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[総体]「夏も強い」今年の星稜、宮市擁する中京大中京撃破し8強進出!

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平成25年度全国高校総体
「2013 未来をつなぐ 北部九州総体」サッカー競技(福岡)

[8.3 全国高校総体3回戦 星稜 2-1 中京大中京 東平尾公園博多の森補助競技場]

 平成25年度全国高校総体「2013 未来をつなぐ 北部九州総体」サッカー競技は3日、3回戦を行い、昨年度全国高校選手権4強の星稜(石川)と中京大中京(愛知)の一戦はMF寺村介主将(3年)の決勝ゴールによって2-1で星稜が勝った。星稜は5日の準々決勝で正智深谷(埼玉2)と対戦する。

 星稜が湘南加入内定のU-18日本代表FW宮市剛(3年)擁する中京大中京に逆転勝ち。選手権に続く8強入りだ。決勝ゴールの寺村は「夏は星稜弱いと思うんですよね、あまり走らんから(苦笑)。それでも勝てるのは何かあるんじゃないかなって。このチーム、実力を出せば上の方まで行けると思っている。その実力を出せずに負けるのは一番悔しいので、そこはやっていきたいですね」。DF鈴木大輔(現柏)らを擁して準優勝した07年の全国総体後、星稜は全国総体で初戦敗退が続いていた。だが今大会は3勝。激戦ブロックを逞しく勝ち上がって準々決勝へ駒を進めた。

 試合は前半3分にいきなり動いた。中京大中京はMF加藤優汰(3年)の左CKからファーサイドのMF應和祐希(3年)が先制のヘディングシュートをゴールヘ突き刺す。この日、制空権を支配していた慶和の豪快な一撃で中京大中京がリードを奪った。

 だが星稜はすぐさま同点に追いつく。6分、左サイドから強引に仕掛けた寺村がDFの前に身体をねじ込んで強烈な左足シュート。GKが弾いたこぼれ球をMF稲垣拓斗(3年)が右足でゴールヘ叩きこんで同点に追いついた。寺村の迫力あるプレーと中盤から飛び込んできた稲垣の動きがゴールヘつながった。

 互いにゴールを奪い合って1-1。攻め合いとなった序盤、追いつかれた中京大中京は12分に再び勝ち越しのチャンスを迎える。左オープンスペースを抜け出した宮市が独走。だが、懸命に戻ったDFよりも一瞬速く放った右足シュートはゴール右へ外れてしまう。

 このあとオープン攻撃で攻める星稜に対し、中京大中京はパスワークで対抗する。拮抗した時間帯が続いたが、26分に勝負の行方を左右するプレー。星稜FW仲谷将樹(3年)のキープから左中間を鋭く抜けようとした寺村が右SB田崎大地(2年)にファウルで倒されると、主審は田崎にレッドカードを提示した。中京大中京にとっては厳しい判定。これで試合の軸は一気に星稜に傾いた。中京大中京はまず守りを固めてカウンターに望みを託すが、慌てずに左右から揺さぶりをかけた星稜に勝ち越しゴールが生まれる。後半9分、河崎護監督が「県の予選ではメンバーに入れてなかったんですよ。でもここに来て一番いい」と目を細める稲垣のパスから寺村がDFをかわして右足一閃。これが決勝ゴールとなった。

 中京大中京は奮闘光る加藤が22分に個で右サイドを突破し、そのクロスのこぼれ球をMF大城佑斗(2年)が右足で叩くがシュートは枠の上。アディショナルタイムには2回戦で決勝FKを決めている左SB速水聖矢主将(3年)のFKに赤いユニフォームがなだれ込んだが、星稜GK近藤大河(3年)に弾き返されてしまう。岡山哲也監督は「普段からしっかりハードワークしろということを言ってきたけれど、予選を通じてウチは2連戦の土日の2試合目なんか本当に良くなかった。体力的もメンタルの面も。今回どうするかというところで昨日の試合もしっかりハードワークできて、きょうの3連戦の3試合目も10人でしっかり走ることができた」とメッセージに応えた選手たちを讃えていたが、3回戦で無念の敗戦となった。

 星稜は連動した守備がチームの安定感を高め、成長株のCB松田翔平(3年)らが2点目を与えなかった。8強入りしたが、選手たちに「過去最低(の世代)」とハッパをかけているという河崎監督は無得点のFW陣に対して「次、2トップが1点ずつ取れなかったらBチームと書いておいてください」と微笑みながらノルマを発表。8強入りもチームにはまだまだ満足感はない。寺村は「(目標は)一番上です。でも足元をすくわれないように。まず(正智深谷を)倒してベスト4というのはあります」。近年、苦戦の続いてきた全国総体だが、今年は「夏の星稜」も輝きを放つ。

(取材・文 吉田太郎)
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