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[MOM820]市立船橋DF磐瀬剛(3年)_決勝出場停止も2戦10発の正智深谷完封

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
平成25年度全国高校総体
「2013 未来をつなぐ 北部九州総体」サッカー競技

[8.6 全国高校総体準決勝 正智深谷0-0(PK9-10)市立船橋 レベスタ]

 イエローカードが提示された瞬間、市立船橋のキャプテンマークを巻いた日本高校選抜CB磐瀬剛主将(3年)は天を仰いだ。後半15分に受けたこの警告によって、決勝戦は累積警告で出場停止。「すぐには切り替えられなかったです。でも監督が『いいから切り替えろ』と声をかけてくれたので自分の中で切り替えることができました」。チームリーダーとして決勝に出ることができないことは悔しかった。だが目の前の勝利に集中した。

 相手の注目FWオナイウ阿道との力勝負では「結構強かった」と話しながらも怯むことなく、相手の前に強引に身体をねじ込むなど、持ち味のフィジカルの強さとボール奪取力の高さで対抗。今大会4得点の相手エースにゴールを許さなかった。相手の縦に速い攻撃に背後を取られる場面もあったが、それでも「運もあって守り切ることができた。PKでも勝つのが大事」と2戦連続で5ゴールを挙げている正智深谷を完封。主将で、ディフェンスリーダーでもある磐瀬は自分の役割を果たしてチームメートにバトンをつないだ。

 磐瀬は決勝と縁がない。市立船橋が全国制覇した2年前の全国高校選手権では1年生レギュラーとして初戦から準決勝まで全試合で先発してチームの決勝進出に貢献したが、負傷によって決勝だけ出場することができなかった。そして今回も出場停止によって決勝だけピッチに立つことができない。「決勝はもっていない」と苦笑いした磐瀬。だが、チームメートへ向けて「全国の決勝を楽しんで思い切りやればいいと思います」とエールを送った。チームは守備の柱不在で決勝を戦う。だが磐瀬は仲間たちが優勝旗を掲げさせてくれることを期待して、ピッチの外から全力でサポートする。

(取材・文 吉田太郎)
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