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首位奪還へ、阪南大が後半戦白星発進:関西1部第10節

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[9.11 関西学生リーグ1部第10節 阪南大3-1桃山学院大 J-GREEN堺]

 11日、第91回関西学生サッカーリーグ1部が再開し、第10節の阪南大-桃山学院大戦がJ-GREEN(大阪府)で行われた。リーグ連覇へ向け首位を奪還したい2位の阪南大は、DF二見宏志(4年=奈良育英高、ベガルタ仙台内定)の2得点とFW工藤光輝(4年=札幌U-18、コンサドーレ札幌内定)のゴールによって3-1で勝利した。

 既にJリーグに4人が内定している阪南大。6月のリーグ中断後、4人は各チームの練習に参加。その4人に加えMF窪田良(4年=東京Vユース)も練習参加等で、計5人が1か月程チームを離れていた。5人がチームに戻ってきたのは8月中旬。そこから韓国遠征や弾丸の関東遠征を行い、チームを磨いてきた。ただ「まだ戻ってきた連中がチームにフィットしていない」と須佐徹太郎監督が話すように、チーム全体で練習する時間は多くあったわけではない。

 その中で、迎えた後期リーグ初戦。試合は「入り方が良かった」と須佐監督が振り返ったように、序盤から再三にわたって阪南大が決定機を作る。7分、工藤のポストプレーに抜け出したFW河田篤秀(3年=阪南大高)がシュートを放つも桃山学院大GK圍謙太郎(4年=大津高、FC東京内定)の好セーブに阻まれる。

 その後も攻め込む阪南大に対し、桃山学院大も防戦の中でチャンスを作る。25分、FW大槻佳記(4年=神戸U-18)がドリブルで抜け出し、左サイドからクロス。DFにあたったこぼれ球をMF水頭廉(4年=広島ユース)がゴールでシュート。これはGK原田直樹(4年=広島観音高)が体を張って食い止める。決定機をものに出来ない中、試合が動いたのは前半アディショナルタイム。河田のCKをDF二見が頭で合わせ、待望の先制点をあげた。しかし、喜びも束の間。桃山学院大はMF井上哲朗(4年=大宮ユース)のスルーパスに走り込んだ大槻がGKとの1対1を冷静に流し込み、同点。1-1に追いついた。

 先制後、すぐに追いつかれた阪南大だったが、後半開始早々に勝ち越し弾。3分、自陣から攻め上がった二見が前線の工藤とのワンツーから抜け出し、左足で2点目を流し込む。直後の5分には、DF田渕大貴(1年=大阪桐蔭高)の右サイドからの折り返しを工藤が落ち着いて突き刺し3点目。一挙に2点のリードを奪った阪南大は、その後の危険な局面も「原田が止めてくれるから締まる」と須佐監督が評価した原田の好セーブに救われた。そのまま失点は1に抑え、3-1で勝利した。

 幸先の良いスタートを切ったが、遠征の疲労や暑さの影響から後半に足が止まる場面もあった。須佐監督は「後半20分くらいでへばりが来た。へばってからが問題」と課題を口にする。ただ、田渕が右サイドで上下動を繰り返し攻守共に貢献する好プレーを見せるなど、下級生が着実に力をつけているのは収穫だ。次節は累積警告のため出場停止だったMF可児壮隆(4年=川崎U-18、川崎フロンターレ内定)も復帰する。

 昨年度、阪南大は総理大臣杯を制したが今年は出場出来なかった。残すタイトルは連覇のかかったリーグ戦に加え、昨年度準決勝で敗退した全日本大学選手権(インカレ)のみ。準決勝敗退の悔しさを持つメンバーが主力として多く残っているだけに、インカレへの思いは強い。全国の舞台へ向けて、まずはリーグ優勝を。首位追撃の準備は整った。

(取材・文 北野裕子)
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