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[総体]攻守で力見せつけるV候補、流通経済大柏が大津に4発快勝!!

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平成25年度全国高校総体
「2013 未来をつなぐ 北部九州総体」サッカー競技(福岡)

[8.2 全国高校総体2回戦 流通経済大柏 4-1 大津 西南学院大学田尻グリーンフィールド]

 平成25年度全国高校総体「2013 未来をつなぐ 北部九州総体」サッカー競技は2日、各地で2回戦を行い、流通経済大柏(千葉2)と大津(熊本)の高円宮杯プレミアリーグ勢同士が激突。流経大柏がFW立花歩夢(3年)の先制ゴールなど4-1で快勝し、青森山田(青森)と対戦する3回戦へ進出した。

 大会本部で観戦していた視察員たちからは「流経はサッカーが違う」「強すぎる」「10番と6番が本当に効いている」「16番のドリブルは凄いよ」など賛辞が尽くされていた。高校世代最高峰のリーグ戦、プレミアリーグEASTでは清水ユース、鹿島ユースから7得点を奪って首位を走るなど流経大柏は圧倒的な強さを見せつけてきたが、今回の全国総体も2試合で11得点。U-17日本代表FW野口航主将とU-17日本代表候補MF山本宗太朗(ともに3年)中心にタレント揃う大津がその進撃を止めるか注目されたが、流経大柏はシュート数19-3で九州の雄を圧倒した。

 前半9分、流経大柏はU-18日本代表MF青木亮太(3年)が左サイドから切れこむと、最後はゴール前の混戦から立花が右足で先制点を叩きだす。読みが鋭く、また鋭い出足からファウルを全く怖れずにボールホルダーを潰しにかかるMF小泉慶、MF西槙翼(ともに3年)のダブルボランチやFW森永卓(3年)の好守の前に大津はミスが目立つ展開。相手を完全に押し込んでいた流経大柏は30分、小泉のパスを起点に右サイドをドリブル突破したMF秋山陽介(3年)が左足シュートを放つと、これで獲得した右CKからCB三嶋廉士(3年)が大津DFの頭上からヘディングシュートを打ち込んで2-0とした。

 後半、前半よりも全体的に高い位置で攻撃を展開するようになった大津は、カウンターからサイドを取る場面が増えていく。MF坂元大稀(2年)の左クロスのこぼれ球からMF葛谷将平(2年)の放った右足シュートがゴールを襲い、12分には左サイドからの折り返しを山本が決定的なシュート。だがDFの好守に阻まれて少ないチャンスを活かすことができない。

 逆に流経大柏は青木と秋山が個人技で相手守備網に穴をあけ、左SBのU-18日本代表候補DF石田和希主将(3年)が前線とのコンビネーションでPAに顔を出してくる。大津もDFの好守で凌いでいたが29分、流経大柏は右サイドから中央へボールを入れた右SB入江勇樹(3年)がその流れから左中間にこぼれたボールに素早く反応。福岡出身で「上手く中まで行くことができた。ゴール前では(SBも得点を)狙っている。家族や(指導してくれた)コーチが見に来てくれていたので嬉しいです」と豪快な左足シュートを叩きこんで3-0と突き放した。
 
 対する大津は試合終了間際の34分に右サイドを完全に崩し、交代出場MF山本大地(3年)がGKを引きつけて中央へラストパスを送ると、逆サイドでフリーのMF橋田夏希(2年)が右足でゴールヘ押し込んで意地の1点を奪った。だが流経大柏は後半アディショナルタイム、FWジャーメイン良とのワンツーからFW星野秀平(ともに3年)が左足シュート。こぼれ球をジャーメインが右サイドからゴールヘ流し込み、4点目でしっかりと試合を締めた。

 攻守で強さを見せつけた流経大柏。だが本田裕一郎監督は「もっとグループでの仕掛けをやってきたんだけど、全然出ていない。判断力が悪すぎた。あと取られすぎですね」と首を振る。主将の石田も納得はしておらず「監督のいう通りにまだまだ。(ただ)一つひとつの箇所で見ればいいプレーも、自分たちのやりたい形も少しですけど出ていましたし、またあしたの試合でもっと出せるようにすればいい。1試合ずつ成長していくことが大事」と次の試合でより内容のいいサッカーを展開することを誓っていた。

 「高校最強」の評価を受けながら千葉県大会決勝(6月末)で市立船橋に2-3で敗れ、やや迷いも見えた流経大柏だが、普段の練習での意識をより高め、またチーム内のハイレベルなポジション争いによって立て直し、今大会では優勝候補にふさわしいパフォーマンス。福岡で見せている攻守のレベルの高さは周囲を驚かせている。石田は「ゲームをやっていくうちにチームとして良くなってきている。個人として良くなっている選手がいますし、チームの連係も上がってきている。自分たちで評価はできないですけど、ここに来るまでの1か月間でやれることをやってきたので、それを出すだけですね」。強豪を4ゴールで突破した流経大柏だが、昨年準優勝の武南(埼玉1)を2-0で破った北の名門・青森山田が次なる刺客として待ち構える。激戦ブロックを戦う本命に油断は見られない。

(取材・文 吉田太郎)
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