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俊輔が初のシーズン2ケタ得点に王手、9年ぶりVへ「ラッキーボーイ」を待望

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[9.21 J1第26節 横浜FM1-0清水 ニッパ球]

 俊輔の左足で横浜F・マリノスが9年ぶりのリーグ制覇にまた一歩、前進した。前半4分にMF中村俊輔が左足ミドルで先制点。その後は守勢に回る時間が増え、後半はわずかシュート1本にとどまったが、1点を守り抜いた。

「最初の15分間、前に前にという気持ちが前面に出て、1点取れた。新しい形だったし、今後に生きると思う」。相手の意表を突く立ち上がりのハイプレッシャーで序盤のペースを握り、幸先よく先制点。MF村松大輔を弾き飛ばし、ドリブルで運んでのミドルシュートには「速攻になったとき、自分のマークの選手がもつれて倒れた。左にだれかいたけど、自分で打とうかなと。勢いはあまりなかったけど、コースがたまたまよかった」と冷静に振り返った。

 8月28日の浦和戦(3-0)以来、3試合ぶりのゴールで今季通算9得点目。横浜M時代の98年とセルティック時代の06-07シーズンに記録した自己シーズン最多得点に並び、自身初の2ケタ得点に王手をかけた。「それは意識していない」と話す中村は「毎試合毎試合、自分の納得いくプレー、納得いかないプレーがある。それを整理して、次に準備するという繰り返し。それをあと8試合やるだけ」と淡々と語った。

 この日、2位浦和が引き分けたため、残り8試合で2位との勝ち点差は「4」に広がった。いよいよシーズンも大詰めを迎えるが、「ここ数試合、FKが入ってない。今日は(直接FKを蹴る機会が)なかったけど、そういうのを入れないとスッキリしない。そういうのが大事になる試合が来る」と力を込める。

「足が動かないとか、セカンドボールを拾えないとか、そうなったときの連動がいまいち。今日は早めに点が入って、そのモチベーションが選手を支えていたからよかったけど、自分を含めて、連勝していたころのエネルギッシュさがない。そういうのが必要になる時期だと思うし、そういうチームが優勝する」

 ベストメンバーで臨んだこの日の先発11人の平均年齢は31.27歳。ベテラン選手ぞろいだからこその試合巧者ぶりとしたたかさで勝ち点3を獲得したが、今後はそれだけでは勝てない試合も来るかもしれない。若さゆえの勢いやフレッシュな選手のパワー。「途中から出てくる選手でラッキーボーイも出てきたほしいし」と話す中村は「比嘉だな」と、今季リーグ戦出場はないものの普段からかわいがっているDF比嘉祐介の名を挙げ、笑顔でミックスゾーンをあとにした。

(取材・文 西山紘平)

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