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星稜先輩の豊田を気持ちで封じた鈴木「『おい!』と言いました(笑)」

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[8.3 J1第19節 柏2-1鳥栖 柏]

 工藤壮人豊田陽平による“日本代表FW対決”に注目が集まっていた一戦だったが、もうひとつ注目すべき対決があった。それは柏のセンターバック鈴木大輔と鳥栖のセンターフォワード豊田による日本代表同士のマッチアップだ。

 2人は東アジア杯を制した日本代表のチームメイトというだけでなく、もうひとつ深いつながりがある。それは星稜高校(石川)のOB同士。4学年離れているため高校時代に一緒にプレーはしていないが先輩後輩の関係ではある。星稜高校は現在インターハイで準々決勝に進出しており、本田圭佑(CSKA)も在籍していた名門校だ(本田は豊田の1学年下)。

 そして、この局地戦で勝利をおさめたのは後輩である鈴木だった。豊田の得意とする空中戦では、もう一人のセンターバックであるDF近藤直也とともに柏ゴール前の制空権を握った。この試合最初の決定機となった豊田がDFラインの裏へ抜け出したシーンでも、後ろから追いついてブロック。「切り返すかなと思ったんですけど、上手くコースに入れたと思います」。必死に体を投げ出し、決定機を阻止した。

「今日はガツガツとトヨくん(豊田陽平)にいくって決めてたし、気持ち入れてアタリにいきました。試合中は会話なかったですね。気持ち入ってたから『おい!』とか言いました(笑)。大丈夫かなと思いましたけど(笑)。試合後に挨拶できたのでよかったです」

 この試合で無得点だったとこで、豊田の連続得点記録は「4」で止まった。各チームが手を焼く「豊田対策」についても鈴木は語ってくれた。「鳥栖の選手は最初にトヨくんを見ているので、一歩目が遅れないようにしました。クロスからファーに逃げる動きは代表でもよくやっていたので、その動きに対してはしっかり対応できていたのかなと」

 鈴木は守備だけでなく攻撃でも貢献。柏の2得点はどちらも得点が工藤、アシストがMFレアンドロ・ドミンゲスだったが、起点のパスを出したのはどちらも鈴木だった。東アジア杯のオーストラリア戦でも日本の2点目の起点になったように、良いセンターバックの条件に高いビルドアップ能力は欠かせない。しかし、「ゼロで終わらなければいけない試合」と、本職の守備で完封できなかったことを鈴木は悔やんでいた。

「コンディションは良いし、読みは当たっている」。日本代表を経験し自信を深めた鈴木が、さらなる活躍を見せてくれそうだ。

(取材・文 奥山典幸)

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