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[MOM836]広島ユースMF中野匠(3年)試合を決めた男は守備でも奮闘

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.15 高円宮杯プレミアリーグWEST第13節 C大阪U-18 1-3広島ユース 大阪舞洲]

 プレーの度に起きる水しぶき。試合開始から相手背後のスペースにボールを通して、チャンスを狙ったが、ボールの勢いがなくなり、思うように攻撃が進まない。それでも、後半はリズムを掴んで12分にMF諸岡佑輔のゴールで試合を振り出しに戻した。

 苦しい流れが一気に変わったのは後半35分。中央でボールを持った諸岡が前線へスルーパス。PA左で受けたMF中野匠がGKとDFに寄せられながらも冷静に右足を振り抜いて、ネットを揺らした。「あれでこっちにも勢いが付いたし、勝てた要因だと思います」とMF川辺駿が称した一撃は決勝点となっただけでなく、わずか3分後に追加点を呼び込んだように、チームに勢いをもたらした。

 自分自身の特徴を「右利きで左サイドに入っているので、切り替えして、クロスを(越智)大和に入れるように心がけている」としたように、本来は攻撃型のウイングバック。この日も前半、何度か左サイドから好機を作り、勝負を決める1点を奪ったもの、攻撃での出来に関しては「まだまだです」と肩を落とす。

 ただ、この日、攻撃以上に目を惹いたのは守備での貢献。「対面の2人とも速かったので、正直、辛かった。12番(MF高田和弥)は中学を過ごした大分県で一緒にやったことがあるんでスピードがあるのは知っていたけど、ただ、11番(FW魚里直哉)も速かったんでビックリしました」と驚きつつも、「得意じゃないけど、泥臭く頑張れた。サイドの上下運動が必要なので、スプリントの量は多く出来たかなと思う」と豊富な運動量を生かした粘り強い守りで危ない場面をつくらせなかった。

 プロを目指して、大分の中津SCから広島ユースを進路に選んだものの、厚い選手層に苦しみ、スタメンに定着したのは3年になった今年に入ってから。早くにプロ契約を結び、着実に経験を積む川辺、MF宮原和也とは対照的にトップチームへの昇格は叶わなかった。彼らの存在に刺激をもらいつつも、「プロを目指していたんで、最初は悔しさがあった」と心境を口にする。それでも、「上がれないなら、大学でしっかりやって4年後プロになるしかない。今は切り替えて、一年目からガンガン出られるような選手になれるのを目指している」と彼らに追いつけ追い越せと前を向く。

「ここ最近、全然勝ててなくて悩んでいた。今週のトレーニングはコミュニケーションも取れていたので、今日は勝ちたかった。勝ち続けて、このチームでまず一冠はしたい」。

 それぞれが進むルートは違っても、目標は“プロ入り”と“優勝”というのはチーム全員変わらない。目標達成に向けて、この日の一勝は価値のあるものとなりそうだ。

(取材・文 森田将義)
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