beacon

[MOM246]流通経済大MF江坂任(3年)_今大会最多の5得点。ゴールで掴んだ先発

このエントリーをはてなブックマークに追加

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.17 総理大臣杯決勝 流通経済大3-2明治大 長居]

 6年ぶりの頂点をかけた決勝戦。開始早々に2点を取られる苦しい展開の中で、逆転勝利を手繰り寄せたのはMF江坂任(3年=神戸弘陵高)の2ゴールだった。0-2で迎えた前半26分、「良いボールが入ってきたので思い切って左足でぶち込んだ」と話すように、カウンターから左足シュートを決めてまずは1点を返す。そして後半3分には、MF石井雄輔(4年=流通経済大柏高)が仕掛け、マイナスに折り返したところに詰めて同点弾。「2点目は石井さんがあそこまでえぐってくれて、GKも引きつけてくれたので、トラップして流し込むだけだった。感謝したい」と振り返った。江坂の2得点を含む3得点をあげた流通経済大が逆転勝利で優勝を決め、江坂自身も大会5得点で“得点王”となった。

「今大会に賭けていた」。その強い思いを胸に臨んだ総理大臣杯。全試合に先発出場したが、普段の関東大学リーグ戦では絶対的なレギュラーではない。今大会も当初はサブだったが、現地入りしてから行った練習試合で結果を残し、スタメンに抜擢された。「自分の持ち味はシュート。得点をあげれば試合にも出られると思った」という話すように、持ち味であるシュートを決めると共に今大会でのレギュラーも掴んだ。関西出身の江坂にとって、地元開催というのは大きかった。「高校のスタッフや仲間が見に来ていたので、自分の成長を見せたいと思った。必死にやった」と振り返る。自身初の全国の舞台で、優勝かつ最多得点という最高の結果を残した。

 現在3年生の江坂がトップチームに上がったのは去年から。しかし、厳しいレギュラー争いの中、出場機会も少なく結果を残せなかった。「厳しい環境に身を置かないとプロにはなれない」と考え、流経大に入学したが「実際入ってみて相当きつかった」と大学生活を振り返る。去年味わった悔しさから「今年は勝利に貢献できるようゴールを意識してきた」という得点へのこだわりを見せ、その思いが今大会で実を結んだ。中野雄二監督は「完全なレギュラーではなかったが、力はあるし、シュート力はチームでも1番だと思う。何より、この大阪での大会に対して気持ちが一番充実していた」と評価。「こちらの狙い通りに活躍をしてくれた」と賛辞を送った。

 今大会はチームを優勝へ導く活躍を見せたが、関東に帰ると再び熾烈なレギュラー争いが待つ。ただ、今回の結果は「帰ってからも自信に繋がる」と話すように、先発定着へ大きなアピールとなった。前期を終えてリーグ7位と中位に沈むチームを上位にあげるためにも、次は関東大学リーグ戦での得点に期待がかかる。目標とするプロへ向け、「まずはリーグ戦でしっかりやっていきたい」と巻き返しを誓った。

(取材・文 北野裕子)
▼関連リンク
【特設ページ】第37回総理大臣杯

TOP