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城西国際大はPK2発沈む…関東昇格は絶望的に

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[9.29 千葉県大学サッカー1部秋季第4節 国際武道大2-1城西国際大 国際武道大G]

 平成25年度千葉県大学サッカーリーグ1部は29日、秋季リーグ第4節を、千葉県勝浦市にある国際武道大サッカーグラウンドで行った。城西国際大は敵地に乗り込み国際武道大と対戦したが、1-2で敗れた。前半31分にPKで先制を許すと、後半8分にもPKで追加点を奪われる。同9分にMF米澤康太(2年=都城工高)の得点で1点を返したが、反撃もここまでだった。秋季リーグ2敗目、通算4敗目を喫してしまった城西国際大。リーグ戦1位に与えられる関東2部への挑戦権獲得はほぼ絶望的となった。

 城西国際大は秋季リーグ開幕戦で明海大に1-3で敗れたが、延期試合をはさんだ前節の千葉大戦は3-2で苦しみながらも勝利をおさめた。チームを波に乗せるためにも、敵地戦とはいえ、是が非でも勝ち点3が欲しい一戦だった。

「今、一番調子がいい選手を使った」と話した小山哲司監督が選んだこの日のスタメンは、GKに千葉大戦に続くスタメンとなった松永安彦(2年=大津高)。4バックのDFラインは右から津川暢彰(2年=札幌U-18)、廣瀬智行(1年=北海道大谷室蘭高)、重行拓也(2年=広島ユース)、そして2試合ぶりにスタメン復帰した中原翔矢(1年=広島ユース)が入った。ダブルボランチはキャプテンマークを巻くMF橋本渉(2年=広島皆実高)と初スタメンの座を勝ち取った田中崚平(1年=広島皆実高)。右の攻撃的MFに鯉沼将希(1年=東京Vユース)、左に米澤、シャドー気味に加藤潤也(1年=米子北高)、FWには香川滉太(2年=瀬戸内高)が入り、前線の4人は前節同様の布陣が敷かれた。

 最初にペースを掴んだのは城西国際大だった。ただ5分の鯉沼のチームファーストシュートは枠上。10分には香川が抜け出し、こぼれ球に田中が詰めるが押し込めない。12分の加藤のミドルも枠上。26分の鯉沼のクロスを加藤がスルー。走り込んだ田中がシュートを放ったが、いずれも決定力を欠いてしまう。「もったいないなかったです。やはり先制点を取らないと」。この後、加藤が悔やんだ通りの展開が待ち受けていた。

 前半31分、直前の微妙な判定でCKを与えてしまった城西国際大は、こぼれ球を拾われると、橋本がエリア内でMF深松俊平を倒してしまう。このPKを相手のエースで、11年までロアッソ熊本に在籍していたFW笹垣拓也に豪快に蹴り込まれてしまう。松永も反応し手に当てたが、ボールの勢いが勝り、国際武道大に先制点が生まれた。

 追う展開となった城西国際大だが、その後もチャンスは作り続けた。ただ大事に行こうとしすぎるあまり、ゴール前での判断が遅れ、不要なワンタッチ、ワンプレーで好機を逃す展開が続く。「綺麗にというか、崩して点を取りたいという気持ちがプレーに出ていた。早くフィニッシュまでもっていくようにと(ハーフタイムに)言いました」。後半から小山監督は前線でタメが作れなかった香川に代えてFW井之元和之を投入。運動量のあるFWを入れて、攻撃陣に変化を求めた。

 しかし後半8分、またも一瞬の隙を突かれてしまう。右サイドからのCKを与えると、ゴール前の混戦の中で中原が相手を抱え込んでしまう。主審は迷わずペナルティースポットを指し、PKを宣告。2度目のPKも笹垣に蹴り込まれ、リードが広がった。

 だがついに城西国際大も反撃を見せる。まさかの失点からわずか1分後の後半9分、華麗なパスワークでゴール前に侵入すると、加藤からのリターンパスを受けた米澤が右足でゴールネットを揺らし、再び1点差に戻した。

 この後城西国際大は、後半12分から鯉沼に代えてMF竹本佳(1年=関東一高)と投入。同24分からは米澤に代えて、この遠征でトップチーム初帯同を果たしたFW黒木利樹(1年=宮崎日大高)をピッチに送り込んだ。また同29分からは攻撃力のある重行を左SBに据えて、より攻撃を意識した布陣で同点ゴールを目指した。

 後半のシュート数は11-4。数字が示す通り、終盤はほぼ城西国際大が攻め込んだ。しかし焦りからか、なかなか枠を捕えることが出来ない。終盤は国際武道大もほぼ全員が自陣に戻り守備。前期は2-0で完勝した相手だったが、結局最後まで守りきられ、痛い敗戦を喫してしまった。

 失点はPK2本。流れの中ではないだけの余計に悔しさがこみ上げてくる。「相手は守ってカウンターという感じだったので、PKで2点決められたのは悔しいです」。相手のキーマンとしてマークしていた笹垣を流れの中ではある程度抑え込んだ廣瀬も唇を噛んだ。

 残りは延期分も含め4試合となった。今季目標に置いていた1部優勝、関東2部昇格はほぼ絶望的となった。順調に強化を進めていた城西国際大に突き付けられた現実。昨年2部リーグを全勝で勝ち上がった勢いや選手層ではどうにもならないという現実だ。

 小山監督は「私の中で消化試合というのはない」と力を込めた。“ホンモノの強さ”を身に付けるために――。残り試合の戦いぶりに注目したい。

(取材・文 児玉幸洋)

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