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日本vs韓国 試合後の選手コメント

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[7.28 東アジア杯 日本2-1韓国 蚕室]

 日本代表は28日、韓国・ソウルの蚕室(チャムシル)総合運動場で韓国代表と対戦し、FW柿谷曜一朗の2ゴールで2-1で競り勝った。日本は2勝1分の勝ち点7に伸ばし、東アジア杯初制覇を決めた。

以下、試合後の選手コメント

●FW柿谷曜一朗(C大阪)
―シュート2本で2得点だが?
「あのシュート2本しか打てていないのが情けない。決定率的にはいいかなと思うけど、裏に抜け出して、もう1点、2点取れたと思うし、落としのところのミスも多かった。Jリーグでミスをもっと減らして、また呼ばれたら成長したところを見せたい。この出来ではまだまだ」
―この展開は想定していた?
「分からない。完全アウェーだったから指示はほぼ聞こえないし、ピッチの間の味方の声も聞こえなかったので、すごくやりにくかった。でも、チャンスは絶対に1つ、2つあると思っていたので、それをしっかりと決められたのはよかった」
―1点目の場面は?
「敏くん(青山)は広島でも(佐藤)寿人さんにああいうパスを出していたし、持った瞬間にそのイメージがあった。中国戦のときも同じようなシーンがあって、それは決められなかったけど、そのイメージだった。いいボール過ぎて緊張したけど決められてよかった」
―前の試合でもヘディングで運んでドリブルというシーンがあったが、思い出した?
「完全に思い出した。なので一回引いて、ボールの状況を見たら、コロコロと転がってくれた」
―2点目は?
「トラップしようか迷っていて、心臓もバクバクで。GKの裏に走るか、止まって待つかの2分の1だったけど、瞬間でこっちかなと思ったらボールが来た。ホントに来てしまったという感じで、入ってくれと」
―冷静に決めたように見えたが?
「冷静に映っていればいいかなと思うけど」
―得点力を2試合続けて出せたが?
「攻撃より、どれだけ守備できるかというところが求められていて、そこはもっとやらないといけないし、今日の出来ではダメだと自分自身感じているので、Jリーグでどれだけやれるか。これから、また注目されるかもしれないけど、その中で自分がどれだけできるか。冷静に自分を持てるかが大事になるし、そのためにまずセレッソで今年優勝するという目標を掲げてやっているので、それに集中する」
―押し込まれる展開で、一発のチャンスで仕事をしたという印象が強いが?
「点を取ることが仕事だけど、それができたからOKかというと違う。すべてのことを求められているようにできないとダメだと思うし、まだまだだと思う」
―今日は前で待っている時間が長かったが?
「守備の仕方でどうやったら、後ろが楽かなと考えていた。(高萩)洋次郎がかなり走って、右に左に守備にいっていたので助かっている部分があった。だからこそ、ああいうチャンスは決めないといけないというところはあったし、あれだけ押し込まれた中でも失点しなかったDF陣に感謝したい」
―押し込まれた展開の中でFWとしてやっていきたいことは?
「体を張ってボールをおさめる、ファールをもらう、しっかりキープするということがまだまだできないなと思うし、それは1トップじゃなくても、どのポジションをやるにしても大事だし、グラウンドが悪いのは絶対に言い訳にできないので、その中でどれだけやれるかだと思う」
―大観衆を2回黙らせた気分は?
「黙らせた気分というより、優勝した気分が最高で、本当に久しぶり。アジア(06年のAFC U-16選手権)で優勝して以来で、やっぱりチャンピオンは気持ちがいいなと思った」
―監督が勝ち負けじゃないと言う中で優勝と言い続けた理由は?
「タカ(扇原)と(山口)螢と3人でセレッソを代表して来たわけだから、優勝できたことをチームに持ち帰って、、優勝した気持ち良さをみんなに伝えて、それがセレッソでもできたら最高だと思っていた」
―代表に来れたから自分を磨けた部分はある?
「代表に来たからどうこうというよりは、いつもどおりやるだけだった。今日は特に緊張したけど、そういうのはJリーグとはちょっと違った環境だったし、これからもっともっと海外でやるチャンスがあれば、もっともっとやっていけるメンタルが大事だし、そういうところがまだまだかなと思った」
―これで前田や本田を脅かせる権利のようなものを得た?
「この大会はこれで終わりなので、次の代表に入ることではなくて、次の水曜日、Jリーグに向けてコンディションを整えること。それが僕が一番しなければいけないことだと思う」
―欲が出なかった?
「先を見てもよくないので、水曜日の試合のことだけを考えたい」
―MVPは柿谷選手かと思ったが?
「正直、俺じゃなくて、DF陣だと思っていた。コマさん(駒野)かなと思っていた。というか、そんなのがあることも知らなかった。まあ、螢くんに聞いてあげて下さい」
―国際舞台の楽しさを久々に感じた?
「楽しかった。一つになれたなという感じだったので、槙野くんとか森脇くんが盛り上げてくれて、僕らも馴染みやすかった」

●FW原口元気(浦和)
―決勝点をお膳立てとなるシュートだった。
「コマ(駒野)さんからのパスでした。89分間、守備をしていたけど、最後、ああいう形で一つ仕事ができたのは、苦しい戦いの中で一つ成長かなと思う」
―自分で決めたかった?
「センタリングか迷ったんですけど、打つことによって何かが起きるかと思ったので。そのまま入っちゃえば良かったんですが、カキくん(柿谷)がうまく詰めてくれたので良かったです」
―大会でのアピール、個人評価は?
「もっとやりたい、もっと自分のプレーを出したいという気持ちもあったけど、今日の試合展開では難しかったし、なかなか出せなかったというのが本音。でも、その中でもそのまま終わってしまうのではなく、最後にああやって仕事ができたというのは日々やっていることがあるからこその成長の証だと思う。そこに関しては良かった」
―チームプレーの比率が高かった?
「そうですね。ザックさんの戦術を表現しようとすると、まだ考えすぎてしまうところがあったので、もっとスムーズに出していかないといけないと思うし、その戦術を遂行する中でも持ち味をもっと出したかったというのはあった」
―優勝という結果も良かった?
「そこに関しては誇りに思っていいと思う。Jリーグ組だけでも結果を残したのは非常にポジティブなこと。もっとJリーグに注目してほしいし、これでJリーグが少しでも盛り上がっていけばいいかなと思う」
―意地を見せられた?
「これで優勝できなかったら、やっぱり海外組がいないと何もできないと思われるのが嫌だった。そこに関しては意地みたいなものがあった。Jリーグだけのチームだったので、チーム内でそういう話もしていた。良かったです」
―優勝したことで個々の評価も増すのでは?
「結局は海外組が来たときにどうなのか。そこにここから何人が呼ばれるか分からないけど、優勝という形で少しは入っていけるというか、食い込んでいける要素にはなったんじゃないかと思う」
―1-1の引き分けだったらイエローカードの枚数で優勝が決まるというのは知っていた?
「知らなかったです」

●FW豊田陽平(鳥栖)
「勝利が絶対に必要だったと思うので、こういった環境で勝つということもあったし、この大会でまだ優勝していないというのもあったし、絶対に日本のためにやりたいという気持ちがあった。短い時間だったけど、自分のアピールというよりは日本のためにというところがまず大事だと思った」
―アピールは?
「今日はアピールというほどのことはできなかった。(大会を通じて)1試合とちょっとしか出ていないので、アピールというのは分からないけど、得点が取れていないので、日本の優勝に少しでも力になれたことが今は気持ち的には大きいのかなと。アピールとなるとやはり得点が必要だし、そういった意味ではやはり悔しいですね」
―力になれたところは?
「とにかくがむしゃらにというところもあるし、鳥栖でも味方のためにとか、チームのためにとか、そういう犠牲心を植え付けられている。そういったところをこの日本代表でも少しでも出せたかなと」
―クリアのシーンでも高さが生きたのでは?
「クリアのシーンもそうですね。最後のところでゴールを防ぐというのは鳥栖でもよく見られることだと思いますが、それもあって、危ないところを瞬時に察知できたことが良かった」

●MF山口螢(C大阪)
―大会を振り返って?
「どれも簡単な試合ではなかったし、大会を通じてタフな展開だった」
―アウェーで韓国に勝って優勝が決まったが?
「すごくうれしい。韓国に勝って優勝したい気持ちが強かった」
―自分自身のアピールにもなった?
「自分のアピールより、優勝したい気持ちが強かったし、優勝できてよかった。その中で、恥ずかしいけど、MVPももらって……」
―MVPと言われたときは?
「俺でいいのかなって(笑)。絶対、(柿谷)曜一朗だと思っていた。2人でMVPだと思います」
―ブラジルW杯に対する意識も変わった?
「少なからずそれはある。ここで満足せず、セレッソに帰って自分のレベルアップに集中したい」

●DF駒野友一(磐田)
「粘り強くやった結果、2点取ることができた。みんな一丸となってやったことがよかった」
―初戦と比べて準備期間も長かったが?
「コンディションは全然よかった。でも、こういうアウェーでも日本のサッカーがやりたい。試合が始まったら攻められる一方で、ボールをつなげない時間も多かった。そこは日本の課題。結果として負けなしで優勝できたことは自信になったと思う」
―試合前に監督は?
「やるからには優勝を狙っていこうと監督も言っていた。そのとおりできたけど、内容はまだまだ」
―優勝カップを掲げたときの心境は?
「初めての経験で、タイミングとかがいろいろ分からなかった(笑)」
―重かった?
「重いっす。最後、みんなと喜べてよかった」

●DF森重真人(F東京)
「理想はラインを高く設定してコンパクトに高い位置で奪うことだけど、それができないことはよくある。そうなったときに我慢できるか。ビルドアップも思ったようなビルドアップはできていなかったけど、しっかり勝つことができたのは、チームで経験できない部分もあった。思いどおりいかないときも我慢する。そこをしっかり耐えることはできたと思う」
―今回の経験を今後に生かしたい?
「経験というより、こういう試合を普段からやっていかないといけない。今回の試合を基準にして考えていかないと。Jリーグでしっかりやっていかないといけないし、チームあっての代表なので。ここで一区切りだし、今日まで喜んで、明日からは切り替えていきたい。すぐJリーグもあるので」
―1対1や球際の勝負も激しかったが?
「韓国も球際は強いし、気持ちの面で劣っていたら勝てない。そこはしっかりした気持ちを持って臨んだ」
―徳永が入ってから落ち着いたのでは?
「『徳永の安定感』というのがこの試合のキーポイントかなと思う」

●DF槙野智章(浦和)
―交代のときにお腹を抑えていたが?
「脱水症状でした。力を出し切ったというのはあったし、無理せず、ベンチメンバーもいるので、監督も最初から100%でいけと言っていた。代わりになる選手が一生懸命やってくれた。無理してチームに迷惑をかけるよりは、やれるところまでしっかりやろうということは決めていた。自分から言いました」
―チームとしてまとまっていた。
「個々のアピールもあったけど、このメンバーに自己中心的な選手はいなかった。チーム戦術の下、自分ができることを精一杯やっていたという印象です」
―チーム内で「優勝」といつも言っていたそうだが?
「言っていましたよ。監督は『タイトルを取りに行くなら遠藤や今野を呼ぶ』という話をしていましたが、僕たちは最初からタイトルを取るつもりで来ていたし、常にそのテーマを掲げて、チームに危機感を与えていた」
―途中交代したにもかかわらず、優勝して一番うるさかったのは槙野さんという声があったが?
「ベンチで45分間、見て、休憩しましたし(笑)。せっかく初優勝でしたから、ベストポジションを確保して、良かったと思います」
―Jリーガーの意地を見せた?
「普段呼んでもらえない選手が呼んでもらえるいいチャンスだったし、監督を含め、いろいろな人々が個人の力を見て、だれが加わっていくかというところに注目していたと思うけど、チーム戦術の下、みんなが自分のできることをしっかりやる。ミスを周りの選手がカバーする。自己中心的なプレーがなかったのが良い結果につながったし、エゴがあれば良い結果を得られなかったと思う」
―なぜチームとしてまとまれたのか?
「みんながしっかり優勝というテーマを求めていたからだと思う。A代表の親善試合に来たというつもりではなく、しっかりとタイトルを取りに、僕たちでもできるというところを見せたいと言っていた。それを実際に口に出して、チーム内に良い循環が生まれたのではないかと思う」
―ここから何人くらいフル代表に行ってほしい?
「数多くの選手が選ばれてほしいですね。次の代表に生き残るためにやっていたけど、みんなが何よりこの大会で優勝したいという気持ちだった。Jリーグを盛り上げたいという話もみんなでしていた。『海外組だけじゃないぞ』という思いは、みんなが持っていると思う」
―優勝という言葉はどれくらい言っていた?
「チームの雰囲気が悪かったり、元気がないとき、連戦で疲れているとき、チームにカツを入れるときに言っていた。一つのキーワードになっていた」
―柿谷選手はどういう選手?
「相手チームとしては非常に嫌だったけど、一緒にやってみて、チームのために献身的にやるし、頼もしい選手です。普段はまじめですよ。練習もしっかりやりますし。あれだけメディアに取上げられてゴールを決めているにもかかわらず、天狗になることもなく、守備もする。この先、同じサッカー選手として、彼が欧州でプレーすることを楽しみにしています」

●DF徳永悠平(F東京)
「相手も押し込んできて、自分たちの時間は少なかった。みんなで守って、少ないチャンスをものにできたのでよかった」
―追加招集で呼ばれた大会だったが?
「まったく準備してなかったし、そういう中で呼んでもらえたのがうれしかった。素晴らしいチームメイトと優勝できた。この経験を次に生かしたい」
―どんなチームメイトだった?
「能力が高くて、若くて、オリンピックもそういう中でやらせてもらった。自分にとってプラスになると思う」
―交代時の指示は?
「監督からは『まずしっかり守備をして、チャンスがあったら前に行け』と言われていた。最悪、引き分けでもよかったし、まずは穴を空けないように。アクシデントの交代だったし、穴を空けないことを考えた」

●GK西川周作(広島)
―決勝点のシーンは?
「最後の最後で駒野さんがうまく走ってくれて、スペースに出すことができた。あれで得点が生まれたのはすごく良かったし、前半からそういう狙いをもっとできれば良かったけど、押し込まれていたのでロングボールでひっくり返すというイメージでやっていた。うまく使い分けてやっていけたと思う」
―具体的な課題は?
「最後のところでしっかり試合を締めるというのはGKのところで絶対できると思う。そこはチームをコントロールするポジションでもあると思うので、締めるところは締めるというハッキリしたプレーをもっとやっていければいいと思う」
―このメンバーで勝てたことがJリーグの自信につながるのでは?
「チームとして優勝できたことが一番良かったので、それがJリーグの盛り上げにつながってくれれば。とにかく結果が欲しかった中で、韓国に引き分けではなく、アウェーの地で勝てたことは自信を持っていいと思う。すぐにチームに帰ってJリーグが2連戦なので、帰ってしっかりやります」
―林選手は出番がなかったが、競争は?
「練習からGK3人でいい練習ができていたし、林選手も常に声をかけて激励してくれていた。短い期間だったけど、GK3人だけではなく、チームとして一つになれたと思う。このまま終わるのがもったいないなと思う」
―この中から何人か加わるかもしれないが、次はいつものチームでの活動に戻ることになる。
「海外組とミックスするのが日本代表だと思うので、国内組はしっかりチームで結果を残さないと生き残れない。僕自身も優勝を目指してやっていきたい」
―一石を投じることができたという手応えは?
「手応えも感じつつ、課題も見えた大会だった。逆に課題がハッキリして良かったというのと、チームとして点も結構取れた。守備のところで無失点試合ができなかったのは残念だけど、チームとして優勝できて、最低限のことができたと思う」
―多かったセットプレーを的確に防いだのでは?
「一本危ないのがあったけど、自分のところで出れるボールは全部行こうと思っていた。そこはできたと思う。あとはセットプレーになっても楽しもうと、余裕を持ってやろうと思ったので。でも、最後の最後で試合を締めることは自分のところでできなかったので、しっかりキャッチして終わらせるというのが今後の課題というか、次につなげていければいいと思う」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子)

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