートを放ったが、GK杉山がファインセーブに阻まれる。それでも後半ロスタイム、PA内に走り込んだ松下が、右足を振り抜き価値あるアウェーゴールを決めた。このまま2-1で第1戦は川崎Fが勝利。準々決勝第2戦は、30日に舞台を仙台・ユアスタに移して行われる。

(取材・文 河合拓)

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