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東アジア杯メンバー発表 ザッケローニ監督会見要旨

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 日本サッカー協会は15日、東アジア杯(20~28日、韓国)に出場する日本代表メンバー23人を発表した。海外組に加え、代表常連のFW前田遼一(磐田)、MF遠藤保仁、DF今野泰幸(以上、G大阪)、MF中村憲剛(川崎F)、負傷のDF伊野波雅彦(磐田)の招集を見送り、若手主体の国内組のみの構成。FW柿谷曜一朗(C大阪)ら10選手がA代表初選出となった。
日本代表メンバー一覧

アルベルト・ザッケローニ監督
「これまでW杯予選の突破という目的で戦ってきたが、アジア3次予選でも、最終予選でも、内容も数字も圧倒して勝ち上がってきた。今後はW杯に向けての大事な準備としてやっていかないといけない。東アジア杯の3試合を含めて、7~10試合やっていくことができる。私が就任してからアジア杯までの3か月にJリーグをしっかり見て、代表チームの世代交代をした。そのメンバーが中心となってW杯予選を戦ってきた。この時期は欧州組の選手を招集できないということで、国内組が所属チームで見せてきた実力や大会中の1週間での成長を見るいい機会になると思う。新しいメンバーがこの代表チームに入ってきてくれたらうれしいし、チーム内の競争が激しくなればチームの成長につながるし、このメンバーから良い刺激を受けたい。

 ミニキャンプに呼んだ選手もいるが、多くの選手は初招集に近いと考えている。今まで名を連ねてきた選手の中でも、試合に出るチャンスがあまりなかった選手も招集したが、彼らにはこのチームを引っ張っていってほしい。23人のリストをつくるのは大変だった。23人しか呼べない中で、力を把握している選手よりもJリーグで成長しているメンバー、手元に置きたいメンバーを選んだ。新しい選手がどれだけ代表チームに力を貸してくれるか。これまで呼んできた選手の力は十分に把握しているので、新しいメンバーにチャンスを与えようと思った。今回の23人の招集基準は今、挙げたのが理由だ。私はだれ一人として忘れていないし、代表チームはすべての選手に門戸を開いている。平均年齢が25、26歳というのは望ましいことだが、それは選手がどれだけやってくれるかにかかっているし、あくまで理想ということ」

―システムは4-2-3-1を採用するのか? その場合、トップ下の候補は高萩ぐらいだが?
「個人的には山田もトップ下のポジションができるし、柿谷もできると思う。トップ下は、その3人ができる。3人ともタイプは異なるが、そのポジションをやる能力を持っている。基本的には4-2-3-1のフォーメーションでやることになる。パーソナリティー、主導権を持ってプレーする姿勢を見せてほしいが、初めて合わせる選手もいるので、最低限、必要な情報は与えようと思う。試合間隔が短いので、チームの構築にかける時間は多くない。チームとしてバランスを取るためのインフォメーションは出すつもりだが、選手もできることを思い切りやってほしい。とはいえ、このメンバーを信頼しているし、Jリーグで活躍しているメンバー。23人を選ぶのは大変な作業だった。23人以上の選手がJリーグで活躍している。選ばれたメンバーは、自分のできることがJリーグにとどまらず、国際レベルでもできることを見せるのにいいチャンスだと思う」

―柿谷はチームでは1トップを任されているが、トップ下だけでなくサイドでも起用可能か?
「サイドをできるかどうかは現時点では分からない。能力的にはできるのかなと思う。数日前にも試合を見たが、若くて、成長している。センターでいいところを見せているし、DFとの駆け引きもやっている。現時点ではセンターで見てあげるのが適正かなと思う」

―SBの本職が駒野だけだが?
「森脇はアジア杯で招集しているが、ポジションはサイドのMFだった。当時、森脇を広島の試合で見に行ったときはミキッチがやっているポジション、つまり中盤4枚の右をやっていた。槙野はCB、SBをこなせる選手。特に相手のアタッキングサードに入ったときに魅力的な動きをする選手だと思っている。駒野は右も左も高いレベルでこなせる。(SBは)この3人で安定していると思うし、最近のJリーグでもよくやっているメンバー。海外組のSBは代表でもこれまでよくやってくれているし、クラブでもよくやっている。プラスしてこのメンバー。充実したポジションだと思う」

―CBでは森重、鈴木らを招集し、1トップでは豊田が初選出となったが?
「鈴木は時にSBもやっているが、ほとんどCBでプレーしている。五輪のパフォーマンスを見ても、CBの選手だと思う。森重は私の就任当初は(F東京で)ボランチのポジションをやっていたが、DFラインならどこでもできる選手で、ボランチもできる。その高いポテンシャルを代表チームのために使ってほしい。ビルドアップができるし、守れるし、空中戦も強い。パーソナリティーも持っている。より成長してほしいし、代表のポジション争いに食い込んでほしい。

 豊田は所属しているチームではよくやっている。自他ともに認めるエースで、チームメイトもまず彼にボールを入れようとしている。エリア内での強さ、空中戦での強さが彼の特長。そこは我々のチームの中でストロングポイントではなく、対戦相手が我々のウィークポイントと思って突いてくるところでもある。その中で彼がどれだけのパフォーマンスを見せることができるか。手元に置いて見てみようと思った。

 今回のメンバーに関しては、(東アジア杯での)出場時間にかかわらず、参加する意識、取り組む意識も見ていきたいと思っている。パーソナリティー、性格、代表チームに対する気持ち。代表チームは現時点でいいグループができている。どれだけそこに入ってきたいかを見ていきたい」

―3試合でメンバーを入れ替えながら戦うのか?
「できる限り多くの選手を試してみたいが、同時にチームのバランス、パーソナリティーは確保しないといけない。そこが崩れると、普段できることもできない。それを吟味しながら決めていきたい。新しいメンバーを手元に置いて、代表でどれだけできるかに関しては非常に興味がある。私の目標としては代表でのレギュラークラスをより多くつくることにある」

―結果と新戦力の経験、どちらを重視するのか?
「サッカーの世界では常に結果を求めないといけない。そのうえで、試合が終わった時点で相手が我々を上回っていたら、正々堂々と握手する姿勢が大事だと思う。我々の最大の目的はW杯に向けてどれだけ準備できるか。その準備の段階に東アジア杯も入ってくる。勝つためにやるが、勝ちにこだわって、代表クラスのメンバーが見つからない方がいいか、結果は出なくても、代表チームに入ってくる素材を見つけることができるか、どちらかと問われたら、後者を選ぶ。3年前、日本サッカー協会に呼ばれて話したのは、14年のW杯に向けてチームを成長させてほしい、そして内容を伴うサッカーをしてほしいということだった。それに向けて集中している」

―キャプテンはだれになるのか?
「サプライズです(笑)。若い選手であったり、出場ゼロの選手はきっとやらないだろう。駒野のこれまでの代表チームへの貢献度、これから想定される貢献度、彼のこれまでの歴史を考えると、彼しかいないと思う。駒野は代表チームに来るのが好きな選手ですから(笑)」

―東アジア杯で結果を残しても、新戦力がフルメンバーのチームでポジションを奪うのは難しいのでは? 結果を出してきた清武もレギュラーではないが?
「フルメンバーに入ってくるのが難しいという考えがあるのはポジティブなことだと思う。これまでやっているメンバーがいかにいいパフォーマンスを見せているかということだ。今のメンバーは、目的をつくり、準備期間があったときには圧倒的な戦いでいい結果を残している。そのメンバーには数多く欧州でレギュラーを張っている選手がいる。そのうちの何人かは欧州のビッグクラブでプレーしている。日本人の選手が成長していると言えると思うし、特に前線のメンバーには実力を兼ね備えた選手が多い。

 清武がレギュラーではないと言われることには抵抗がある。チャンスがあれば、彼は試合の最初から出ている。どこかが欠けたとき、まず来るのが清武。彼もレギュラーの一人だと思っている。チームに合流したタイミングでのコンディション、対戦相手の特徴も吟味してメンバーは決めている。清武はニュルンベルクでも厳しい戦いをしていた。新しいチームで、エースとしての期待もあった。タフなシーズンだったと思う。本田や香川がいないときには、W杯予選の大切な試合でも清武は試合に出て、常に素晴らしいパフォーマンスを見せている」

―W杯まで1年前の時点と本番のときではレギュラーのうち何人ぐらいが入れ替わってほしいと思っているか?
「まず目標が何かを考えないといけない。W杯に向けて力のあるメンバー、そのときにコンディションの高まっているメンバーが試合に出る。その考えがあったうえで、ピッチにだれが出るべきかは自然と決まってくるものだと思う。ピッチ上でのパフォーマンス、代表チームにかける思いが最終的にそういうものにつながる。ポイントは11人の選手が全員、攻守両方をできないといけないということ。W杯ではタフな戦いが待っている。攻撃しかしない選手、守備しかしない選手は入ってこない。W杯に行くにあたって、守るだけの戦いをするつもりはない。頭の中では、W杯に行って自分たちのサッカーを積極的に出すチームを思い描いている。そこにバランス、パーソナリティー、勇気を持ったチームを見たいと思っている」

(取材・文 西山紘平)

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