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[早スポ]5試合ぶりの歓喜!優勝に向けて再スタート

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[早稲田スポーツ ゲキサカ版]
JR東日本カップ2013 第87回関東大学リーグ戦 9月11日 東京・味の素フィールド西が丘
早稲田大2-1中央大

 前節は首位の専大に惜敗し、首位奪還に失敗した早大。今節の相手は昨季のリーグ戦で連敗を喫するなど、苦手としている中大だ。前半に互いに1ゴールをあげて迎えた後半、早大がMF竹谷昂祐(4年=G大阪ユース)のゴールで勝ち越し。2-1で中大を下し、後半戦の初白星を飾った。

 前節と同じ先発で臨んだ第11節は、前半からスリリングな展開に。早大が15分にDF三竿雄斗副将(4年=東京Vユース)がコーナーキックからポスト直撃となるボレーシュートを、逆に31分には中大の澤田崇のヘディングがポストに弾かれるなど、決定機が随所に生まれていく。迎えた42分、早大が高精度のプレーが織り交ざった完璧な崩しを披露する。「自分の中でも今シーズン一番良かった」と、出色の出来を見せるMF中田航平主将(4年=横浜FMユース)が左サイドのオープンスペースに大きく展開すると、走りこんでいたのは三竿の足元へ。この絶妙なパスを受けて鋭く曲がるセンタリングを中央へあげ、FW榎本大希(4年=横浜FMユース)のダイビングヘッドが炸裂。5試合ゴールがなく眠っていたエースが、待望の先制点をもたらした。だが、専大戦に引き続き「得点した直後の緩さ」が露呈してしまう。44分、左サイドからボールを奪われると、プレスが上手くかからず右サイドの砂川優太郎がノーマークに。フリーな状態でクロスをあげられると、長身FW皆川佑介に頭で豪快に押し込まれて同点に追いつかれる。喜びもつかの間、結局前半は1-1のスコアで折り返した。

 悲願の勝ち点3に向けて、怒涛の攻撃を見せていく後半。3分に榎本がバイタルエリアから放ったシュートはポストに嫌われ、8分にはFW宮本拓弥(2年=流通経済大柏高)ゴールネットを揺らすも惜しくもファールの判定に。「いつも自分たちは後半走り勝てる」(DF金沢拓真、2年=横浜FMユース)という言葉のごとくペースを掌握していく早大。38分、遂に歓喜の瞬間が訪れる。右サイドに位置する途中出場のMF石川拓(4年=日本大学高)がキックフェイントで相手をいなすと、榎本にスルーパス。榎本が中に折り返したボールを、トラップして難しい体勢からシュートを放ったのは竹谷。相手DFに当たり軌道が変わったボールは、サイドネットを見事に揺らしてみせた。「時間稼ぎも戦術の一つというか、チームが勝つためには必要なこと」(三竿)と前半の教訓を生かしてか、その後の時間帯では失点のリスクを抑えたプレーで賢く試合を終わらせにいく。リードを保ったまま鳴り響くタイムアップの笛。長きに渡るトンネルを抜け、優勝戦線に踏みとどまる貴重な一勝をあげた。

 内容が悪くないながらも黒星が続いていた苦境を救ったのは、4年生のプレーヤーたち。最高学年の責任と誇りを胸に、アシストにゴールに大きく貢献してみせた。「4年生はあと3か月しかないので、これからもっともっとエネルギーを出してやっていきたい」(中田)――。後半戦に入れば入るほど増すであろう4年生の存在。17年ぶりの優勝に向け、上級生の頼れる背中が大きな鍵になっていくはずだ。

[写真]決勝点となるシュートを放つ竹谷。公式戦初ゴールとなった

(取材・文 早稲田スポーツ 松坂和之進、写真 辛嶋寛文)

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