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[国際ユースサッカーin新潟]U-17新潟選抜、山田2発などクロアチアから3点リードも逆転負け

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[7.13 国際ユースサッカーin新潟第1戦 U-17新潟選抜3-4 U-17クロアチア代表 スポアイランド聖龍]

 13日、第17回国際ユースサッカーin新潟が開幕した。地元・U-17新潟選抜はFW山田貴仁(帝京長岡高)の2ゴールなど前半21分までに3点を先取したが、そこから4点を奪われて3-4で逆転負けした。

 立ち上がりからボールを支配されて自陣へ押し込まれた新潟選抜だったが、集中力高く、試合に入っていたチームはポイントを逃さずにゴールを連発。駆けつけた地元観衆を沸かせる。

 まずは前半6分、MF森駿介(長岡向陵高)の展開からMF手塚竣一朗(新潟ユース)が左オープンスペースを突くと、そのラストパスに山田が飛び込む。GK、DFと交錯しながらも粘った山田が右足でゴールヘ押し込んでリードを奪った。

 その後もボールを支配したのはクロアチア。右サイドで抜群の存在感を放つ右FWロベルト・ムリッチやMFイヴァン・シュニッチ、左SBペタル・マミッチ、左FWフラン・ブロディッチといったタレントたちが高い個を発揮しながら反撃する。だが、新潟選抜は運動量の多いFW飯野七聖(新潟ユース)のスペースへの動きなどで相手を押し返すと15分、左CKのこぼれ球を拾った手塚がドリブルでサイドを攻略してラストパス。逆サイドへ流れたボールを拾った山田が鋭く縦へ仕掛けると、一気にGKもかわして右足シュートをゴールヘ流し込んだ。

 新潟選抜の勢いは止まらない。21分には森が右オープンスペースへ配球すると、これに追いついた山田が中央の状況を冷静に見極めてラストパス。ファーサイドから走りこんだ手塚が左足ダイレクトでシュートをゴールへ沈めて3-0とした。

 押し込まれながらもチャンスを確実にものにして大量3点リードを奪った。だが、自力で勝るクロアチアの攻勢を食い止めることができなかった。クロアチアは28分に右SBヨシップ・フィリポヴィッチの右クロスをFWアンテ・ブラジェヴィッチが頭で追撃弾。その後は耐えていた新潟選抜だったが、40分にマミッチのラストパスを再びブラジェヴィッチに押し込まれると、このあとは防波堤が一気に崩れてしまう。

 クロアチアは42分にもブラジェヴィッチのスルーパスからシュニッチが右足でゴールを決めて3-3。さらに前半アディショナルタイムには左中間からドリブルで持ち込んだマミッチが豪快な左足シュートを叩きこんで試合をひっくり返した。

 新潟選抜の宮崎広志監督は「2-3、3-3で行けばもう1回仕切りなおしできた。流れを変えさせるというところを(選手も)私もできなかった。残念でした」と悔やんだが、後半はシュート数1-11。シュツットガルトDF酒井高徳と新潟MF酒井宣福を兄に持つCB酒井高聖(新潟ユース)中心に相手の攻撃を粘り強く跳ね返し、また前へ行く意識も見せていたが、シュートシーンをつくり出すことができなかった。

 後半12分には左サイドからのパスをゴール正面で受けた飯野がビッグチャンスを迎えたが右足シュートはポスト直撃。「前に入ったボールに強く行ってボランチ、FWのところで獲るということはできていたし、あとは裏に一発出たボールをCBがカバーしていい形で獲れていたところもあったかなと思います」と通用した部分について語った酒井だが、「獲られてビビっていた訳ではないけれど、相手の攻撃を受けてしまっていた。受け身になっていた」と悔しい敗戦を振り返った。

 今回で17回目の開催となった国際ユースサッカーin新潟。宮崎監督が「この大会に出たい、と段々なってきている」と説明したように、地元の選手たちにとっては貴重な国際経験を積むことのできる舞台、強化、レベルアップするための機会になってきているという。そして2年前の大会ではその成果を示す初優勝。今年は選手たちにとって同世代のU-17代表入り、U-17W杯出場への最後のアピールの場にもなっている。

 大会2日目の14日にはU-17日本代表と対戦。U-16日本代表として昨年のAFC U-16選手権に出場している酒井は「きょうの出来は自分の中では(アピールは)不十分だと思っているので、あした切り替えて直接対決のときに自分の力が精一杯出せたらいいと思っています」。初戦で地元観衆を沸かせたU-17新潟選抜が、次は“格上”撃破を狙う。

[写真]前半15分、新潟選抜は山田がGKをかわして2点目のゴール

(取材・文 吉田太郎)

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