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ザックが工藤に“特別指導”、「自分から聞きに行った」

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 中国戦を翌日に控えた前日練習を終え、各選手がクールダウンに入る中、日本代表FW工藤壮人(柏)がアルベルト・ザッケローニ監督のもとへ歩み寄った。矢野大輔通訳を挟み、指揮官に直接質問。ザッケローニ監督はピッチ上で身振り手振りを交えながら工藤の疑問に答えていった。

「自分が右のワイドで出たときの守備の仕方を自分から聞きに行った。自分が対面しているSBの選手が自分を超えて高い位置を取ったときのSBの選手とのコンビネーションの取り方だったり、どこまで付いていくのかという話だった」

 5月30日のブルガリア戦、6月4日のW杯アジア最終予選・オーストラリア戦でA代表に初選出された工藤だったが、直前にJ1の試合があったため、ブルガリア戦当日に代表に合流。実質的な練習期間は4日間しかなかった。あらためて練習をやってみての疑問点を指揮官にぶつけた形だ。

 練習では一貫して右のサイドハーフでプレー。同じチームの右SBがDF駒野友一だったこともあり、「駒野さんの方がこれまでたくさん呼ばれていて、(チームのやり方を)十分に分かっているので、逆に自分がドンドン聞いて、分からないときは話している」と、貪欲に取り組んでいる。

 海外組を含め、最もポジション争いの熾烈な2列目で生き残っていくには相当なアピールが必要だ。ただ、今回の招集メンバーを見渡しても、足元で受けて勝負するタイプが多い中、動き出しの質で勝負する工藤は特長が異なる。

「他の2列目の選手とは違った特徴を持っているかなと自分でも思っているし、だからこそ出し手とのコミュニケーションが非常に大事になってくる。一人で打開する選手以上に、もっとコミュニケーションを取って理解を深めていきたい」。中国戦でのA代表デビューへ。短い準備期間の中でも最善を尽くす。

(取材・文 西山紘平)

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