beacon

逆転負けに苦言のピクシー 「選手がプレーを止めた」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[7.10 J1第15節 大宮2-1名古屋 NACK]

 最後まで憮然とした表情だった。名古屋グランパスは前半7分にMF中村直志のループシュートで先制しながら1-2の逆転負け。ストイコビッチ監督は「中村直志の素晴らしいゴールで先制して、後半も勝ちに行こうとしたが、私が間違っていた。後半、選手はプレーを止めたように見えた」と厳しい口調で振り返った。

 足の動いていた前半は高い位置からプレッシャーをかけ、運動量、球際の厳しさでも大宮を上回っていた。ところが、運動量の落ちた後半は防戦一方。最終ラインが下がり、自陣に押し込まれると、後半17分には相手陣内でのMF田口泰士の不用意なパスミスからカウンターを受け、あっさりと同点に追いつかれた。

「中盤でのミスは理解に苦しむ。ボールを失ってカウンターを受け、自分たちで自分たちの首を絞めた。勝利を相手に与えてしまった。言い訳は許されないが、その代償を払うことになった」

 同点ゴールから3分後に2失点目。相手の縦パスに対し、FW長谷川悠を完全にフリーにしてしまった。「1失点目から集中力が切れた。田中隼磨とダニエルのところでスペースを与え、やられてしまった。ショックからショックの連鎖だった」。わずか4分間で2失点。終盤はDF田中マルクス闘莉王を前線に上げるパワープレーで最後の反撃に出た。

 大宮を自陣にくぎ付けにし、後半ロスタイムには闘莉王が粘ってつないだところでFW田中輝希に絶好機が訪れた。ゴール前で完全にフリーだったが、シュートはGK北野貴之の正面。「最後の田中輝希の場面は、ゴールが遠かったのだろう。あんなに近くだったのに、彼にとっては遠かったようだ」と嘆いた。

 前節の清水戦(2-1)で連敗を5で止め、8試合ぶりの勝利を挙げたが、連勝ならず。勝ち点を伸ばすことができなかった。「敗戦は大きなダメージ」。そう唇をかむピクシーは「今日はいいレッスンだった。インテリジェンスのあるチームは、こうしたレッスンから学ばないといけない」と苦虫をかみつぶすように話していた。

(取材・文 西山紘平)

TOP