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[MOM802]神戸U-18FW米澤令衣(2年)_3発!得点王狙う2年生エース

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.25 日本クラブユース選手権1次R第1節 神戸U-18 4-0熊本ユース 下増田]

 ヴィッセル神戸U-18の2年生エースが初戦から輝きを見せた。FW米澤令衣が「僕は1点取ったら勢いに乗るタイプ。調子に乗って『いけるんちゃうか』と思えて来る」という言葉を証明するように、PKによる先制からわずか7分でハットトリックを達成。夏のクラブ日本一を決めるadidas CUP 2013第37回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会の1次ラウンド第1戦、ロアッソ熊本ユースを4-0で下す勝利に大きく貢献した。

 1点目はチームメートが獲得したPKだったが、2点目は個の能力が光った。左サイドからFKのフィードボールを受けると、胸トラップでボールをコントロールしながら、背中で相手をブロック。右足のボレーシュートをたたき込んで、相手の闘志を打ち砕いた。さらに1分後には混乱した相手守備ラインの裏へ抜け出し、ワンタッチシュートで3点目をマーク。あっという間のハットトリックだった。

 米澤はRIP ACE SCという個人技重視の指導法を持つ大阪のジュニアユースチームで育ったドリブラーだ。神戸U-18に進んでから1年半。野田知監督は「今日は途中でスイッチが入ったようだった。最近はずっと点を取っているし、期待している。技術的にまだ少し粗いけど、スピードがあってドリブルもできる。力強さもある。以前はドリブルを始めるとシュートもパスもできずに終わることが多かったが、最近は味方や相手といった周りを見て駆け引きができるようになってきている」と成長を評価する。

 中学時代に比べてプレーの幅が広がっていることは、米澤自身も体感している。「中学のときに比べて、周りが成長していることもあってドリブルでかわせない部分が出てきたので、ファーストタッチでかわす駆け引きなども考えるようになった。今までは個人のことばかり考えてきたけど、守備などチームに貢献するプレーをするように意識するようになったと思う」と日本代表で脚光を浴びている柿谷曜一朗(C大阪)を参考に、ドリブル以外の武器も修得しようと己を磨いている。だからこそ、3得点の快勝劇にも満足はない。「今日は立ち上がりに2本チャンスがあったのに決められなかった。序盤は自分が決めなくちゃいけないという責任感とかで緊張してしまう。前半に決めておけばもっと楽な試合になっていたはず」と課題を口にした。

 今大会の目標は、優勝。自身は昨年の国民体育大会で兵庫県代表として日本一に輝いているが「それは、もう終わった大会。出る大会は全部優勝したいし、得点王も狙う」とどん欲だ。ハットトリックでのスタートは、存在アピールの第一歩に過ぎない。

(取材・文 平野貴也)
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