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[ユニバーシアード]「4-0」日本が“圧倒的な”勝利で4強進出!

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[7.12 ユニバーシアード準々決勝 日本4-0マレーシア ロシア]

 ユニバーシアード日本代表は12日、第27回ユニバーシアード競技大会(ロシア・カザン)準々決勝でマレーシアに4-0で勝ち、準決勝進出を決めた。

 “圧倒的な”勝利だった。日本は試合開始早々の6分にMF泉澤仁(阪南大4年=新潟ユース)がゴール前でボールをキープしてからシュートを放ち先制。その1分後の7分には、左サイドからのクロスに、ゴール前に走りこんでいたFW仲川輝人(専修大3年=川崎F U-18)が合わせて追加点。日本はわずか2分の間に2点を奪う。

 対するマレーシアは、失点をしても「ブロックを組んで引いてきた」(長澤和輝)と守備的な布陣を崩さないまま。中心選手2名を出場停止で欠いていることもあってか、中盤でのプレスも弱く、日本はまさに“好き放題”にボールをキープ。ただ、「相手に合わせるではなく、細かい局面でもボールを失わないようしっかりつなぐことを意識した」(長澤)ところまでは良かったが、自由にできる分、次第に攻撃が単調になり、結局マレーシアを圧倒しながらも追加点を奪えないまま前半が終了する。

 後半に入っても、状況は変わらないまま。ボールを奪ってもシュートまで持ち込めないマレーシアに失点を許すとは思えない展開だったが、日本の攻撃も沈滞ムードに。FW赤崎秀平(筑波大4年=佐賀東高、鹿島アントラーズ内定)へのマークが厳しい分、2列目、3列目からの飛び出しでチャンスを作るも、ゴール前でのプレーの精度が低く、得点に結びつけることができない。

「相手の力のなさに助けられた。しかし、もし何かアクシデントがあって2-1にされていたら、今日のこのチームに修正できる力があったかどうか……」と吉村雅文監督(順天堂大)は振り返る。

 後半18分にMF茶島雄介(東京学芸大4年=広島ユース、サンフレッチェ広島内定)、MF天野純(順天堂大4年=横浜FMユース)が投入されたことでシンプルにゲームが展開するようになったものの、得点は動かない。それでも2-0のスコアのまま逃げ切るのかと思われた36分、ようやく追加点が生まれる。決めたのは主将のMF長澤和輝(専修大4年=八千代高)。茶島からのパスを受けると、ドリブルで相手DFをかわしながらシュート。「今日は決定的なパスを出せなかった」という長澤だが、冷静にボールを押し込んで試合を決定づける3点目をマークする。

 さらにその2分後の38分には、仲川がゴール前のスペースにクロスをあげる。そこに赤崎が走りこみ、GKとの1対1を制すとそのままシュート。マレーシアを完膚なきまでに叩きのめす4点目をあげた。

 終盤間際には、交代出場のFW皆川佑介(中央大4年=前橋育英高)とマレーシアGKが交錯。相手GKが交代するというアクシデントはあったものの、その後は大きなピンチも、チャンスもなく、タイムアップ。日本が実力差どおりの展開で4-0と大勝し、ベスト4進出を決めた。しかし、吉村監督は「トーナメント1回戦なので勝ってよかったと満足すべきだが、課題の多い試合だった」と快勝にも表情を緩めない。次戦の対戦相手のフランスには、この試合のように余裕をもったボールまわしが通用しないことは確かだ。「フランス戦では意地を見せたい」(長澤)という日本の奮起に期待したい。

[写真]長澤(左)は勝負の行方を決定づける3点目をマーク

(取材・文 飯嶋玲子)

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