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[MOM814]横浜FMユースMF汰木康也(3年)_“ユルキゾーン”からの先制点

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.2 日本クラブユース選手権準決勝 横浜FMユース2-1G大阪ユース 三ツ沢陸上]

 横浜FMユースの中でも“タレント性”ならMF汰木康也(3年)がピカイチだろう。U-18日本代表候補、Jユース選抜などにも選ばれたサイドハーフで、プレースタイルは優雅そのものだ。183cmの長身だが、最大の特長は柔軟な足回りと動きのキレ。左サイドから切れ込んで相手を抜き去り、得点に絡むプレーは、自身が手本にしているというブラジル代表FWネイマール(バルセロナ)によく似ている。

 この試合でも前半15分にゴール左45度の“ユルキゾーン”からゴールを襲い、先制点を奪った。しかし、その後は「守備の時間が多くて、ほとんど自分たちのペースでやれなかった」。汰木自身、泥臭いプレーを要求される時間が続いた。

「守備は昔から本当に苦手」と苦笑いするが、この大会には「自分が死に物狂いで守備をしないと、チャンスも来ない」という覚悟で臨む。札幌U-18、G大阪ユースという技巧派の相手にも「対応できるようになってきた」と自信も深めている。

 チームメイトの多くが足をつる中、最後までプレーの強度が落ちなかった。後半44分には左サイドから切れ込み、際どいシュート。後半ロスタイムにもDFの間に割って入る力強い突破を見せた。「筋トレをしてもなかなか大きくならない」という細身の体ながら、終盤まで走り切る心身のたくましさが身に付いてきた。

 柏U-18に敗れた前回大会の決勝にも出場しているが、2-1とリードした後半22分から途中出場し、そこから2点を失って逆転負けする苦い思いを味わった。「サポーターに挨拶に行くときに、自分も泣いてしまった。今大会は去年の悔しさを思い返しながら試合に臨んでいる。借りは絶対に返したい」。2年連続の決勝。タフさを増した汰木が、今年こそはフル出場でチームを優勝に導く。

(取材・文 大島和人)

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