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なでしこFW大野は若手の奮起を期待「もどかしさを感じる」

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[9.26 国際親善試合 日本女子2-0ナイジェリア女子 フクアリ]

 FW大野忍が若手にさらなる奮起を促した。

 今回のナイジェリア2連戦はベテランと若手の融合が1つのテーマとして掲げられた。多くの選手が代表初キャップを飾るなど、収穫の多い2連戦になった。だが大野は若手選手への物足りなさを感じていた。

「もどかしさも感じます。何のために来ているのかなと感じることもあります。自分たちを追い抜いてでも試合に出たいと感じない。ここに来て満足ではないですが、そんなこと彼女たちは思ってはないと思いますが、それが全然見えない。自分たちもそこには負けるつもりはない。いつまでも甘えられても困る。もっとアピールしてくれたら嬉しいです」

 事実、これまでなでしこを引っ張ってきた主力選手の必要性が改めて浮き彫りとなった場面もあった。22日の試合では復帰を果たしたMF澤穂希らが存在感を発揮する中、若手のホープで途中出場したMF田中陽子が18分間で交代させられるなど、結果を残すことが出来なかった。

「なでしこの冠を掲げている以上、責任を持たないといけない。皆さんが応援してくれている中で、残念な結果はいいことではない。チーム作りに迷い? それはあると思います。選手の中で何か変えていかないといけないというのは分かっている。ロンドンの決勝の時に比べたら絶対1つになっていない」

 大野はこの日の出場で代表通算代表通算出場数を119試合に伸ばした。これは池田(磯崎)浩美さんに並んで歴代3位の記録に並んだ。W杯優勝や五輪銀メダル獲得と一定の成果を挙げたなでしこが転換期を迎えていることを理解した上での発言。「選手どうのこうのといった問題ではなく、1つになるかならないかが大事」。酸いも甘いも知るベテランの言葉は重い。

(取材・文 児玉幸洋)

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