横浜FCは24日、日産スタジアムの真横にある日産フィールド小机でトレーニングを行った。前日に、りさ子夫人と日産スタジアムで行われた横浜F・マリノス対マンチェスター・ユナイテッド戦を観戦したFW三浦知良も、約2時間のトレーニングで汗を流した。練習後、カズはマンチェスター・ユナイテッドのMF香川真司に感謝のメールを送ったことを明かしている。

　この試合に刺激を受けたというカズは「マンチェスターを見ていてもそうですけど、とにかくゴールにこだわる。すべてのプレーがゴールにつながっている。何のためにボールを回しているか、何のために走るか、何のために守備をするか。それはすべてゴールのため、点を取るため。その方向性というか、そういうモノがしっかりしている。真司のプレーもゴールに直結するプレーが多かったので、面白かったですよ」と、試合の感想を語った。

　そして、感謝のメールを香川に送ったという。

「まず試合前に、僕が『カミさんと見に行きます』と送ったら、真司が『良いデートになるように頑張ります』ってメールを返してくれたんだよね。だから『良いデートになりました』と送りました」と言って、照れ臭そうに笑った。

　この試合に限らず、カズはとにかくサッカーの試合を見まくっている。なぜ、そこまでサッカーを見るのか。そう聞くと、カズはサッカー選手としてというより、ファンの目線で見ているのだと告白した。

「もうファンです。僕はサッカーが好きで、自分もプレーしていますけど、やっぱり勉強になるし。でも、戦術の勉強をするというより、良いプレーを見て喜んでいる。海外の試合もそうだし、J1の試合もそうです」

「J1の試合に限って言えば、僕ら(J2)の試合の前日にやることが多い。だから、僕らがホームゲームのときは、土曜日、僕は家にいるので見れるんです。ナイター開催以外のときは、最初に行われる13時とか14時の試合から、ずっと全部見ていますよ。治療をしたり、マッサージを受けながらも、それが終わってからも。夜の最後の19時からの試合も見ているし、その後のハイライト番組も見ていますね」

「海外の試合も見ますが、海外の場合は時差があるので、大変なんです。けど、次の日とかに録画でやっているときは、見ていますよ。もちろん、FWの技術だったり、動きだったりは見ますけど、本当にファン。『すげーな』とか『うおー!』とか言いながら見ているから。そんなに誰々がこう動いて、カバーしたとか、そういうことよりも自分が一つひとつのプレーを見て楽しんでいます」

　夏休みに入ったということもあり、この日は数多くの子供たちも横浜FCの練習を見学し、その後、カズにサインを求めていた。そういった子供たちにも、サッカー観戦を薦めている。

「子供の頃は、見てマネしてほしいですね。僕もブラジル代表のリベリーノがすごく好きで、彼のプレーを見て、そのマネばっかりしていました。それが、すごく大事だと思いますよ」

(取材・文　河合拓)

[写真]練習後、集まった多くのファン一人ひとりにサインを書くカズ