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チームメイトも絶賛した「徳永の安定感」、緊急投入で存在感

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[7.28 東アジア杯 日本2-1韓国 蚕室]

 緊急投入にも動じなかった。最初の交代カードは後半7分。脱水症状を起こしたDF槙野智章(浦和)に代わって急きょDF徳永悠平(F東京)がピッチに入った。

 徳永は右SBに入り、DF駒野友一(磐田)が槙野のいた左SBに回る。両サイドに個人技のある選手を置いていた韓国は特に左サイドのMFユン・イルロクがチャンスに絡み、前半33分には左から中に切れ込み、ミドルシュートで同点ゴールも決めていた。この対面に入ったのが徳永だった。

「監督からは『まずしっかり守備をして、チャンスがあったら前に行け』と言われていた。最悪、引き分けでもよかったし、まずは穴を空けないように。アクシデントの交代だったし、穴を空けないことを考えた」

 穴を空けないどころか、ユン・イルロクの突破にも粘り強く対応するなど徳永が入ったことで守備の安定感が増した。韓国のペースが落ちたとはいえ、後半は終了間際の猛攻を除けば、決定機らしい形をつくらせなかった。F東京でもチームメイトのDF森重真人は「『徳永の安定感』というのがこの試合のキーポイントかなと思う」と、笑顔で4歳上の先輩に感謝した。

 そもそも、体調不良で参加を辞退したMF柴崎岳に代わる追加招集だった。チームに合流したのは1日遅い19日で、25日のオーストラリア戦に先発したが、これが10年4月7日のセルビア戦以来、約3年4か月ぶりとなる国際Aマッチ。「まったく準備してなかったし、そういう中で呼んでもらえたのがうれしかった」。昨年のロンドン五輪にもオーバーエイジで出場した29歳が、大一番でチームの力となった。

「素晴らしいチームメイトと優勝できた。この経験を次に生かしたい。能力が高くて、若くて、オリンピックもそういう中でやらせてもらった。自分にとってプラスになると思う」。自分自身も若手から刺激を受け、新たなモチベーションを得た徳永。緊急事態で見せたベテランの対応力は、また一つ日本代表の層の厚さにもつながるはずだ。

(取材・文 西山紘平)

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