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[総体]市立船橋は全員でV掴む!磐瀬主将ら出場停止も充実の選手層でカバー

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]平成25年度全国高校総体
「2013 未来をつなぐ 北部九州総体」サッカー競技

[8.7 全国高校総体決勝 市立船橋4-2流通経済大柏 レベスタ]

 全員で勝ち取った日本一だった。市立船橋は決勝戦で日本高校選抜DF磐瀬剛主将(3年)とMF藤井拓(2年)が累積警告のために出場停止。フィジカルコンタクトの強さと鋭い読み、そして1年時に全国高校選手権優勝を経験している注目DF磐瀬と、中盤の“掃除役”として、また思い切ったドリブル突破など攻撃面でも存在感を発揮していた藤井の不在はチームに大きな影響を及ぼすと思われた。

 磐瀬は「(チームメートに)『頼んだ』と託しましたね。でもめっちゃ心配でしたよ。きのうの試合。ちゃんと走れていなかった。ちゃんと走れるかな」という不安も持っていたという。だが、代役として今大会初先発したCB田代圭亮やMF鴨目武志(ともに3年)らチームメートたちは躍動。球際での厳しい守りとハードワークで流経大柏に一度もリードを許すことなく勝利した。

 市立船橋は今大会初戦となった水戸啓明との2回戦、そして九州国際大付との3回戦の2試合で登録17人中15人に先発を経験させるなど固定せずに戦ってきた。その経験が決勝でも活きた。朝岡隆蔵監督は「レギュラーメンバーを固定せずにやってきた。1枚、2枚代わってもベースが落ちないのは成果だったかなと思います」と評価。主力2人がいない中でも好守で相手のミスを誘い、勝利という最高の結果を出した選手たちに目を細めていた。

「嬉しいです。出られなかったけれど素直に嬉しいです」と磐瀬。そして「監督はサブもスタメンもないと言っている。選手権までもっとレベル上げられると思います」と手応えを口にしていた。冗談とはいえ、1年時からレギュラーを務めてきた磐瀬が「ボクがいない方がいいんですかね」と口にするほど選手層の厚さを示した充実の勝利。一方、3回戦でゴールを決めたものの、決勝で出番のなかったFW小田大樹(3年)が「きょうとか出て応援とかされたかったし、活躍したかったし、今大会は悔しい気持ちしか自分の中ではないです」と悔しさを滲ませたように、優勝してもさらに意欲を高めた選手もいる。それぞれのモチベーションも新たな力に競争を。全国王者として臨む選手権までの競争で、市立船橋はさらに力を伸ばす。

[写真]決勝出場停止の市立船橋・磐瀬主将。チームメートに感謝していた

(取材・文 吉田太郎)
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