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アーセナル期待の19歳、チェンバレンインタビュー「日本にはとても高いポテンシャルがある」

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 アーセナル(イングランド)の19歳MFアレックス・オクスレード・チェンバレンは、18歳でイングランド代表デビュー。6月のブラジル代表戦でも同点ゴールを叩き込んだが、ドリブル、パスでも違いをつくることのできるMFは将来を嘱望される若きタレントだ。25日には育成年代のフットボールプレーヤーをサポートするナイキジャパンのプログラム「NIKE FC」のトレーニングセションに参加。年齢の近い日本の中高生たちのトレーニングに入っても、全力プレーする姿が非常に印象的だった。加入3年目で今シーズンにかけるMFが日本サッカーについて、アーセナルでプレーすることへの思いなどについて語ってくれた。

―NIKE FCの選手たちと触れ合った感想を
「楽しかったですよ。日本の若くて才能のある選手たちを見ることができて良かったです。コーチングも良かったですし、良いセッションだったし、選手たちも良かったと思います」

―学生時代、上手くなるために重視していたトレーニングは?
「たくさん練習しましたよ(笑)。たくさん時間もかけて努力しました。何千回ものトレーニングセッションを重ねました。主に技術面で、ファーストタッチや、パスや、右足、左足、シュート、ドリブル……。少し年をとってからはフィジカルのトレーニングもしました」

―自分自身のどのようなプレーに注目してもらいたい?
「ファンの皆さんはきっとボクがどんな選手か知っていると思います。ピッチに出たら、何かしら役に立とうと思っています。大抵はドリブルしたり、相手のボールを取りにいって、ボールを持って走ってスペースを作ったり……これまでもそうして来たし、これからもそうするつもりです。ウイングでも、もっとセンター寄りのポジションになっても、どこにいてもそういうプレーをしようとしています。なさそうですけど、ゴールはCBでプレーすることです(笑)。あとは、パスもずっと練習しています。パスは自分の強みの1つだと思っています。ウイングだとボールに触るチャンスも限られるのであまりその力を見せられてないのですが、今シーズンもう少しセンターでプレーできたら得意のパスを活かしたプレーをしたいです」

―タイトルを獲得とるために、より必要なことは?
「個人的には昨シーズンよりも一貫性が必要だと思います。(昨シーズンは)アーセナルの力を披露することができました。バイエルン・ミュンヘンとの試合でも気迫と粘りを発揮し、実力を証明しました。チャンピオンズリーグの準々決勝に進むことはできませんでしたが、ああいう試合ができると勢いがつきます。シーズン後半には、負け試合が続いた後に、勢いが出てきました。シーズンを通じてそういった結果を一貫して出せるようにすること。毎試合一貫した結果を出し続けることが大事です。特に週に3試合ある時などはとても難しいことですが、勝ち続けて、勝ち癖をつけなくてはいけないです。プレーが悪くなければ、結果もたたき出すことができます。シーズン後半ではそういう試合が何試合もありました。アーセナルはテクニックに長けたチームで、いいサッカーをしたいのはもちろんですが、昨シーズンはあまり調子が良くない時に、アウェーの試合で、1-0で勝利を収めることができたこともありました。なので、一貫性が必要だと思います。アーセナルにはそれだけの実力のある選手もいるし、その素質もあると思います」

―アーセナルでプレーすることの誇り、難しさについて教えてください
「(誇りを持っていることについては)もちろんです。アーセナルのようなクラブでプレーできるのは夢のようです。ビッグクラブで、素晴らしい選手、監督、スタッフがいて、素晴らしいファンの方たちがいます。ですので、このクラブを代表してプレーすることを光栄に感じています。イギリスから遠く離れたアジアでもアーセナルに対する支持がこのように非常に大きいということを目の当たりにして、このクラブでプレーすることがいかにすごいことなのかということを再認識させられました。このクラブでプレーできることを本当に光栄で、誇りに思っています。これからも長い間アーセナルでプレーし続けられたらいいなと思っています」

―ベンゲル監督から学んだこと、印象的なことばがあれば
「ベンゲル監督は色々なことを言いますね。今シーズンがクラブに入って3シーズン目なのですが、過去2シーズンたくさんのためになることを言ってくれました。必要としている時に励ましの言葉をかけるのが上手です。また、あまり上手くプレーできていなくて技術を磨く必要がある時も、ちゃんと言ってくれて、上達する方法を教えてくれました。戦術的なアドバイスや技術的なアドバイス、たくさんのアドバイスをもらっています。他の選手にもボクにも、いつも上達する方法を教えてくれています」

―宮市選手はチームにとってどのような貢献ができそう?
「リョウと僕は(チームの中でも)若い方ですね。残念ながら彼はファーストチームに入ってわりとすぐにケガをしてしまいました。サッカー選手であれば、キャリアを重ねる中でケガをするものですが、タイミングによっては辛い時もあります。まだ選手としての立場を確立していない時、チームに慣れようとしている時にけがをしてしまうのは残念なことです。そう意味ではリョウは不運だったと思いますが、トレーニングをしている時に彼が才能ある選手だということは明らかです。ボクが彼と知り合ってから、他のチームに2回レンタルされて、そちらではいいプレーを見せていましたね。レンタル先でもあいにくケガをしてしまったようですが、不幸中の幸いというか、筋肉系のケガではなく足首やねんざなどの衝突系のケガだということです。運が向いてくればそういうケガにはならないから、いい試合をして、みんなに実力を証明できるチャンスが回ってくるはずです。
 彼はとても性格がよくて、物静かな時もあるけど、元気に溢れていて周りの人たちをにこやかにさせる面もあります。ボクが知っている最も『いい人』の1人で、チームの中で彼の事を悪く言う人は1人もいないです。みんなにとても愛されています。バスで移動中に、皆カラオケをする時も、リョウが笑わせてくれるので、みんな彼に歌わせようにします。本当にいい人です。ケガさえなければ、彼が力を発揮するのを見ることができると思います」

―日本サッカーの印象、将来の可能性について教えてください
「(日本には)とても高いポテンシャルがあると思います。日本代表にも質の高い選手がいますし、プレミアリーグでも日本人選手が何人かプレーしています。彼らを見ていると、日本には質の高いサッカー選手が生まれる土壌があることが分かります。来日してからも、ランチの時も、ディナーの時も、テレビをつければ必ずサッカーの試合が放映されていて、日本のサッカーをよく見ています。先日ボクたちも日本のチーム(名古屋)と試合をしました。親善試合だったので、少し力を抜いてプレーをしていたかもしれませんが、選手たちの質が高いことは分かりました。ゴールチャンスをたくさん作られてしまって、驚かされました。厳しい試合になることは分かっていました。日本のチーム、アジアのチームは一般的にとても体力があるので、厳しい試合になると思っていましたが、技術面もとても上手でした」

(構成 吉田太郎)

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