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ザック「世界中から好きなDFを取っていいと言われても…」

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 あらためてDF陣に対する厚い信頼を口にした。6月のコンフェデレーションズ杯で3戦9失点を喫した守備陣は今月14日のウルグアイ戦(2-4)でも4失点。強豪国相手の試合が続いたとはいえ、ブラジルW杯まで1年を切り、守備の崩壊は大きな不安材料となっている。

 それでも、この日発表された9月6日のグアテマラ戦(長居)、10日のガーナ戦(日産ス)に向けた日本代表メンバーに大きな変動はなく、DF陣ではDF駒野友一(磐田)に代わってDF酒井宏樹(ハノーファー)が招集され、SBが一人入れ替わるだけだった。

 記者会見ではアルベルト・ザッケローニ監督に当然、守備に関する質問が飛んだ。「失点が続いているが、DF陣の顔触れが変わらないのは他に新戦力がいないからか、それとも現在のメンバーにまだ伸びしろがあると思っているからか」。そう問われた指揮官は「一人の選手、一つのパート、DFラインだけのせいにするのは容易なことだが、そうではなく、他の選手、他のパートとの絡みを考慮することが大切だと思う」と、DFだけの責任ではなく、チーム全体で考えるべきだと指摘した。

「まずはDFラインをよりまとまった状態にすることも大事だし、中盤のライン、FWのラインといかに連動できるかに注意したい。攻撃をするときにDFの選手が一番最初の起点になるように、守備ではFWの選手が一番最初に守備をすることが大切だと思う」。チームとして課題克服に取り組む考えを示したザッケローニ監督。「結論から言うと、他にメンバーが思い当たらないというより、今の選手たちに自信を持っているし、信頼もしている。高いレベルにある選手たちだと思っている」と、現メンバーへの信頼を強調した。

 一方で、時期的な問題により選手個々のコンディションが整っていないことも認める。失点増加の要因として「失点が多い試合は直近だと思うが、それは欧州のシーズンの終わり、そしてシーズンが始まったばかりの時期と重なっている」と指摘。「一人ではなく、数人の選手のコンディションが上がっていない、最高の状態ではないというのが決定的な理由だと思う。それは先ほども言ったように、時期の問題なのかなと思う」。選手それぞれが各所属チームでコンディションを上げていくこと。それが最大の解決策になると考えている。

「今のDFラインのメンバーを心の底から信頼している。たとえ『世界中から好きなDFを取っていい』と言われても、そんなに大きくは変えたくないと思うほど信頼しているメンバーが顔をそろえている」。そう絶大な信頼を寄せる指揮官の思いに応えるためにも、まずはグアテマラ戦、ガーナ戦を無失点で終えたいところだ。

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(取材・文 西山紘平)

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