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偉大な先輩と同じ代表デビュー弾、工藤「重なる部分もある」

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 A代表デビューの興奮はなかなか冷めなかった。中国戦でデビュー戦初ゴールを決めた日本代表FW工藤壮人(柏)は深夜3時ごろまで寝付けなかったという。「普段も夜7時開始の試合だと体が火照るというか、暑くて眠れない。(午後9時開始だった)昨日もそんな感じで、ゴールを取れて興奮していたのもあったし、布団の中で携帯をいじったりして何とか寝ようとしたけど、なかなか眠れなかった」と苦笑いした。

 真っ先に、尊敬する先輩に報告した。柏時代の先輩で、今季から背番号9を受け継いだFW北嶋秀朗(熊本)にメールで「しっかり結果を残すことができました」と代表初ゴールを報告。北嶋も中国戦後に自身のツイッターで「工藤やったな!めっちゃ嬉しい!ちっきしょう!すげーぞ!んにゃろう!負けらんねー!くっそ!おめでとう!……なんだこの感情。。頑張ろう、俺!」と書き込み、後輩を祝福していた。

「キタジさんには感謝していますし、キタジさんもいろいろツイッターで書いてくれていて、興奮したと言ってくれた。でも、これで終わらずに次からも続けていきたい」。元日本代表で国際Aマッチ3試合出場1得点を記録している北嶋も、代表デビュー戦となった00年10月17日のアジア杯・ウズベキスタン戦で初ゴール。「そういうのを聞くと、思うところがあるし、レイソルで9番を付けて代表まで上り詰めて、重なる部分もある。キタジさんの背中をずっと追いかけてきて、少しずつだけど、近づくために必死にやるだけです」と感慨深げだった。

 25日のオーストラリア戦も、中国戦と同じように体格でまさる相手との試合になる。「昨日の中国よりも大きいと思うし、体格は相手の方が分がある。ギャップを突いていくことが大事」。そう警戒する工藤だが、苦手意識はない。キレと動き出しの質で勝負するタイプだけに、大柄なだけに俊敏性に欠ける相手はむしろ願ったりだ。

 今季のACLではセントラルコースト・マリナーズ(オーストラリア)とのアウェー戦で決勝点。「ACLで自分より大きい相手を経験してきたけど、点は取れているし、自信はある。Jリーグより海外の相手の方が体格は大きい。そこで結果を残せているので、得意なのかなというのはある」。そう力強く言い切った工藤。北嶋もできなかったデビューからの2戦連発弾で、今度こそチームを勝利に導くつもりだ。

(取材・文 西山紘平)

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