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[総体]“大迫越え”狙う鹿児島城西、平岡封じ成功し作陽との大一番突破!!

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平成25年度全国高校総体
「2013 未来をつなぐ 北部九州総体」サッカー競技(福岡)

[8.1 全国高校総体1回戦 作陽0-2鹿児島城西 福岡フットボールセンター人工芝]

 平成25年度全国高校総体「2013 未来をつなぐ 北部九州総体」サッカー競技(福岡)は1日、1回戦23試合を行い、福岡フットボールセンター人工芝の第1試合では作陽(岡山)と鹿児島城西(鹿児島)が激突。1回戦屈指の好カードとなった一戦は、2-0で鹿児島城西が制した。鹿児島城西は2日の2回戦で洛北(京都)と対戦する。

 鹿児島城西の小久保悟監督が「2回戦(の相手)がどこか覚えていないほど、この試合に集中していた」と振り返った大一番。J数クラブが注目する快足アタッカー、MF平岡翼(3年)ら昨年度の全国高校選手権8強メンバーが多数残る作陽はプリンスリーグ中国首位で、一方の鹿児島城西もMF濱上大志(3年)、FW向高怜(3年)、 FW加治佐楓河(3年)ら選手権16強のレギュラー7名が残り、プリンスリーグ九州1部で2位につけている強豪だ。

 この強豪対決で鹿児島城西は「(前から追っても)作陽は上手いですから取れない。カウンターに的を絞って狙っていました」(小久保監督)と守備的な戦術を採用した。スピードのあるSB中村匠吾(2年)を平岡にマンツーマンで当て、左右に動く相手のキーマンに対して中村匠は時に右SB、時には左SBとしてマーク。それでも平岡は前半7分に圧倒的なスピードで中央から右サイドをえぐりラストパスを配球すると、その後も迫力あるプレーを見せたが、スペースを消された中でなかなか持ち味を発揮することができず、シュートゼロで全国のピッチを後にした。
 
 守備的な戦術をとった鹿児島城西だが、前線の2、3人で1点を取ることができるという自信があった。プリンスリーグ九州1部で得点ランキング首位の向高や選手権で2ゴールを記録している加治佐ら高い得点力を持つ前線への信頼も守備的な戦術を採用した一因。指揮官からの期待にCB家村礼央主将(3年)を中心とした守備陣だけでなく、攻撃陣も応えた。

 好守からカウンターでゴールを狙う鹿児島城西は前半15分にカウンターから濱上が放った右足コントロールショットがゴール右ポストを叩く。そして27分、MF吉田隼涼(3年)を起点に中央でターンした濱上が右前方へスルーパス。これで抜け出した2年生MF江崎晃大が冷静に右足シュートを流し込んだ。

 先制した鹿児島城西だが、エースFWの向高が前半終了間際に負傷退場するアクシデント。シュートにまで持ち込めなくなった相手に対し、ポゼッションしながら攻める作陽は平岡やMF佐々木宏太(3年)のドリブル突破や10番MF永松達郎(3年)のFKなどで反撃する。そして相手を力で押し込むと、後半30分には永松のスルーパスからFW大塚光一郎(3年)が抜け出す。だが渾身の左足シュートはゴール右へ外れ、終盤は決定的なシーンをつくることができず。逆に鹿児島城西はアディショナルタイム突入後の37分、ゴール正面左寄りの位置からのFKを吉田が鮮やかにゴールへ決めて勝負の行方を決定づけた。

 家村は「『ここがヤマ場だ』と言われていた。意識していましたけれど、勝てて良かった。自分たちは選手権でいい経験ができた。でも『もっと上に行けた』と言われている。満足しないでいきたい」。目標は東アジアカップのオーストラリア戦で2得点した日本代表FW大迫勇也(現鹿島)の世代が08年に残したベスト8越え、そして日本一だ。「大迫勇也さんたちの世代のベスト8を狙って、その上の優勝を狙っていきます。個人で(大迫を越えるのは)は絶対に無理なんで(笑)、チームでやりたいと思います」と家村。懸けていた大一番を突破した鹿児島城西が“大迫越え”へさらに白星を重ねる。

[写真]後半37分、鹿児島城西・吉田がダメ押しのFKを決める
(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)
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