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[クラブユース選手権U-18]終盤、サイドの攻防と運動量上回り愛媛ユースを逆転!広島ユースが4強入り!

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[7.31 日本クラブユース選手権準々決勝 広島ユース3-2愛媛ユース 前橋総合]

 adidas CUP 2013第37回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)は31日、準々決勝を行い、サンフレッチェ広島ユース(中国1/広島)は後半アディショナルタイムにFW諸岡佑輔が決めた決勝点によって愛媛FCユース(四国/愛媛)を3-2で下した。広島は8月2日の準決勝で清水エスパルスユース(東海2/静岡)と対戦する。

 広島は、大会初日から“ぎりぎり”の試合展開が続いている。1次ラウンドは山形ユース、甲府U-18と引き分け、富山U-18戦も0-2からひっくり返す1点差の接戦。グループ2位で勝ち上がったラウンド16・浦和ユース戦も、PK戦突入寸前に勝ち越すという試合だった。この日の愛媛戦は11分にU-18日本代表候補FW越智大和のゴールで先制したが、以後は愛媛に再三の決定機を許す展開となる。

 昨年の高円宮杯U-18プレミアリーグの王者・広島に対して、愛媛は1カテゴリー下のプリンスリーグ四国所属。更に平均身長170.5cmという体格的なハンデもある。しかし愛媛はコンパクトに中央を厚くする守備で広島を封じ、「ショートパスをつないで前に進んでいく」(青野慎也監督)という攻撃面の特徴も出していた。

 愛媛は22分に1年生MF忽那喬司の右クロスからMF清川流石が惜しいヘッドを放つと、40分にはFW岡村直哉の落としからMF堀内勇佑がゴール前からフリーで流し込み、1-1の同点。さらに攻める愛媛は43分にも清川が惜しいシュートを放つと、前半アディショナルタイムの46分にもMF山内翼の右クロスから、MF大森遊音が左足ボレーを合わせた。これが決まり、愛媛が2-1と勝ち越して試合は後半を迎える。

 その後半も8分、9分とCKから愛媛の決定機。そして11分には岡村がGKのファンブルに詰めてゴールまであと一歩……という完全に愛媛ペースだった。

 一方の広島は両翼にフレッシュな選手を投入し、ようやく持ち味を発揮し始める。16分にはMF上村佳祐、22分にもU-17日本代表MF宮原和也を投入して左右のウイングバックを入れ替えた。 3-4-2-1のフォーメーションで、鍵になるのはサイドの動きだ。「サイドを使って中が薄くなるというところを、普段からトレーニングでやっている」(望月一頼監督)という広島は、次第に両ワイドから崩せるようになる。

 愛媛は体力の消耗が大きく、横への“スライド”が遅くなっていた。サイドの選手を早い段階で捕まえられず、高い位置に切れ込まれる場面が増える。外へのケアをすると、今度は中が開く。広島は運動量で相手を上回り、オープンな展開になったことで個も生きた。

 32分、広島は宮原が左サイドからスローインを入れ、U-18日本代表候補MF川辺駿が左サイドから仕掛ける。その突破は愛媛DFに一旦ブロックされるが、川辺はセカンドを奪い返して右足で折り返す。「空いてるな、スペースがあるなと思って」(宮原)ファーサイドに移動していた宮原が、シュートを流し込む。宮原、川辺という既にプロ契約を果たしている両選手がゴールを演出し、広島は2-2の同点に追いついた。

 終盤も広島が圧倒する。アディショナルタイムに入った直後の46分には、宮原がエリア内にパスを通して川辺が仕掛ける。そして最後は諸岡がこぼれ球に詰めた。値千金の3点目で、試合は決着した。広島が3-2で愛媛を下し、8月2日に三ツ沢陸上競技場で行われる準決勝への進出が決定。対戦相手はここまでの5試合をすべて90分で勝ち切っている好調・清水ユースだ。

(取材・文 大島和人)
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