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山村を救った鹿島MF遠藤「『助かりました』って言ってました」

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[9.28 J1第27節 鹿島3-1大分 カシマ]

 逆転でのJ1優勝を目指す鹿島アントラーズだが、28日の大分トリニータ戦では、なかなかエンジンがかからなかった。後半7分には、DF山村和也の縦パスがカットされて、速攻からFW森島康仁に先制点を決められてしまう。悪い流れを一掃したのが、MF遠藤康だった。

 失点から3分後、相手マークを振り切ったFW大迫勇也からのパスをゴール前でフリーになって受けると、しっかりとゴールに流し込んだ。さらに、その5分後には、MF小笠原満男の素早いリスタートに反応。一度、シュートするタイミングを失ったかのように見えたが、視線はしっかりとゴールを見ていた。左足から放たれたシュートは、ここしかないというコースを通って右サイドネットに決まった。

 流れを引き戻す1点目、そして高い技術を示した2点目だったが、本人は淡々と振り返る。「1点目はサコ(大迫)から良いボールが来ただけなので。走り込んだら良いタイミングでボールが来た。(2点目は)コースが空いていたので、良いところにシュートが打てました。前半からチャンスはつくれていたし、後半の立ち上がりはちょっと悪かったですが、気持ちを落とさずにやれば点は入るだろうという感じでした」と、表情を変えることなく述べた。

 この遠藤の活躍もあり、鹿島は3-1と逆転勝利。試合後には山村に「助かりました」と声を掛けられたという。23歳のCBを救った遠藤は、「ヤマ(山村)は、ああいうミスをしたけれど、今までは攻撃にかんしても守備にかんしても貢献してきたし、全然気持ちを落とす必要はない。これからもヤマの力は必要になってくるから、踏ん張ってほしい」と、気使った。

 この日、首位に立つ横浜FMはアウェーで仙台と引き分けた。残り7試合で鹿島は首位まで勝ち点差5に迫っている。次節以降、鹿島はF東京、浦和、川崎Fといった力のあるチームとの3連戦を控えている。試合後の場内インタビューでは、サポーターに「優勝しまーす!!」と宣言した背番号25は、4年ぶりのリーグ制覇に向けて、「まだ(首位を)抜いていないので。まだ気を抜けない状況が続くかなと思います」と、気を引き締め直した。

(取材・文 河合拓)
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