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本田から絶賛された柿谷「もっと信頼されるように」

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 グアテマラ戦(3-0)の後半開始から45分間プレーしたFW柿谷曜一朗(C大阪)は、一夜明けた7日、MF本田圭佑(CSKAモスクワ)らとともに軽いメニューでクールダウン。10日のガーナ戦(日産ス)に備えた。

 前夜はピッチに立ってからわずか5分で先制ゴールに貢献した。後半5分、左サイド深くに持ち上がったDF長友佑都のクロスに合わせてニアに飛び込み、DF2人を引きつける。ファーサイドにできたスペースでは、本田が相手DFとの競り合いに勝ってヘディングシュート。選手同士で試合前から話していた形が見事に結果となって現れた。

 今合宿中、本田からマンツーマンで話をされることの多い柿谷は「その狙いがあるから、空いている方に僕が飛び込んだということ。臨機応変にやるので、逆のこともあります」と、ニアに入った意図を説明した。

 海外組にまじってのプレーは、先発出場で64分間プレーしたウルグアイ戦と合わせてもまだ109分。1試合強のプレータイムだが、戦術の飲み込みの早さは本田を瞠目させている。

 グアテマラ戦後、本田は「ようやくこういうタイプの1トップが出てきたかという感じがする」「曜一朗はすべてを兼ね備えている感じがする」と、文字どおりこれ以上ないほどの賛辞。だが、これを聞いた柿谷は表情を変えることもなく、「もっとそう思ってもらえるように、もっと信頼してもらえるようにできればいいと思います」と話す。

 冷静なのはなぜか。W杯まで9カ月となっている今、「理解するスピードが他の選手と同じなら来ている意味はない。人より早く吸収して早く溶け込まないといけない」との切実な思いがあるからだ。

 東アジア杯で台頭した新星は、チームメイトも驚くほどのスピードでザックジャパンの中心に歩を進めようとしている。10日のガーナ戦でさらに前へ進めるか。期待が高まる中、柿谷は「一つひとつ成長していくだけ」と変わらぬ口調で前を見据えた。

(取材・文 矢内由美子)

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