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「蹴らせてもらえないか」、宮市が志願のPKで“アーセナル初ゴール”

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[7.22 親善試合 名古屋1-3アーセナル 豊田ス]

 前半26分だった。MFセオ・ウォルコットのスルーパスがスライディングで防ぎに行ったDF田中マルクス闘莉王のハンドを誘う。ボールを持ったMFミケル・アルテタ宮市亮は「蹴らせてもらえないか」と近づく。ボールを貰った宮市は集中を高めると、GK楢崎正剛も届かないゴール左隅に豪快に蹴り込んだ。

 アーセン・ベンゲル監督も「アルテタの機転の利いた良い判断だったと思います」と笑顔を見せた好判断。4万2919人と代表戦も含めても豊田スタジアム史上最多の観衆もこの試合最大の歓声を挙げて応えた。

 2011年に加入して以降ではアーセナルで“初めて”のゴールを奪った宮市。しかしそれよりも前半7分に迎えたビッグチャンスを外してしまったことに悔しさもにじませた。「世界レベルでやっている限り、ああいう場面は決めないといけない」。現状に満足しない心。「上達したいという心構え、情熱もしっかり持っている選手」。ベンゲル監督も評価した特別な選手の条件を彼は持ち合わせている。

 ウィガンに期限付きで移籍していた昨年は、度重なる故障に苦しんだ。右足首の怪我から復帰した試合で再び右足首を負傷するなど、リーグ戦わずか4試合の出場にとどまった。現在もリハビリを続ける宮市は「まだフィットネスは万全ではない」と正直な気持ちを明かす。

「W杯に出たいという気持ちはありますが、まずは今シーズンやるべきことをしっかりやれば、結果は後からついてくると思う。まずは自分が出来ることをしっかりやりたいと思います」

 コンフェデレーションズ杯、東アジア杯と苦しい戦いを強いられる日本代表は救世主の登場を待ちわびている。

(取材・文 児玉幸洋)

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