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[クラブユース選手権U-18]U-17代表北川が2G1Aの大暴れ!清水ユースが仙台ユースに完勝8強入り

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[7.29 日本クラブユース選手権決勝T1回戦 清水ユース4-1仙台ユース 敷島]

 adidas CUP 2013第37回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会ラウンド16、清水エスパルスユース(東海2/静岡)対ベガルタ仙台ユース(東北1/宮城)戦が29日、群馬県立敷島公園サッカー・ラグビー場で行われた。清水はU-17日本代表北川航也(2年)の2得点1アシストの活躍で、仙台に4-1と完勝し、京都サンガF.C.U-18(関西4/京都)と対戦する準々決勝に駒を進めた。

 清水は1次ラウンド唯一の3戦全勝での勝ち上がり。一方の仙台は札幌U-18、横浜FMユースなど強豪ひしめくグループに入ったが、初戦で札幌に勝利し、グループ3位で2年連続の決勝トーナメント進出を果たした。年代別代表選手を擁するプレミアリーグEASTの強豪と、近年全国大会でも戦える力をつけてきた東北の雄が激突した。

 立ち上がりペースを握ったのは清水。4分、右サイドハーフ柳沢拓弥(3年)のクロスを受けた北川が左足を振り抜き、難なくシュートを決めて先制した。仙台は1次ラウンド3試合で11得点の清水の攻撃力を警戒し、本来の4-2-2-2ではなく、MF岩崎湧治(2年)をアンカーに置く4-3-3で臨んだが、清水の強力攻撃陣を止められなかった。

 その後、仙台は徐々に清水のパス回しに慣れ、札幌戦で見せた速いプレスからの速攻によって決定機をつくったが、シュートを決めきれなかった。そうした状況の中、試合巧者の清水は26分、右SB丸山友輔(3年)が前掛かりになっていた仙台のDFライン背後にボールを入れた。それを受けた岡田匠馬(3年)が、前に出てきた仙台GK佐々木藍(3年)の頭上を越えるループシュートを決めて2点のリードを奪った。前半は2-0と清水リードで終えた。

 後半、どうしても点を取りたい仙台は攻撃の圧を強め、右SB飯塚郁仁(3年)が再三鋭い突破を見せてチャンスを作ったが、11分のドリブル突破時に負傷し、小山亮樹(2年)との交代を強いられた。これにより、やや飯塚に押され気味だったU-17日本代表左SB水谷拓磨(2年)が逆に前に出るようになり、再び清水は勢いを取り戻した。そして清水は30分、北川からパスを受けた柳沢が右サイドから強烈なシュートを叩き込み3点目、35分には水谷の突破から途中出場の望月大(2年)へとボールが繋がり、最後は北川がシュートを決めて4点目を挙げた。

 仙台は最後まで必死の攻撃を見せて44分、左SB佐藤瑛亮(2年)のクロスから、途中出場の上野倭(3年)がヘディングシュートを決めて一矢報いたが、反撃もここまで。4-1で効果的に得点を挙げた清水が快勝した。

 清水の大榎克己監督は「良い時間に点が取れて前半は自分たちのペースだった。失点の多いチームだったが、最後耐えた部分と相手のミスにも助けてもらった部分もあった」と試合を振り返った。仙台にボールを持たれる時間帯があったことについては「前半はビルドアップの時にはめられて、ロングキックを相手に拾われた。そこで有効な前へのボールが出なかった。後半も自分たちがチャンスを作ることが少なかった。最後もいらない失点で、ソリッドな守備を求めているので失点ゼロで終われる試合をしたかった」と反省も忘れなかった。それでも「いろんな形から点を取れるようになった」と春からのプレミアリーグで負けが込んでいた時期からの成長を語った大榎監督。勢いに乗ったチームは優勝に向けて視界良好と言えるだろう。

 一方の仙台は結果的に清水を1本上回る17本のシュートを放ちながら1得点にとどまり、今年のチーム立ち上げ時の目標である「ベスト4進出」は達成できなかった。パス交換やサイド攻撃から再三チャンスを作りながら、シュートを打つ際余裕が無く、GKの正面という場面が多かった。仙台の越後和男監督は「試合内容的には五分だったが、ここぞという時決められるかはちょっとの差だが、大きな差。その差を埋めるのが課題」と決定力向上を今後の課題とした。

 しかし一昨年まで決勝トーナメントに進出することすらできなかったチームが、2年連続決勝トーナメントに進出したのは明らかに前進。「昨年より今年は良いゲームができているし、ちょっとずつチームが全国レベルに成長していることを感じる。昨年の5試合と今年の4試合では内容的に違った」と手応えを語った越後監督。粘り強い守備だけでなく、ポゼッションや鋭いサイド攻撃に磨きをかけ、プレミアリーグや関東の強豪相手に怯まず攻撃的に挑み続けた今大会で得たものは非常に大きかった。

[写真]北川の先制ゴールを喜ぶ清水ユースイレブン
 
(取材・文 小林健志)
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【特設ページ】第37回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会

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