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「不可能ではないのでは」日程変更が却下された柏ネルシーニョ監督が苦言

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[9.25 ACL準決勝第1戦 柏1-4広州恒大 柏]

「こういう結果の後に言うと、すべてが言い訳」と前置きしながらも、柏レイソルのネルシーニョ監督は試合後の会見で日程について苦言を呈した。「事実として、(ACLで4強に残っている)中国(広州恒大)も、韓国(FCソウル)も、イラン(エステグラル)も、(準決勝第1戦前に)リーグ戦を休んでいる」。Jリーグの支援体制について、なおも不満は続く。「(来週)水曜日の大事な一戦を前に、Jリーグ(28日新潟戦)を戦わなければならない。Jリーグ側からすればいろいろな事情があるとは思うが、どこかの日程に当てはめることは不可能ではないのではないか」。

 日本以外の各国リーグがACL制覇への協力体制を整えている中、柏は来月2日に広州恒大のホームで行われる第2戦に向けて、28日のJ1第27節新潟戦の日程変更を大東和美チェアマンに要請したが、却下されたと一部報道があった。9月はJ1だけでなくナビスコ杯、天皇杯、ACLが並行して行われているため、4大会を唯一勝ち上がっている柏にとっては、過酷なスケジュールを強いられている。この1週間だけ見ても、18日にサウジアラビアでACL準々決勝アルシャバブ戦を戦い、そのまま大阪に直行して22日にJ1第26節セレッソ大阪戦。ようやく柏に帰還したのも束の間、中2日で広州恒大を迎えた。

 過密日程を戦い抜くうえで、土曜日のセレッソ戦はネルシーニョ監督らしからぬターンオーバーを実施し、DF近藤直也、MF栗澤僚一、MFジョルジ・ワグネル、FWクレオをベンチに置いた。そんな対策を講じて臨んだ広州恒大戦だが、それでも後半に入ると時間の経過ととともに足が止まっている選手が見られた。出場停止のMF大谷秀和に代わって主将を努めた栗澤は、「中2日で、正直なところ疲れはあった。みんなで乗り越えようとしたけど残念」と肩を落としたが、ネルシーニョ監督は「選手は最後までがんばった」と労っていた。

「いままでフットボールの中で生きてきて、困難な状況を打開したチームを見てきた」。柏に3つのタイトルをもたらした63歳の名将は、まだまだ諦めていない。「ACLで多くのことを学んでいる。昨年ベスト16に残り、今年はセミファイナルまで勝ち進んでいる。まだ90分残っている。我々の目標である決勝進出に、全力でぶつかっていくしかない」。

(取材・文 奥山典幸)

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