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イタリア次期監督候補に挙がったザック 「W杯に集中している」

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 日本代表は5日、試合会場の長居スタジアムで公式練習を行い、6日のグアテマラ戦に向けて最終調整した。練習後に記者会見を行ったアルベルト・ザッケローニ監督は「明日の試合はここ最近出てきた我々の課題を修正するチャンスだと思うし、チームとしてより成長を促す絶好のチャンスだと思っている」とコメント。6月のコンフェデレーションズ杯と8月14日のウルグアイ戦の4試合で計13失点を喫した守備の立て直しを誓った。

「一つのポジションのせいではなく、チーム全体のバランスが少し崩れてしまったのかなと思っている。チーム全体の問題と捉えて課題に取り組んでいる」。2日から始まった代表合宿では守備に重点を置いてきた。「ここからW杯本番に向けて適正なバランスをいかに身に付けるか、取り戻していけるかが大切になる」と力を込めた。

 イタリアでは同国代表のチェーザレ・プランデッリ監督が2014年のブラジルW杯を最後に退任する決意を固めたとの報道があり、後任候補として6人の指揮官が挙げられ、その中にザッケローニ監督の名前も含まれていた。「イタリア代表監督候補に私の名前が挙がるのは今に始まったことではなく、2006年から候補に挙がっている」。そう指摘したうえで、今は日本代表に集中していると強調した。

「将来のことは14年6月までのことしか考えられない。私自身、日本のこと、日本人選手のことをとても気に入っているし、このチームをすごく大切にしている。将来のことを聞かれて考えられるのは、唯一、日本代表監督としてW杯に行き、そこでいい戦いをするということだけだ。将来についてはあまり考えていないし、W杯でいかに戦えるかということに集中している。皆さんもご存じのとおり、イタリアからの報道に対して私は個人的にコメントも残していない」

 原博実技術委員長はイタリアの報道について「あることないこと書いてあるから」と苦笑いを浮かべながらも「日本はコンフェデレーションズ杯のイタリア戦でいい試合をしたし、ザッケローニ監督の名前が出てきたとしてもおかしくはない」と指摘。「僕の立場ではコメントできない」としたうえで「母国で名前が出るのは悪いことではない。そういう話題に挙がるような監督とやれていることを前向きに考えたい」と、イタリア国内でザッケローニ監督の評価が高まっていることを素直に喜んだ。

 イタリアの報道では、日本サッカー協会がブラジルW杯後もザッケローニ監督に契約延長を打診する可能性があると報じられたが、「一般的にW杯の成績で監督の評価は大きく変わる。W杯まで見ないと分からないし、もし優勝しちゃいましたとなれば、どう考えても続投を要請するでしょうね。彼らがそれを受けるかどうかは分からないけど。もちろん、結果だけでなく、トータルで決めないといけない」と指摘。現時点でW杯以降のことについてはザッケローニ監督と話していないとも語った。

(取材・文 西山紘平)

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